癌に関係した病気の多い事も、周知の事実である。そうして此病気は他の病気と異なりその原因が膿ではなく癌特有の毒素であって而も人体の如何なる部分即ち筋肉でも骨でも臓器にでも遠慮なく移行拡充するという、実に恐るべき病気である。医学上無菌とされているのも、膿ではないからである。そうして其病種も多種多様であって、重なるものとしては胃癌、食道癌、咽頭癌、子宮癌、乳癌、肝臓癌、肺臓癌、腸癌、舌癌等で、稀には、頬癌、顎癌、痔癌等もある。近来、医学に於ては癌にも数種ありとされているが、私の研究によれば、種類は医学でいうよりも多いようである。又、進行性と不進行性とがあり進行性の中にも特に進行速やかで、短時日に、胸部、腹部、背部等上半身の大部分に迄、拡充するものもあり、之等は最も悪性である。これに反し不進行性は局部的であるから、治癒は容易である。然し乍ら進行性と雖も、最初は一局部に限定され、末期に到って進行性に移るのも多いのである。又、医学上、肉腫と名付けられたる病気がある。之は癌に酷似しているが、指の触感で癌との差別は判るのである。茲に、注意すべきは疑似癌が少なくないので、医学上癌と診断された患者で私が診て擬似癌である事が相当あったのである。そうして本治療によれば、癌も肉腫も八十パーセントは完全に治癒し、疑似癌は百パーセント治癒したのである。私が治療の際治らなかったのは、患者が余りに衰弱している為、癌を解消させるまで、生命が保てなかった為であるから、最初からの治療によれば、その悉くが全治したかも知れないと意うのである。
(明日の医術 「癌病」)
元来獣肉には一種の毒素が含まれており、この毒素が漸次集積し固結したものが真症癌であるから、自然はこの肉毒中和の必要からも野菜があるので、穀類は別とし副食物としては相当量野菜を交ぜなくてはならないのである。そうすれば決して癌は発生しない。としたら米国などは肉と野菜と半半位が丁度いい訳である。何よりも菜食多量の民族には癌はない筈である。近来日本に於ても癌はあるにはあるが、米国とは比較にならない程少数であるのは、全く日本は生活が低く、肉食が少ないからである。
次に注意したい事は、単に癌といっても真症と疑似との別がある。即ち右にかいたのは真症であるが、実は疑似の方がズッと多く、この点日本も米国も大差ないであろう。この疑似癌の原因は、無論悪性な薬毒の一種であるから、薬を廃止する事によって無くなるのは勿論、罹病の場合薬を廃め菜食を多くすれば長くは掛かるが少しずつ治ってゆくから、左程心配はない訳である。
(アメリカを救う 「癌」)