地上天国第05号  妙智之光  講話集

昭和二十四年六月二十五日

【問】観音様は三十三相と言ひますが、従来の日本の神仏例えば八幡菩薩も金比羅権現も、其他八百万神や諸善諸仏も三十三相に化現されるんでせうか。

【答】そんな事はない。三十三相に化するのは観音様だけで、救ひの為に相手によつて応身される。之が観音様の御働きで、私がいつも行つてゐる事で、信者の人もそういうようにしなければいけない。それには自分の個性を滅却して、先方を主にするよう心掛くべきである。之が応身の働きで、その為化現され、それが三十三相である。観音様は三十三相といふが御本体は聖観音で蓮華を持つておられるお姿である。蓮の花は仏法を表象し、仏法を以つて救はれるといふ意を表はしてゐる。禽獣虫魚にまで化するというが、之は全然ない事もない。神様の霊は虫などに憑依する事もある。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】物事が順調に行かぬ場合は浄化でせうか。何かの訳があるのでせうか。

【答】物事が順調に行かぬ場合は浄化の為の場合もあり、時節が来ぬのに焦るからでもある。果物が未だ熟さぬうちに取つて食ふようなものである。

その他罪穢があるとそれに相当した邪霊が憑かうとするが之とても一種の浄化の現れである。然し誠の心を持てば速く浄化が済み善い心掛けと良い行をすれば運勢が開けるように此世は出来てゐる。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】霊子は人間生活に如何なる関係があるでせうか。

【答】これは言ふまでもなく霊子がなかつたら、凡ゆる生物は死滅する。科学的にいうと電子、原子、霊子の順に微粒子になつてゆく。勿論、霊子は最極微粒子である。音は霊子の体で粒子が大きいから、音の運動は遅いのである。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】浄霊が比較的忙しくない場合は一時的に他の職業と兼ねてもよいのでせうか。

【答】之は臨機応変であるが、本当は他の職を求めるのはよくない。神様の方にもいろんな事情があつて遅速があるのである。

私は最初の頃よく散花結実といふ言葉を用いたがそういふ場合もある。之は花が散つて実が実るといふ事で、多くの場合一時盛んになるが花が散る時が来ると暇になるのであるが、実が出来るのは時間がかゝる。人間は焦りたがるが、閑なのは一時的現象で決して長く続くものではない。何事も始めからパツとするのはいけない。実がみのる様に始めは小さく徐々に大きくなるのが本当である。

又発展をしない理由は、何か神様のお気に入らぬ事がある訳もあるから、よくその心と行を考えてみるべきである。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】お葬式に参列の後で用足しをしたり、お墓参りをしてはいけないといふ理由。

【答】お葬式とか、婚礼とかは人生の重大な儀式であるから、参列したらそのまゝ帰るのが死者に対する礼節である。よく死汚れといつて死者のそばへよると汚れるといふがこれは大した意味はない。

礼節は大事な事で浄霊に行くにも、用足しを先にすると効果がうすい。之は主客転倒であるからである。神社参拝も同様でお詣りは先にする。それから用を足すのが本当である。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】心霊学者、修養団体(報恩会、奉誠会、霊友会)等の指導者の霊視能力は憑霊の為でせうか。

【答】すべて霊視力は憑霊のためで、その殆んどは狐霊である。狐が憑ると霊が見えたり声が聞えるのである。精神病者は右の能力が顕著である、故に普通人がそうなる事は危険である。然し特殊の場合一時的見える場合は差支えない。始終見えるのはよくない。精神病者がよく空間をみつめてゐるが、之は医学では幻覚といひ、聴えるのを幻聴といふ。正守護神が視せる場合があり、その際狐を使ふ事もある。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】催眠術の原理。

【答】こちらの霊で向ふの霊を負かす方法である。であるから自分の霊より以下の霊なら術がかゝるが、自分より以上の霊の者にはかゝらない。催眠術にかゝるのは大抵女に多い。それは女の霊は男に負けるからだ。

何れにしても之は副霊の作用で、邪道であるからやらない方がよい。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】浄霊の時手をどの位離したのが一番霊気が強いでせうか。

【答】かなり遠くとも霊気はつよい。二三間は放れてもよいが、あまり遠いと中心を外れるおそれがあるから、二三尺位が一番いゝ所で中心がよく合ふのである。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】雷は如何なる現象ですか。

【答】雷は霊界の曇りを焼き払ふのである。之に伴ふ雨風はその上、水で洗つて風で吹き払ふ浄めの業である。又他の理由もある。菅原道具が霊界へ行つて火龍となり、彼を陥れた讒者を雷火によつて悩ました有名な話があるが、こういふ事は相当偉い人でなくては出来ぬことである。

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昭和二十四年六月二十五日

【問】墓碑建立につきて常識的に留意すべき事項。例えば方向、形状、盛土の高さ、石の種類、植樹の可否等につき。

【答】方向はどちらでもよい。その土地の地形によればよいが、本当から言うと北の隅で南向が一番よい。

形状は普通の形でよい。自然石はいけない、形状は石屋の造る形でよい。盛土の高さは丁度拝みよい高さがよい。即ち一尺五寸位である。石の種類は白い色ほどよい。黒つぽいのは不可である。極く上等の墓は白大理石を用ひる、植樹は墓に植える様な常磐木ならよい。余り高くなるのは不可である。即ち槇、モチ、カナメで特にシキミがよい。

(地天五号  昭和二十四年六月二十五日)