野蛮なる医学

 私は此患者の経過を読めば読む程、現代医療の余りに野蛮的なのに驚き、読み終って慄然とするのである。とはいうものの医師が悪いというのではない。医師と雖も長年かかって習い覚へた医学と豊富の経験によって、之が最善の療法と思い治そうとするのであるから、咎める訳にはゆかないが、そうかといって、手を尽せば尽す程裏切られ、益々悪化を重ね、遂には自殺の決心までしカルモチンを服んだ処、命運があったとみえ、一時昏睡状態にはなったが、危なく一命を取り止めたのである。


 尚驚くべき事は、最初の病状に対し甲の医師は右の腎臓が悪いと言ひ、乙の医師は左の腎臓が悪いといひ、決定しないまま切開した処、両方共切開を要する程悪くない事が分り、慌てて縫ったというのであるから、信じられない程の軽率である。之が為の患者の犠牲は大変なものだが、何等責任を負はないで済むという医師の特権も大したものである。


 併し之程の重症も、一度浄霊を受けるや漸次快方に向ひ、日に日に健康を快復する事実を見たら、浄霊の救いこそ一大福音であろう。その為患者も家族の歓喜も涙なくしては読めない程である。処が之程の医学の無力を知らず、信頼してゐる世の中であるから、不可解というより外はない。それに引換へ我浄霊法が、如何に卓越せる医術であるかもよく分るであろう。


自殺迄した病気地獄よりお救ひ頂いて

(本文省略)

(医学革命の書 附録(おかげ批判) 昭和二十八年)