薬屋さんには御気の毒

近頃時々耳にする話だが薬屋さん連中が当局に向って投書其他の方法で本教を非難し妨害的態度に出ているそうだが、之も決して無理とは思わない。何しろ病気の原因は薬であるという事を唱えるのであるから、本教を憎むのも当然で、吾々も常にお気の毒とは思っている。然し本教の建前は病無き世界を造るにある以上、其目的を達成する必要から、病の根本を明かにしなければならないので、つまり小の虫を殺して大の虫を助けるという訳である。

右に就てハッキリ言いたいのは、お医者さんでも薬屋さんでも、本来の使命は金儲けのみではあるまい。人命を救うのが主要目的であるのは今更云うまでもあるまい。従って人間の命が助かる事なら、夫が自己に多少の不利益があっても賛成すべきが当然で、之も亦止むを得ないであろう。然し深く考えてみると右の如く本教に対して、妨害しなければならない程、薬屋さんに影響が行くとすれば、其効果の著しいかを物語っているのである。とすれば此効果に対し、如何に反対したとしてもそれは一時的で、何れは本教の方が勝つに決っているし、若し本教よりも薬の方が勝つとすれば、本教の方が負けるから問題はないのである。という訳で先づ自然の判定に委せておくのが、最も妥当ではなかろうか、敢て考慮を望む所以である。

(栄光百六十五号 昭和二十七年七月十六日)