小児病 疫痢

此病気は、十歳以下の小児に限るのでありまして、五、六歳が最も多く、二、三歳が之に次ぐのであります。
症状は、最初発熱、嘔吐、甚しいのは痙攣が起るのであります。
今迄元気で遊んで居ったのが、急にグッタリとするのであります。非常に眠がり、欠呻をするのは最も悪性で、一昼夜以内に死の転期をとるといふのが尠くないのであります。
原因は浄化作用に由る毒素が、最初胃へ集溜し、その反射作用によって脳症を呈するのであります。
そうして胃に滞溜した膿は、順次腸へ下り、下痢となって排泄されて治癒するのであります。
治療は、胃部を第一とし、後頭部、後頸部を第二とし、腸部を第三とするのであります。
本療法によれば、二、三回で容易に治癒し、実験上、治癒率百パーセントでありますから、生命に係はることは無いのであります。
次に、疫痢又は百日咳等による小児の痙攣の場合非常に驚くのであるが、之は少しも恐れる必要は無いので、如何なる激しい痙攣でも二、三十分にて、放置してをゐて治るのであります。(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)