三、 霊光の説明

抑々、霊光とは何ぞやと言ふに、読んで字の如く、霊の光であり、光の霊である。此霊光と名付くべきものは、凡ゆるものが、大なり小なり放射しつつあるのであって、動物にも、草木にも、幾分の霊光はあるのであるが、爰では人間に就て、説明するのである。

此人間の肉体から発する霊光は、普通の人間に在っては、一名霊衣とも言はれ、英語ではアウルと言ひ、健康体の者、又は心の清い者程光が強く、霊衣は厚いものである。極上等の人で一尺位、少い人で一寸位、普通二三寸位が一番多いのである。大体白色であるが、其人の霊統に由って二種に分けられる。

それは日の霊統と月の霊統であって、日の霊統は、金色を帯び、月の霊統は銀色を帯びてゐるものである。然るに、特別の人間、例えて言えば釈迦とか基督とか、空海とか日蓮とか言ふ人になると、普通の人の何層倍の厚さも、光もあるのである。けれども、世界大に大きいものは、未だ一人も出なかったので、分り易く言へば、釈迦は東洋の半分大、イエスは欧羅巴大、空海、日蓮等は、日本の何分の一大位なものであって、その宗教の拡がった限度が、其大きさを説明してゐると言ってもいいのである。

所が今度は、未だ例のない大きさが出るのであって、今は必要丈の大きさと強さであるが、最後には、世界大に余の霊衣が拡がるのである。其時こそ、病貧争のない、大光明世界なのである。然し、大きさは今は未だ小さいのであるが、光の強さに於ては、現在でも釈迦や基督等も、到底及ばないのである。其光が病気を治す力なので、其光が是から沢山養成さるる医療士の肉体を通して、凡ゆる病気を治す事になるのである。それで、余の此光は、太陽の光と月の光と、両方混ぜた如うなものであるから、熱のある人に向っては、月の働きによって冷し、反対に、冷えた人に向っては、日の働きで温めるのである。そして此光が、病気を解消するに、如何に力あるかは、別の項目で、詳しく、述べる事にする。

(日本医術講義録 昭和十年)