御浄化についての御言葉

昭和29年4月25日

昭和29年4月14日、明主様は七回目の関西御巡教を終えられ、熱海に戻られた。その翌日から長旅の疲れもお見せにならず信者との御面会を続けられた。

4月19日午後2時頃美術品を整理されておられた明主様は、突然脳溢血の症状を起こされた。御容態は軽いとは言えず、五日目になって、ようやく、床の上に起きることができる状態であられた。

このため、表だった御神務はすべて取りやめられ、静養に努められた。

ご静養中の明主様にとって、一番気になられたのが、全国の信者のことであった。全く御面会ができなくなったので、明主様は早速信者に伝達する御言葉の録音を命じられたのである。

昭和29年4月25日 御浄化についての御言葉

これから録音をかけます。

今度私は、はなはだ神秘極まる病気でして、別に心配はないんですけれども、何しろだしぬけに来たんで、ちょっとまごついた訳なんです。

しかし、考えてみると、これはもう神様の方であるべき事になっていたので、これも非常な御神業として神秘な事で、いずれ詳しい話はする時期が来ますけども、何しろ神様の事だけに、神秘に神秘でして、完全にお話しは出来ないのです。

しかし、決していい事なんですから、悪い事じゃない。御神業の発展上、重要なる事なので、まずその発表の時期を待たれたいと思うのです。

もっと話をしたいのですけれども、何しろ今はっきり言うことのできない事柄なんで、いずれゆっくり話する時期を待ってもらいたいと思うのです。


御浄化に入られて五日後のこと、明主様は床に臥し、うつらうつらとされておられたが、にわかに目を開かれ、とめどなく涙を流されながら、嗚咽さえあげられたので、付き添っておられた太田れい様(叔母様)が驚かれて「苦しいのですか。」と御様態を気づかわれると、

「いやそうじゃない、今、大峠の様を見せられた。それは私の想像したよりも、じつにひどかったので、非常に悲しい思いがしている。結局、人類が滅びることを一番悲しむのは、誰でもない、神だよ……。」

という明主様のご返事であった。

叔母様も、またかたわらに控えていた奉仕者も、ご自身が御浄化の中にあられながら、なお世を思われ、人類の前途を気づかわれる明主様の御心に強く打たれたのであった。