キリストの如く

 此実例は如何なる場所でも、如何なる突発的病人でも、メシヤ教のメの字も知らない赤の他人の苦しみが、何なく治るのであるから、キリストの奇蹟と何等違ひはあるまい。常に私はキリストを作ってゐるといふのは、決して誤りではない。此事実によってみても、何等疑ふ処はあるまい。茲で一寸言っておきたい事は、キリストの奇蹟と雖も、一人対一人を救ふだけであるから、世界万民を救ふ事は到底出来やう筈はない、としたらどうしてもキリストの如き奇蹟を行ふ人が無数に出来なければ、救世の目的を達する事は出来ないのは言うまでもない。


 之は自画自讃で言ひにくいが、正直にいえば、私の弟子は、見よキリストと同様であるにみて、私が有する神力は如何に偉大なものであるかが分るであろう。私は病貧争絶無の世界を造るといふ夢のやうな事を、堂々と曰ってゐるのは、絶対確信があるからで、従って医学の革命などは、人間が想像する程難事ではないのである。何よりも私の日常を見ればよく分る。いつも平々旦々たるもので、美術を楽しみ、庭の手入をし、楽しみつつ原稿をかいてをり、そんな大きな仕事がされてゐるとは思えないと、常に部下は曰っておるのである。


神様は万人を御救ひ下さる

(本文省略)

(医学革命の書 附録(おかげ批判) 昭和二十八年)