嗜眠性脳炎、脳膜炎、脊髄膜炎

嗜眠性脳炎の原因としては、毒血ばかりでなく、膿も混ってをります。ですから、脳溢血とは全然違ふ。脊柱の頂部から三分の一辺に、大抵の人は多少膿が滲出してゐるもので、その酷いのが脊髄カリエスであります。脊柱を見ると、そういふ人は其個所が窪んでゐる。其部を叩くと痛みがあります。之は其所から絶えず膿が滲み出て発達しないからであります。よく骨が腐ると謂ひますが、腐る事は決してないので、膿が外部へ排泄されよふとして骨に細い孔を沢山穿けるのであります。本療法によって膿が溶解消失すれば孔は塞がるのであります。カリエスの膿は非常に多い人と少い人とあります。化膿性肋膜炎、化膿性腹膜炎なども之が原因であります。又腫物や痔瘻などもそうであります。

此原因の又原因としては、人間の祖先の罪穢が霊的に脳の中枢へ流れて来、それが物質化して膿になるのであります。膿が出てる時は宛かも上へ出やふか下へ出やうかと考えてゐる様なものであります。其時頭脳を過度に使用したり、又夏の天日に照らされたりすると上方へ昇ってゆく、凡て膿は神経の集注する個所や、熱した所へ集溜するものであります。それに就て以前私が治療した患者で、眼病で医師から「よく蒸せ」と言はれたので、毎日毎日蒸した所、膿が全部眼球へ集中し、真白な膿で眼が塞がったのであります。之は蒸し過ぎた為に附近の膿が全部眼球へ集溜したので、其猛烈な症状には驚いたのであります。実に物凄い程でありました。

で、膿が上昇して小脳へ入ると非常に眠くなる。之が嗜眠性脳炎であります。 又世間には偶に、いくら寝ても眠い人がありますが、之は前述と同じ症状で、僅か宛膿が小脳へ入ってゆくのであって、謂はば極軽い嗜眠性脳炎であります。又小脳までゆかずに、其一歩手前で滞溜する場合があります。之が脊髄膜炎であります。嗜眠性脳炎によって小脳に迄侵入した膿は、図の様な経路をとって排泄され治癒されるのですから、恢復時は目脂や鼻汁に血液が混入してウンと出るのであります。

此病気で死ぬのは、どういふ訳かといひますと、患部を氷冷する為で、其為に膿が排泄され損ねて脳内で固まって了ふからであります。以前、脳脊髄膜炎を治した事がありますが、十位の男の子で熱がどうしても冷めない。で、後頭部の中央を触るととても熱い。そして圧すと痛がる。子供も其所を気にしてゐるので、そこを浄化し始めたら順調に全治したのであります。之がもっと進んで頭脳の中へ入ると、脳膜炎又は嗜眠性脳炎になる訳で、脳膜炎の方は膿が悪性で、嗜眠性の方の膿は毒血との混合で弱性であります。

脳膜炎、之は子供に多い病気で、症状は高熱と前頭部の激痛と、眩くて目が開けられないのが特徴であって、此事を知ってゐれば素人でも診断はつく筈である。此病気が児童に多いのは、浄化力が旺盛であるからである。然し之も放置しておけば、毒結は溶解し涙、鼻汁等になって排泄され、完全に治るのである。勿論浄霊によれば一週間位で全治する。と共に、よく曰はれる予後白痴、不具などには絶対ならないばかりか、寧ろ病気前より頭がよくなり、児童など学校の成績も丸で異ってくる。此理由は医療は毒素を固める為脳の活動を阻害するが、浄霊は溶かして出して了ふからである。脳膜炎など罹りたてに来れば必ず治る。以前医師に見放されて一週間も昏睡状態を続けた脳膜炎の五才の男子の患者を元通りに全治した例がある。

処が医療は、氷冷等で固める為、一旦無熱となり、治ったやうでもその固結が機能の活動を阻害し、痴呆症や、その他種々の不具的症状を表はすのである。

〔浄霊箇所〕
脳天、前頭部、後頭部、頸部、肩、腎臓

(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)
(文明の創造 昭和二十七年)