著述編

明日の医術

憑霊現象

私は三十歳位の男子で、典型的霊媒ともいふべき良霊媒を扱ひ実験した事がある。そうしてその男は平常は頗る大人しいが飲酒の癖があって酒を飲むと人格一転し、常軌を逸するので、最も困る事は何軒もの酒屋を次々歩いて酒を飲み、懐中無一物になると今度は酒代...
明日の医術

狐霊と老婆

私が実験した多くの狐霊の憑依者の中で、最も傑作ともいふべきものを一つ書いてみよう。之は五十幾歳位の老婆で、狐霊が二三十匹憑依してゐるのである。狐霊は常に種々の方法を以て老婆を悩まし続けてをり、その中顕著で今でも記憶に残ってゐる事どもを書いて...
明日の医術

狐霊

日本の霊界に於ては、狐霊の活躍が最も甚だしいやうである。狐霊は好んで宗教を利用し、又は宗教に利用される事を好むものである。特に○○宗の行者などは殆んど狐霊を使ってゐる。狐霊なしではやってゆけまい。そうして病気治し、当てもの等は、狐霊の得意と...
明日の医術

化人形

此化人形の話は、頗る面白い霊的研究であったと今でも思ってゐる。私は或時友人から「化ける人形があるんだが、解決してくれないか」と云ふのである。それはどういふ事かと聞いてみると、等身大の阿亀(オカメ)の人形で、それを手に入れた家の主人は必ず悩ま...
明日の医術

霊の種々相

M夫人は最も良い霊媒であって、私に対し尠からぬ収穫を与へたが、その中で参考になる数種の例をかいてみよう。或日、嬰児の霊が憑った。全く嬰児そのままの泣声を出し、その挙動も同様である。私は何故に憑ってきたかを訊いたのであるが、何分嬰児の事とて語...
明日の医術

広吉の霊

私はこれから、自分が実験した多くの実例を書くのであるが、何分五感では識る事を得ない事象である以上誤りがないとはいへないが、私は出来るだけ正確を期し、独断的解釈は努めて避ける方針であるから、読者はそのつもりで読まれたいのである。私が霊的研究に...
明日の医術

霊層界と人間

霊界は、天国八衢地獄の三段階になってゐる事は、既に詳説した通りであるが、之が人間の運命と密接な関係が有る事を、爰に説かふとするのである。霊界に於ける三段階は大別しての事であって、細別すれば一段は六十に別れてゐるので合計百八十段になってゐる。...
明日の医術

病気と霊 九、霊的病気の種々相

霊的病気に就て重なるものは右に説いたが右以外にも種々あるのである。死霊が憑依する場合、私の多くの経験によれば、成人者と健康者は憑き難いのである。故に、小児及び衰弱者に限って憑依するので洵に始末が悪いのである。そうして最も恐るべきは、小児が衰...
明日の医術

病気と霊 八、聾耳及び便秘とヂフテリヤ

聾耳の原因は、霊的と体的とあるが、先づ霊的に就て説いてみよう。霊的に於ては、木龍の憑依である。曩に説いた如く、木龍とは、樹木の憑依霊であってそれが伐り倒された場合、その当事者の子孫に憑依するのである。此原因に因る聾耳は、最も治癒に困難である...
明日の医術

病気と霊 七、眼病

眼病に霊的原因が相当あるものである。最も多いのは失明の原因が蛇の死霊の憑依による事である。之は如何なる訳かといふに、蛇を殺す場合、多くは、急所として頭脳を打ち或は押潰すのである。それが為、蛇の眼球も共に失明するからそれが憑依する以上盲目とな...