著述編

栄光

原爆恐るるに足らず

現在の世界で最も怖るべきものとされているものは、何といっても彼の原子爆弾であろう事は今更言う迄もないが、それといふのは其驚くべき破壊力に対して、防止する方法が全然ないからである。併し止まる処を知らない科学の進歩は、何れは防止手段の発明も考え...
栄光

医学断片集(七) 信用のある医師

よくラジオ、新聞、雑誌等に病気の質問に対する応答中に、信用のある医師に診て貰えという言葉があるが、之は変な話ではないかと思う。若しそれが本当とすれば信用の出来ない医師もあるという事になろう。すると法律上正規の許可を得て医師となった以上、不信...
栄光

医学断片集(六)

此間ラジオの米国通信に、四十三度の高熱の五十歳の男の患者の病気が治ったのは、世界にも珍らしいとの事であるが、私は以前四十歳位の男で、ヤハリ四十三度以上の高熱の為、体温器が度々割れるので、病院でも困ったという患者を、完全に治した事があるが、之...
栄光

肥毒に就て

之は自然栽培に切換えて、一、二年から三年位の間は葉が黄色く、細々とした茎などの為近隣の人々から嘲笑され、注意されたりするので、遂迷い心が出たり、恥かしい思いをしたりして、苦労する人がよくあるが、それでも収穫の段になると予想外の好結果でホッと...
栄光

力に就て世の中の人は深い事を知らないから茲にかいてみるが、之を科学的定義でいうならば、目に見える形ある力程弱く、見えない力程強いという原理である。即ち前者は何馬力とか、何瓩とかいうように限度があるが、後者に至っては無限である。つまり人間の想...
栄光

御蔭話を読んで

本紙に毎号満載している御蔭話を読んだ人はよく分るであろうが、危難に遭遇して危うき一命を救われたり、暗い家庭が明るくなったり、収入が増え、物事が順調にゆくようになったとか、凡ゆる面に神様の御守護を戴き、一歩々々天国的家庭になってゆくという事は...
栄光

栄光151~160号

■栄光百五十一号 昭和二十七年四月九日 ・御蔭話を読んで ・力 ・肥毒に就て ・医学断片集(六) ■栄光百五十二号 昭和二十七年四月十六日 ・医学断片集(七) 信用のある医師 ■栄光百五十三号 昭和二十七年四月二十三日 ・原爆恐るるに足らず...
栄光

医学断片集(五) 赤痢

赤痢は今年も大分流行しそうな形勢であるので、当局も大いに憂慮しているようだが、何しろ医学では此病気の本当の原因が分らないので、何とかせざればなるまいと熱心に注意しているが、其方法たるや二階から目薬程度のもので、ヤレ外出から帰ったら手を洗えと...
栄光

三越の春日興福寺宝物展を観て

此間評判になった三越に於ける標題の如き展覧会を観たので、茲に感じた儘をかいてみるが、何しろ今から千二三百年も前の飛鳥、白鳳、天平時代の物ばかりなので、其時代によくも斯んな立派な物が出来たものと、実に驚嘆に価いするのみである。斯ういう時いつも...
栄光

結核新薬を嗤う

最近アメリカに於てリミフォン(イソニコチン酸、ハイドラジット)という新薬が発明され、之によると人体の結核菌は短期間に悉く死滅し、忽ち病気は快くなると云い、今や世界的に評判になっているやうだが、尤もまだ試験中で、発表は本年六月頃との事であるか...