此患者の経過を読めば読む程、医療が病気を作り、悪化させる事がよく分る。というのは、最初は一つの病気であったものが、二つとなり三つとなり、増える計りである。然も、それに伴ふ苦痛も段々増してゆき、遂には二進も三進もゆかなくなった。その状態が余りにも明らかである。処が、之程の事実を読んでも、恐らく目の覚める人は果して幾人あるであろうか、疑はしいものである。
そうして今一つの重要事がある。それは右の様に病気が治らない場合、迷って信仰を求めるが、如何なる信仰でも殆んど効果のない事である。其為ヤハリ医療でなくては駄目だと思ひ、再び医師の門を叩く事になる、としたら此信仰療法にも罪がある。それは、治らないのに治ると思はせ、その為無益の手数や金銭を負担させるからである。とは言ふものの、本教の様に治病力あるものはないから止むを得ないのである。
現代医学に見放された身を救われて
（本文省略）
（医学革命の書 附録（おかげ批判） 昭和二十八年）