不感症

次に近来大分喧しく云はれてゐるものに彼の不感症があるが、之は医学でも全然判ってゐないし、婦人にとっては之程将来の運命に関はる重要なものはないから、成可詳しくかいてみよう。人も知る通り折角結婚しても、何より肝腎な夫からの愛情を受入れ難いので、どうしても夫婦円満にゆかず破綻を生じ易いのである。そうでなければ夫は外に愛人を作ったり、又不姙になったりするので、結局不幸な運命になる婦人が案外多いやうである。としたら何としても全治させなければならないが、困った事には之を人に相談する訳にもゆかずといって医療では全然治せないから、満足な家庭も作り得ず、独身者より外道はない事になり、独り悶々の日を送ってゐる女性も少なくないやうで、実に同情に堪へないのである。処が浄霊によれば必ず治るのであるから、女性にとって之程大きな福音はあるまい。

では先づ其原因其他に就てかいてみるが、一番の原因は言う迄もなく萎縮腎であって、腎臓は医学でもいふ如く、ホルモンの製造元であるから、腎臓が萎縮すれば活動が鈍り、ホルモンが不足となる。それは曩にかいた如く、腎臓背部にある固結の為であるから、それを溶かせば治るのである。その他の原因としては、下腹部の水膿溜結の為性器が圧迫されて、未発達の為である。治療としては、下腹部の浄化法によって水膿を溶解し、後は時日の経過によって其発達を促すより外に方法は無いのであって、性器発達によって精神的方面即ち恋愛不足も羞恥感も相当緩和される訳である。又今一つの原因は、陰部を中心に周囲全体に絶えず下降する毒素が溜る事である。其為下腹部に溜れば、前述の如く子宮はじめ、種々の障害となり、尚下降すれば痔疾、膣痙攣、掻痒症、粘膜のカタル、尿道障害、全面的湿疹や糜爛、痛み、臭気、不快感等に苦しむのである。

特に摂護腺部に腫れや固結が出来たり、左右何れかの大小陰唇部に毒結が出来、それが鼠蹊部に迄及んで、足の運動を妨げられたりする。特に摂護腺部の故障は大いに悪いが、之等すべての診断は、自分自身で押してみればよく判る。必ず痛み又は塊りがある。といっても場所が場所だけに、浄霊も自分か又は夫に行って貰えば、それで結構治ってゆくのである。但し相当長引くから、そのつもりで気長に根気よくやれば段々快くなってゆき、希望も湧くと共に、必ず全治するものである。以上の如くであるから、此事を知ったなら、如何に天下の女性は喜ぶであらうか、之程素晴しい救いはないであらう。

〔浄霊箇所〕
下腹部、鼠径部、背面腎臓部

不感症(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)
婦人病(文明の創造 昭和二十七年)