此患者の報告を読んでも、医療が如何に迷蒙極まるものであるかが分るにも拘はらず、医師は之を信じ、患者にも信じさせやうとするのであるから恐ろしい世の中である。何よりも結果が医師の言とは悉く喰違ひ、治ると言い乍ら反対に医療をすればする程悪化するばかりである。そうして此患者の最初は結核性淋巴腺炎といはれたが、之はよくある瘰癧で、頸部にグリグリが幾つも出来る症状である。之も放ってをけば段々化膿し、大きいのはトマト位で赤くブラ下り、自然に穴が開き血膿が排泄され、完全に治るのである。処が医療はそれを知らない為手術をするが、そうすると不思議にも膿の集溜は止まり、残余の膿は他の部から出やうとして脹れる、というやうに之が順次数が増へるのである。
又、手術をせずレントゲンなどで固めると石のやうになり、一生涯治らないばかりか、時々痛みと発熱があり、身体は段々痩せる、というやうに医学の無智は呆れるばかりである。又排膿を止めると内攻して結核になり易いので、結局元の病気の外に、結核という第二の病気を作るのである。
整形手術寸前の結核より救はれて
(本文省略)
(医学革命の書 附録(おかげ批判) 昭和二十八年)