著述編

光新聞

美人になる法

単に美人といっても大別して三種ある、人工美、自然美、感覚美である。人工美とは白粉や紅で人工的に偽粧する。自然美とは健康美で、血行がよく、活々した美だ。感覚美とは心が美しく、何となく敬愛したい気になる。今日の女性は、無暗に白粉や頬紅口紅を着け...
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自家中毒

よく医学では自家中毒といふが、之は意味が解らない。普通中毒とは飲食物等によって外部から入る事をいふのだが、自分が自分を中毒させるとは如何にも変だ。処が便秘すると自家中毒が起るとよく言はれるが、之は便が体内に侵出するように想ふからだらうがこん...
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社会不安の真因

今日、当局の談によれば「犯罪者が殖えて困る、之は如何すればよいか」とよく訊かれるが、之に就て些か所見を述べてみよう。忌憚なくいえば、現代人は未だ真の人間として完成してはゐないのである。というのは獣的分子が未だ多分にある、いはば半獣半人である...
光新聞

結核新薬に就て

結核に対する新薬位現われては消え現われては消えるものは外にあるまい。之は何によるかという事の私の見解を述べてみよう。吾々が常に唱うる如く薬剤なるものは、浄化作用である病気を一時的停止するだけの効果であって、停止された場合病気治癒の様相を呈す...
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黴菌は根絶出来るか

世間一般、黴菌は有害とされているが、もし黴菌は有益だといったら狂人としか思うまい。処がだ、人間体内の毒血を浄血にする役目が黴菌なのだ。だから伝染病とは浄血作用で黴菌が体内に入るや、血液中の毒素を食うそれが黴菌の食物なのだ。故に食物の多い程繁...
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宗教 教育 政治

今世の中は誰が見ても、実に社会悪が充満してゐるといえよう、彼方此方に忌はしい事が次々起り、人心不安はその極に達してゐる。一体斯んなになった世相は、その原因はどこにあるかといふ事を深く考えてみなくてはなるまい。そうして其責任は一体どこにあるで...
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担板漢

阿含経(アゴンギョウ)に担板漢といふ言葉がある。之は板を担いでる男といふ事である。つまり片一方は見えても他の一方は板の為見えないといふ意味で恰度今の唯物主義と同様、物質のみが見えて霊の方が見えないといふ訳である。 (光新聞二十三号 昭和...
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疥癬の原因

疥癬の原因は種痘の為である。種痘によって天然痘毒素の発生の力を弱められたので、毒素は緩慢な発生状態となる。それが疥癬である。故に重症疥癬は天然痘と同一症状であるに見て、疥癬とは慢性天然痘と言ってもよい。随而、種痘以前は疥癬病はなかった筈であ...
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ホルモン

ホルモンのことを一寸書いてみよう。周知の如く疲労症や性欲減退、子宮発育不全等に多く用いられるが、此の薬剤の原料は男性に用いるものは女馬の尿から、女性に用いるものは青年男子の宿舎の便所の尿から抽出製剤するものであるから、知らない人は之を聞いた...
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名医・故入沢博士

博士の説によれば「医者はインチキをやらなければ飯が食えない」との事だが、之は名言である。何となれば、治らないと知りつつも治ると言わなければならない。判らない病気も判ったような顔をしなければならない。と云う訳であるからあまりに良心的であっては...