昭和２９年６月５日
明主様は御浄化のさなかであられたが、瑞雲郷建設は着々と進んでいた。こうしたさなか、明主様のお体に神秘な変化が起きた。
その一つは、左の手のひらに五本の筋が現れたことである。その一本一本の指に、指先から付け根まで、五本のたてじわが鮮やかに刻まれていた。
あまりの不思議さに、側近奉仕者は、長年研鑽を積んだ観相家にこれを話し、何を意味するのかと尋ねた。その答えの結論は、「神様が現れたことを意味するものである。」ということであった。
第二の神秘は明主様の髪に現れた。手のひらの筋と時を同じくして、側頭部のびんの後部に三カ所、子供の頭髪のような黒髪が生え始めていた。
六月五日、教会長をはじめ、おもだった資格者を熱海の碧雲荘に召集され、明主様とのご面会が行われた。
ずいぶん若くなったでしょ、私の方は。メシヤ降誕って言ってね、メシヤが生まれたわけで、ですから、言葉だけでなく事実がそうなんですよ。私も驚いたんです。生まれ変わるっていうんじゃないですね。新しく生まれるわけですね。
ところが、その年寄りになって生まれるんだから変ですがね。いちばんその面白いのはね、皮膚が赤ん坊の皮膚みたいに柔らかくて、それからこの通りね、髪の毛がね、生まれたてと同じように、床屋がこう見てね、子供の頭髪だって言うんですよ。だんだん黒いのが無くなってね、あーいや、白いのが無くなってね、黒いのばかりなんですよ。今に黒髪になりますよ。だから、神様は大いに若返れと、そして仕事をしなきゃならんというわけなんですね。
それで、今度の事については、もう奇蹟っていうとこじゃない、もう奇蹟以上の奇蹟がたくさんあったんですよ。まあ差し支えない点だけは段々発表しますけど。
それで、このメシヤっていうのは、世界中で最高の位なんですよ。で、まあ西洋では、“王の王”って言う事になっちゃいますがね。“キング・オプ・キングス”って言ってね、その位を持っているんでね。だから、私が出て初めて人類は救われるんだからね。まあ大変な事件なんです。
それで、いろいろ話がしたいと思うけどね、何しろまだ生まれたての赤ん坊なんだから、あんまり面倒くさいことは嫌なんで、まあ、簡単にね、要点だけをね、ちょっと話をしたつもりですけど。また、この十五日にはもっと、この詳しい話ができると思いますが、今日はこの位にしておいて。