カリエス

カリエスは、脊髄カリエス、肋骨カリエス等であって、脊髄カリエスに於ては普通脊柱が彎曲(ワンキョク)し、傴僂(セムシ)となるのである。そうして、多くは腰部及び股部に一個所乃至、数個所自然穿孔され、その孔から膿汁が排泄されるのであるが、其膿汁たるや頗る多量にて間断なく排泄され、数年に及ぶものさへある。

真の原因は霊的であるが、茲にはそれを省いて体的に説明すれば、遺伝に因る特殊膿であって、それが頗る多量なのが此病気の特質である。医療はコルセットにて脊柱の彎曲の進行を防止せんとするが、幾分の効果はあるが一旦彎曲せる脊柱は決して治癒しないのである。そうして、排膿に対する手当等は反って浄化作用の妨害となり、治癒を遅らせるのである。故に、カリエスの兆候ありと認めたる時は、運動を盛んにして浄化作用を起させるのが最善の方法である。

肋骨カリエスは、肋骨の裏面の骨膜に溜結せる膿が骨に微細なる無数の孔を鑿ちて、外部に排泄されんとする一種の浄化作用である。医学では骨が腐ると称して、手術により痛む部所だけを切除するのである。然し自然療法によって完全に治癒するので、痛苦は少し我慢すれば治るので、骨が腐るなどといふ事はあり得ないのである。

(医学試稿 昭和十四年)