昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】芸術観の真諦につき御開示を御願ひ申上げます。
【御垂示】之は今年の春の光新聞か地上天国に詳しくかいてあるから見れば判る。要するに芸術家の使命は、芸術によつて人の品性を向上させ、よりよき社会たらしむる事である。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】出世観音様につき御教へを御願ひ申上げます。
【御垂示】之は出世光明如来の間違ひであらう。何となれば、観音の御名は化身仏となつて蔭で救ひをなされた時の期間であつて、一歩世の中にお出になつた最初の御名は、光明如来と申し上げるのである。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】古いお寺の由来記等によりますと、時々観世音菩薩の御尊像が、仏教渡来以前に於て既に祀られてゐる様な事がありますが、日本に於て仏教とは独立して古代に観音信仰があつたので御座いませうか。それとも観音信仰はあくまでも印度、中国に於ける仏教の信仰と共にではあつたが、日本へは仏教渡来以前に観音様の御尊像だけが招来され、宗教としての形式と迄はゆかないまでも、単なる土俗の信仰対象であつたのが、仏教渡来と同時にそれに包含されたものと解すべきでありませうか。御伺ひ申上げます。
【御垂示】勿論仏教の渡来した欽明天皇より数百年以前に渡来したものであるが、それは只仏像だけであつたのが、右の欽明天皇の御代に沢山の経文と共に、公式に渡来したものである。日本にある最も古い観音像は、印度で出来た金銅仏であつて、次はビルマ、支那、朝鮮といふ順序で製作されたものである。処が之を見分るのに、簡単な見方がある。それは印度のはお顔の割合が頗る大きいが、時代の下るに従つて段々小さくなり、朝鮮製になるとお顔が小さく長身である。その代表作としては彼の法隆寺にある百済観音である。又御顔の大きいのは童子の如く、日本で一番古い推古仏の如きは最もよく表はれてゐる。そうして右は彫像の事であるが、絵画の方は余程違ふやうである。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】九州の炭坑は日本の諸工業の原動力となつて居り、又外来文明は九州から輸入されたと聞いて居り、更に神代とされてゐる時代の事を考えます時、九州開発はどの様な意義を持つものでしようか。
【御垂示】九州とは一名筑紫の島といひ、古い時代は一番文化の発達した所である。筑紫とは数なら九に相当する、即ち七で成り、八で八方に拡がり、数が増へ九に到つて発達の極に達する意味である。又一番最初拓け初めたのは薩摩の国で、薩摩から九州が拓け、九州から日本が拓けたのである。薩摩の島津の (マルジュウ)の紋所も、日の丸の国旗が、初めて出来たのも、深い神秘があるのである。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】今迄頂戴致しました御教への中にはスポーツに関した事は殆んど御座いませんが、今日の生活に於てはスポーツは無視する事は不可能でありますが、右に関して本教信徒としての心構え等に付き御教へを御願ひ申上げます。
【御垂示】以前私のかいたものの何処かに、スポーツに就て詳しくかいてあるから見れば判るから、茲では簡単にかくが、人間には競争意識と、闘争意識がある以上、悪に向へば戦争となるので、之を善に向はしむる為にスポーツは非常に必要なものである。之はいふ迄もなく、大衆が楽しみ乍ら決して被害者は出ないからである。従而、ミロクの世になれば、今よりもズツと旺んになるのは当然である。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】毎朝、御神前に御神饌の膳部を御供へする時、ちようど神様が召上るように、神様の方に向けて御供へするものでせうか。それとも人間の方に向けて御供へするものでせうか。
【御垂示】之は本当からいへば、貴男の言ふ通りだが、実は人間の考へとは違う。それは饌供の食物は神様が召上るのではない。神様が霊気を入れて下さるのである。だから人間が差上げる想念は、神様に御霊気を入れて頂きたいといふ意味である。然し神様によっては召上る場合もあるがそれは神様の階級によるので、その場合でも極く少々召上るだけで、大部分は霊気を入れて下さるのである。故にお下りの品物は、一人でも多く頂戴すれば、霊が浄まるのである。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】人の性質と、運命との間には関連がある様に思われますが、先天的、後天的に亘つて性質のよつて来る処を御教示下さい。
【御垂示】之は簡単には話せない。何故なれば、色々の原因が綜合されて一つの性格を形づくるからである。例へば前世の因縁、環境、血統等であるが、其中の前世の因縁は信仰雑話に詳しくかいてあるから読めば判るが、環境の善し悪しも右の原因が大いにある。又血統は祖先以来上中下に宿命的に決つてゐるもので、それが性格にも影響するといふ訳で、細かに話せばきりがないのである。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】御屏風観音様を仏壇に御奉斎致しました場合、今迄の阿彌陀様はどう処置致しましたら宜敷いでしようか。
【御垂示】阿彌陀様は御軸か御像かで違うから、それを今一度かいて出しなさい。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】砂、粘土、腐蝕三種の割合に依りまして、土地に種類が御座いますが、之が非常に偏つて居ります場合、之を客土等により改良すべきで御座いませうか。
【御垂示】之は一寸判らない点がある。腐蝕といふのは可笑しい。土が腐蝕などする筈がないからである。多分堆肥の事であると思うが、そうとして客土など入れる必要はない。入念に耕せばよろしい。特に粘土と砂と混ぜると結構である。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】酸性土壌は肥料過剰の為と思つて居りますが、開拓当初より酸性土壌となつてゐる場合が御座ゐますが、其原因は如何で御座いませうか。
【御垂示】そんな筈はない。何かの間違ひであらう。只山間などで鉱物が雨水等の為に流れて土へ浸み込む場合がある。その為であらう。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】自然農法に於て、田の裏作に麦を作ります時、稲と違ひ余程困難を感じますが、如何なる理由で御座いませうか。
【御垂示】困難とはどういふ困難であるか、詳しくかいて出しなさい。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】幽世大神は国常立尊で、数十年前に幽世の主宰を大国主尊に委ねられたと「地上天国」で拝読致したのですが、国常立尊と大国主命との関係を御教え下さい。
【御垂示】之は御神書の古いのに出てゐるから、よく読みなさい。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】過般一般新聞の「科学の声」の欄に肺癌は長らくの愛煙家に多いとの記事がありましたが、これは煙草の「ニコチン」の影響が多いのでしようか。
【御垂示】之は誤りである。煙草に関係はない。真症は霊的と、肉食の毒素の為、疑似癌は薬毒と尿毒の為である。
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昭和二十五年十二月二十五日
【お伺】九月十三日頃から約一ケ月に亘り妻が産褥の大浄化を致し苦しみましたが、「妻の実家の祖霊の供養をすれば良い」との御教示を実行致しました処忽ち快方にむかい、最後の日の御祭りがすむと嘘の様に良くなりました。此を機会に今迄この教の良い事を充分識つて居ながら、世評を気にして入信しなかつた実家の人々を入信させたいと思いますが、未だ時機が早いでしようか。又此の様な状態にある親戚が沢山あるのですが、今後この様に親戚の諸霊に頼られた場合一々祀つてやるべきでしようか。又霊界と現界の救いの順序を如何にしたらよいか御教示願います。
【御垂示】親戚知人へ対して出来る丈、御神書や、新聞雑誌を読ませるやうにし、時節を待てば、必ず次々救はれるものである。といふのは救はれた霊が、霊界で働くのは勿論、救はれた霊を親戚の祖霊は知つて、早く自分は救はれたいと子孫に働きかけるから、どうしても入信する事となる。之が根本で、本教の発展するのもそういふ訳である。
(地天十九号 昭和二十五年十二月二十五日)