御講話 （昭和十年十二月一日）

今晩の御讃歌の中に、大審判といふ事がありましたが、あれは、あの御讃歌の通りなんで、昔からいふ世の終りとか、最後の審判とかいふ事をいひますが、もうそろそろ始まりかけてるのであります。それはどういふ事かと言ひますと、今度素晴らしい光明世界が出来るに就き、世界的大掃除をせられる。

大掃除するとは、御承知の通り汚いものを無くし、奇麗にする事ですが、それは物と事柄によって、いろいろな形式で行はれる。その内一番判り易くお話すれば、人間にしますと、人間が如何に汚れてゐるかといふ事について、私が実見してる所をお話致します。

毎日ここで病人の方を扱ってゐますが、先づどんな方でも私がみると、実に汚いものが沢山溜ってゐる。勿論、汚いものが溜ってゐるから病気になり、病気になるからこゝへ来られる事になりますが、こゝがわるいといふ所、病気の所だけが汚いのじゃなく、何でもない所にも沢山にある。

大人によらず子供によらず、一様にある。一寸みて健康そうにみえてゐても、触ってみると、とてもよく判る。してみると、本当の意味からいふと、百％の健康の人は一人もないでせう。上等の人として、九十パーセンテージの人が一番上で、之も極少いだらうと思ふ。

遠慮なく言ってみれば、よく今日の人が生命を保ってゐられると思ふ。実に体中が毒血と膿で埋ってゐるといっていゝ位です。之は全体ですから、お互ひで、お腹の立つ事もなからうと思ひます。之が本当に審判が始まれば、殆んど助かる人はないと思ふ。

審判とは、どういふ意味かといふと、神様の御光が段々につよくなる。つまり、東方の光がだんだん強くなって出る。それは、丁度太陽が黎明から段々天の中心へ上って行く形で、天心へ上って行く程太陽の光が強くなる。一遍に昇っては大変ですが、神様の大慈悲によって、だんだん昇ってゐる。

その何よりの実例としては、観音様を祭るとおデキが出来る。おデキが出るといふのは、汚いものが光に照らされる為に浮いて出る。そして、排除される為に皮膚へ出るのです。それで今は極緩慢に穏かにされてゐるのですが、段々日が経ち、光が出ると、汚いものはいよいよ出て来る事になる。そうなると汚れが多いと堪えられぬ。それに堪えられるのは、よほど汚れの尠い人でないといけない。倒れて了ふ。

それで先づ、それが一番最初始められるのが観音会の人だけで、その為に観音会の人だけは軽くすまされる訳で、今から掃除をされる。こゝで掃除されなければ堪え切れず倒れるのです。

此事を考へただけでも一般人は光が強くなった時は大変だと思ふ。今度は本当の真善美の光明世界が出来るんですから、立派な家を建てるには、どうしてもその辺を浄めて、雑草など刈りとらなければならぬ。それが先づ土台であります。

そういふ事は屹度行はれる訳で、そう考へると今後は、早く観音会へ入り、少しでも浄めてをかなければならぬ。少しでも浄められてた方は安全ですが、そうでない方は、生命の安全は期せられぬ。ですから、神様は一人でも多く助けられるんで、その為に観音運動は発展となるんであります。

東方の光、即ち太陽は一つしかない。太陽の光は観音会が照らすだけで、之一つなんですから、観音会へ入らなければ陽に照らされぬから、掃除が出来ない事になってゐる。之は決して手前味噌ではない。そうなってゐるんであります。之が最後の審判であります。

世の終りは、夜の暗が終るといふ事で、今度は昼間の世界になる。丁度今その境目になって来たから、一人でも多く観音会へ入れて、救ひ上げなければならない。それが観音運動の根本なんで、大分其時期が近づいて来たんであります。そして丁度、観音会の発展が、日が上へ昇って行く事になるんです。

昨日、麹町の警察署から呼ばれたんですが、問はれた事柄は、観音会の運動と、治療の事を訊きたいといふのです。警視庁あたりから調査に来たものらしいのです。で、署長の部屋へ呼ばれたんですが、署長と特高二人がいて、いろいろと訊かれ、すっかり話してるうち治療の話になって、私の話す事を大変よく諒解したやうですから、その事を話すが、ああいふ人達に判らせるのに一番いいと思ひ、丁度いい機会だと、いろいろと話したんですが、大分先方も好感を以てよく訊いた。

先づ第一にどういふ訳で、貴下の方では医者よりもよく治るかといふ質問に対し答へた。此話は皆さんが宣伝する上に参考とならふと思ふので、お話するんですが、私の方は霊を霊で治すんで、医者の方は体を体で直す。つまり此違ひさで、それはどういふ訳かといふので医学はどこまでも物質的に研究されたもので、人間さへも物質とし、ロボットとして考へ、手なども品物位に考へてゐるが、何ぞ知らん人間の体は霊的なものです。

何となれば、霊が主で霊によって体は霊のいふ通りに動く。それで、病は霊に先に起ってゐるから、霊を治さなければ体は治らない。体だけやってもそれは一時的のもので、霊といふと目には見えないから面倒です。

それでは、科学的説明が出来るかといふので、それは出来過ぎる位出来る。現在の科学でも説明は出来るが、本当の説明するには、未だ科学はそこまで行ってない。進歩してない。もっともっと進歩したら出来る。私の方は、ズーッと進んでる。科学の進むのを待ってる位だ。然し、音などを光にし映せるやうに科学もなったから、私達の霊の方が判るのも近からふ。

ですから、私の方の医術は進んでゐるんで、二十一世紀の医術で、結局、医術は将来、私のやってる所へ行く。結局それには、医科大学へ交渉して、治病の実地をみた上で、医科大学で私の行り方を採用するとこまで行かなければ徹底しない。

今小学生の半数は病気に罹ってゐるが、一つの小学校でも、私の方の医療士が十人位も行けば、すぐに健康になり、弱体児童など、すぐに解決する。要するに、西洋医学では本当に病気は治らぬ。本当に治るものは日本から出る。吾々の方のが日本から出た医術である、といふ事を話し、それで大分判りました。学校なども貴方の方の治療法をとればいいなあと、大いに共鳴した訳であります。

私は、そう予期せず話したんですが、先方には非常によく判った。特高等も、自分の家の子は腺病質で、とても弱いが治るものかといったので、そんなのは訳はない。私のとこへ来ればとても丈夫になるといへば、それではお願しやうかといってました。

彼の人達は、吾々の治療士の療術など冷視して、病気は医者でなければ治らぬ。信仰的に治すものは全部精神的に慰安を与へるだけのもので、観念療法だと思ってゐるのです。然し、吾々の方はそうではない。信じまいが、疑はふが治る、特殊のものだと話したら、よく判ったらしかったんであります。

霊的の事で、あゝいふ人達の信じ難い事柄も割合よく判った。昨日の私の話は、非常に順序がよかったに違ひない。

その話をお聞きになったら、今後宣伝の上にも、参考にならふと思ふのであります。