自然農法の勝利

今度新潟県佐渡地方の信者の、自然農法成績に関する座談会が開催された其記事を読んでみると、今迄にない快いものがあったのである。というのは自然農法に切換えた最初の年から、一人の減収もなかったという事実で、全部初年度から二年、三年と漸次増収しつつある報告である。而も私の指示をよく守った人ばかりなのであるが、それは浄霊せずとも増収する事を、如実に示された点である。

然し他の信者でも私の説を守らない訳ではあるまいが、どうも長い間の肥料其他の迷信から抜け切れず、兎もすれば私の説を軽視し勝ちで、自分の考えが幾分でも混る為、それだけ成績に影響を及ぼすのである。例えば水田は藁を細かく切れといってあるのに、非常に長く切ったり、其土地の習慣上堆肥といっても、糞尿とか馬糞などを交ぜたがる。又指導者の中にも自分の考えが多少混る事もよくある。といったように純粋堆肥を使わない人も幾らかあるようだが、充分注意されたいのである。

という訳で本当を言えば、自然農法に於ては指導者の必要はないのである。何となれば私の説をよく噛み締めれば、それで充分解る筈だからである。そうして不徹底な人の多くは、技術面に関心を持ちたがるが、本農法に限って技術は大して重視する必要はない。常識で考えただけで沢山である。何よりも此原理の根本は、肥毒を早く消滅さして、土自体の性能を発揮させれば可いからである。

(栄光百六十三号 昭和二十七年七月二日)