世界救世教

自観叢書

主の字

私は常に、順序を正しくせよと言うが、此順序をタッタ一字で表わしたのが、「主」の字である。今此主の字を解剖してみよう。上中下の横棒三本は天地人、日月地、五六七、神幽現という意味で、それを経の棒が貫き、一番上にゝが乗っている、之が正しい順序で、...
自観叢書

観音力とは何ぞや

昔から、妙智力又は観音力というが、勿論妙智力は観音力と同意味である。世に阿彌陀力とか、釈迦力、達磨力などいう言葉がなく、ただ観世音菩薩だけがその力を唱えたという事は、不思議であると共に、理由がなくてはならない筈である。之に就て、文献もなけれ...
自観叢書

真理の具現

抑々、宗教の真の目的は何であるかといえば、言う迄もなく真理の具現である。真理とは何ぞやというと、勿論自然そのままの姿を云うのである。東から太陽が出て、西に沈むという事も、人間は生れれば必ず死ぬという事も、之は仏説の所謂生者必滅会者定離という...
自観叢書

理屈の迷信

今日、迷信という事を非難し軽蔑するが、之は考えものである。それが特にインテリ人に多いのも困った事実である。然らば迷信は如何なる原因によって発生するかを、明かにする必要があろう。先ず現在の人間生活を見る時、この世の中はあまりにも理屈に合わない...
自観叢書

直観の哲学

私は若い頃、当時持て囃されたフランスの哲学者、故アンリ・ベルグソン氏の学説に共鳴した事がある。その説たるや、今も尚想出す事がよくあると共に、信仰上からいっても裨益する処大なるものがあるから、茲にかいてみるのである。氏の哲学の中、その根幹を成...
自観叢書

五智を説く

単に智慧といっても種々ある。今それを分類してみよう。先づ最高は神智、次が妙智、叡智、才智、奸智の順序で、大別して五段階になる。私は名づけて五智という。之を一つづつ説いてみよう。神智とは最高の智慧で、之は普通人には得られない。特別の人が神から...
自観叢書

真理と非真理

昔から真理という事は誰も言うのであるが、非真理、即ち偽理という事は言わないようである。処が凡ゆる実際問題を検討するに当って、此真理と偽理との区別のある事を知らなければならない。それによって結果に重大関係があるからである。それ等に就ていつも思...
自観叢書

序文

此著は、本教刊行の光新聞、及び雑誌地上天国に掲載した論文中から、取捨選択したもので、成可興味に富み、魂の糧として有意義なるもののみを抜いたのである。尤も、相当改竄(カイザン)した点もあり、補足した所もあり、出来るだけ完璧を期したので、已に...
自観叢書

序文

編輯部客員松井誠勲氏は、此著に明かな如く、基仏を初め宗教上の各分野に渉って蘊蓄(ウンチク)深く、為に本教に対しての批判も、その犀利(サイリ)の眼と明徹なる言説は、宗教批評家として已に一家を成してゐると思ふ。偶々、余を以てキリストと比較検討さ...
自観叢書

死線を越えた話

私が治療時代、某会社重役の夫人、(三十歳)重病の為招かれた事があった。勿論医師から見放されたのであって、その家族や親戚の人達が、是非助けて欲しいとの懇願であったが、その患者の家が、私の家より十里位離れてゐるので、私が通ふのは困難であるから、...