御講話 (昭和十一年一月二十一日)

今度は少し重大なお話がありますから、そのつもりで、小便の出たい方は、途中で出ないやう今のうち行っておいて下さい。その前に二三、一寸断片的なお話をして、それから後で重大な話をする事にします。

今大変、変な風邪が流行ってゐますが、之は山口県から流行って来た。そしてとうとう大阪あたりを荒して、今は東京へ来たんであります。

風邪が流行るといふ事は、悪気でも来るやうに思はれますが、之は大変違ふ。風邪が流行る時は、大変に好い霊気が来るんで、その為に人間に溜ってゐた毒素がとられるんで、大変いいのであります。それを今迄は間違って、毒気が来るやうに思ってゐた。

治療士の方に参考にいってをきますが、今度の風邪は、必ず耳下腺が腫れる。そうして、熱が高く四十度位は出るんです。然し、大抵は二日乃至三日で治る。医者ならば十日も半月もかかるでせう。風邪が治るに就て、も一つ注意しておきたいのは、今風邪をひくと、お医者にかかると十日かかる。打棄らかして何もしないでゐると五日位で治り、観音力治療によれば二日で治るといふ割合であります。今の医者は治さないやうにするんですから、長くかかるんであります。

先刻右手悟浄さんの話に、他宗では一生懸命拝んでも御利益はないといふ話をしました。之は右手さんのお話の通り、空っぽうで中がないからであります。中のないといふ訳は、実は一生懸命、一心不乱に拝んでも御利益を頂ける神仏がない。神仏には御利益のない証拠で、あれは自力的に一生懸命に拝んで治す力を、自分に滲み出さうといふ行り方なんであります。

生長の家もそうで、病気はないと思ったら治ると思ふので、あれも力がない。そういふ自分の精神力を出し一生懸命になって治るんであります。

人に頼まれて一生懸命に祈って治すのは、之は人間の人体電気が病人に働きかけて治るんで、やはり神仏の力でも何でもないんであります。所が、観音様の方はいくらも力があるから、祈らなくとも心に思えば希望通りになる。之は丁度、親が子に対して思ってゐるやうにしてやりたいと思ふのと同じ事です。何も子が一心不乱になって、こうしてもらひたいと願はなければ与へられないといふ親はない筈です。親子の関係と同じ事ですから、寧ろ一心不乱になる方が、痛々しくて不快感を感ずる訳です。

ですから、実は神仏に力のないのを無理に祈って自分でつくるんであります。然し、まるっきり空っぽかといふと、御利益を与える力は空っぽでないが、他のものがある。やはり神仏と称してる霊がある。

それは、或目的を抱いてる霊で、自己がその宗教を盛大にして、権勢を張らふといふ目的の霊であって、さも御利益を与えるやうにみせかけて、実は人間の自力を出させてやらす。それで、実は神仏が与へたかの如くみせかける。そういふ欺瞞的な詐術をしてるんで、殆んどの宗教は皆それであります。ですから、邪教インチキといふのは、殆んど全部の宗教が邪教インチキなんであります。

そういふ訳ですから、観音力の出現は容易ならぬ意義があり、ただ御利益を与えて皆を喜ばす事以外に、もっともっと重大な訳があるのであります。之は、はっきりとはお話しにくい。といふのは、非常に今宗教といふ事が注目されてゐるからで、甚しく変った話などは、別に不敬問題にもなる訳でなく、人心を惑はす訳でもない。

寧ろ、それによって皆が救はれる事になるんですが、あまりに変った事、あまりに不思議な事なんで、今晩実はお話しやうと思ってゐまして、田谷さんに訊いた所が、丁度、私がお話しやうとする事と、田谷さんの夢と同(ヒト)しいので、私の前にお話させたんであります。

田谷さんの夢は一月十日の夢で、その夢が火と水とに分れてる。之が聖書にある、火の洗礼、水の洗礼といふ、それに当るんであります。

観音様のお知らせが始終あるんですが、それは丁度こういふ風になるんです。丁度、遠くの方から人が歩いて来るのを見てゐるようで、最初は、向ふから人が来るなといふ程度にわかる。然し、男か女かどういふ人か判らぬ。所が、だんだん近づくに従って、はっきりして男か女かもわかり、どういふ目的をもってるものかまで、ぼんやり判ってくる。

そして、いよいよ側へ来ると、いよいよはっきりして、先の用件までも判ってくる。凡ゆる事が、そういふ工合に知らされるんであります。でありますから、最初はぼうっとわかる。多分それらしいなと思はれる位に判る。それが時期が近づくに従って、だんだんだんだんはっきりして、終に絶対に目にみえるやうに判ってくる。

それは何かといふと、昔から聖書にもあるし、経文にもありますが、最後の審判であります。聖書でいへば世の終り、釈迦が言った仏滅の世であります。仏滅は仏が滅するとありますが、仏は物質世界といふ事になる。そうすると、仏滅といふ事は非常に恐ろしい事になる。所が、そういふ事が実際あるかないかといふやうな事は可成漠然としてゐた。

それが段々と時期が近づくに従って、有るか否かがはっきりして来たんであります。どういふ訳ではっきりとある事が判ったかといふと、この神様の大審判が、私等の想像よりももっともっとずっと激しい、素晴らしい事です。それで、私は愕然として驚いた。そして此観音会の出現は、その為の使命である事までが判って来たんであります。

大審判といふものがあるといふ事は、丁度田谷さんの夢が万事を物語ってゐますから、此夢によってすべて想像して貰ひ度いと思ふのであります。でありますからして、此大審判が始まると、滅びる人間がいくらあるかしれぬ。兎に角、一ケ国で何千万人、世界中で何億万人か判らぬ。そうして、之は新しく、何千年間の掃除をされるんであります。

之は、いつか話しましたが、昨年の九月に閻魔大王が此世に表はれられたとお話しました。その閻魔大王が総大将となってやられるんであります。之は天照大神様が国常立尊に審判の権を委ねられ、伊都能売之大神様には絶対慈悲を以ての救ひの力を与へられたといふ事になってをります。

それはそういふ訳で、国常立尊といふ神様は、非常に力のある神様で、寧ろ絶対の力をもつ神様であります。又、善悪に対して裁かれるのが、非常に厳重で一歩も仮借(カシャク)しないといふ神で、閻魔大王となられて、長らくの間霊界で審判をなさってをられたのです。所が、今度の大掃除に就て出現されたのであります。

観音様は、絶対の慈悲を以て、善人だらうが悪人だらうが、差別なく救って下さるのであります。そうして、観音様は私の体を通じて、慈悲をもって救はれるが、閻魔は全然人の体をお使ひにならない。霊で審判されるのであります。

之が、最初は日本から始って、そして最後に全世界に行渉る。之に就て、新聞や雑誌に出すつもりで、論文を造ったのです。極穏かにかいて、誰にも刺激する事ではない。温和的にかいたものであります。

「三千世界の大清算」(御発表)

之は、極穏かに書いたつもりで、本当はもっと強く徹底して書き度かったんですが--。

そういふ訳で、赫々たる光明が輝くと、穢れはどうしても焼けて了ふ道理ですから、汚れた人間は滅びるより仕様はない。

それで今、私が書いた文にある通り、多くの人をみると膿で一杯で、膿が一杯だといふ事は、霊体が非常に曇ってる事で、霊体が曇ってるといふ事は、今度の光明に遇って何かによって生命は保てない事になる事であります。従ってどの位人間が死ぬか判らぬ。

例へば大震災の時ですが、曇りのひどい所と明るい所と、いろいろになってゐる。之は罪悪や不正の行はれる所は暗いし、神の所や人間の徳の行をする所は明るいのですから、霊界の曇った所へは曇った人が集ることになるのです。それを綺麗にしなかったら、曇ったものは引かれるやうに、どうしても曇った所へ固まる。

被服廠などは非常にくらく、之へ入った人は殆んど死んだ。被服廠の霊界は暗かったんで、そこへ曇った人間が入った。又、そういふ曇りのひどい身体といふものは燃え易い。木でも生木は燃えにくいが、枯木はよくもえる。ですから、曇った人といふものは滅び易くなってゐる。ですから、此審判を遁れやうとするには、曇りのない身魂にしなくてはならない。

之は金ずくでも力ずくでも駄目なんであります。身魂に曇りがなかったら、どうしても安全な所へ行く事になる。で、その身魂を綺麗にする所はどこかといふと、之は観音会より外にはない。本当に明るい光明を放射する所は、観音会より外にない。そう考へた時、観音会の使命は如何に重大なるかが判るんであります。

今日、日々の生活を幸福にするだけのみではない。いよいよそういふ時に救ふ力を持ってるのであります。そういふ事は沢山に知らされてをり、相当に話したいと思ふのであります。

先刻の夢で、太陽を拝んでる人は救はれるし、逃げて行く人は皆死ぬといふ事がありましたが、要するに、観音様は太陽の働きであります。今迄の凡ゆる宗教は、月の世界のもので、太陽の働きのものは、観音会以外にはないのです。先刻、太陽を拝んでる人は救はれるといふ、あれはよく合ってをります。

而も、その夢をみた人は予備知識があったんでないから、全然係りがない。そういふ人を神様が選ぶ。その人には私も二三年会はない。田谷氏の奥さんは、お祭にも来た事がない。そういふ人がみる事、そこに確実性を帯びてる訳であります。

大審判については、今の所これ以上はお話が出来ないのであります。之は信仰を熱心にやって霊身が浄まると、その人の智慧証覚によって悟れるんですから、その人自身悟るより仕方ない。此話は之だけにして、実際問題として吾々が考へなければならぬ事があります。

それは、現在の国際関係につき、之も私は具体的にお話する事は、やはり工合がわるい気がしますから、やはり夢物語として聞いて戴きたい。

之は、私に或不思議な通信があって知ったのですが、何時か非常時々々々と今迄言はれてゐましたが、近頃は非常時は解消したかのやうになった。その通信によれば、非常時は実は之からなんで、今迄はその前奏曲とも言ふべきものです。之からが本当の非常時なのです。それはソビヱートロシヤの事ですが、最近計画をはじめた。それは、日本をやっつけるといふ計画が出来た。その通信が来たのです。

それによると、ロシヤは今盛んに軍備をしてゐるが、その軍備はとても素晴しく進行してゐる。非常に充実して来た。軍備が充実次第始めるつもりなんであります。ロシヤは何故にそういふ工合に、テキパキと軍備が出来て行くかといふと、之は独裁政治の為で、之は、或雑誌でみた事がありますが、独裁政治はややこしい事がないから、或目的を立てると、全員一致どしどし事が運んでゆく。

一つの或目標を立てると、国家的に全力を集中する。そして一つの事が出来ると、又一つ目標を立てては全力を集中してやるから、非常に速く能率が上る。

日本の軍備のように、議会を通してするやうな必要がない。ですからロシヤの軍備は、今予想以上に発展してゐる。

彼は出来るだけ満洲の方の戦線を延さうとする。そして、今度は満洲を包囲するやうに外蒙あたりにのばし、蒙古人を使って満洲へ進出せしめやうとしてをります。

段々準備が進むにつれて満洲問題を起す。すると満洲とは、日本は攻守同盟を結んでゐますから、どうしても軍隊を出さなければならぬ。軍隊を出す事は、満洲へは到底少ない。

此間の新聞によれば、ロシヤは国境へ八万位出してゐて、日本は二万位行ってゐるが、もっと増やさなければならぬといふ。満洲に於ける軍部の要求だとあります。そうすると、だんだん日本の兵隊をあっちへ送らねばならぬ事になる。

之がロシヤの策戦で、日本国内の兵備を出来るだけ手薄にしてをいて、宣戦の布告をせずに突如としてやってくるといふ策戦で、ロシヤは国際公法など破るのは屁とも思ってゐない。彼の策戦は、暗夜に乗じて突如として爆撃するんで、今の所、千台宛の飛行機をもって、先づ、日本の東京大阪京都の三都を爆撃する目的なんで、もし彼の目的通りに行けば、一夜で二三百万の国民は死ぬ事になるでせう。

日本も間抜けではないからそんな事はあるまいが、とに角彼の策戦は、そうだと私には霊的の通信が来てゐるんであります。

そして、先づ第一に日本を混乱に陥れ、内地が周章てて軍備してる中に、北海道全土を占領する。それに就て、北海道の日本人は全部鏖殺(オウサツ)する予定で、パルチザンが活動する。そうした上に持久戦をしやうとする。アメリカではどういふ計画かといふと、日本と対等ではとても敵はぬ事を知ってゐる。日本が何時かは弱る事を知ってゐる。

英国とロシヤとも戦ひ疲れて来た。その機会を狙って一遍に攻撃する。アメリカは今度十万頓の軍艦を造ったといふ事です。それで支那と密約して、台湾をアメリカが奪るつもりであります。

アメリカといふ国は、大震災の時も、その直後移民問題で強硬な政策をとった。あれも大震災で弱ってゐるのをチャンスとしてやったもので、そういふ癖がアメリカにはある。今度の支那がどうしても満洲を恢復しやうといふので、日本と提携しない、蒋介石の兵を養ってるのも、肚は何を目標にしてゐるか油断のならぬ事です。

今日露西亜と戦へばといふ警戒が成って、日本とソビヱートと戦えば、その末期には、ロシヤと英国と戦ふ事になってゐる。伊太利と英国もやり、兎に角全世界は欧洲大戦とは違った、あれ以上の残虐な殺戮(サツリク)戦が、世界的に行はれるでせう。 之が夜の世界の終りで、聖書にあるハルマゲドンの戦で、世界に類例のない残虐な戦でそれが、これなんであります。

ソビヱートと戦ふのは、私が言ふ迄もなく陸軍の方では充分に知って準備されてありませうが、彼の策戦の通信があって、日本人として知っておかなくてはならぬと思ってお話しました。

聖書に、「世の終り」の章に、国は国と戦ひ、地震所々に起るとありますが、丁度此場面を言ったものと思ふ。

無論、最後は観音力に救はれ、最後の最後は、やはり日本が世界を統一することになるんであります。日本の陛下によって統一される事になる。

それからが大光明世界となるんであって、前とは違って大した結構な世界になる。それ迄にいろんな破壊、崩壊作用は免れる事は出来ない。之は、身魂を磨くより仕方がない。少しでも汚れをとっておかなくてはならぬ。

そういふ時代に一番困るのは上流階級と思ふのです。ふだん楽をして贅沢してゐるから、大国難となると物資や自動車等も徴発されるからとても苦しい。苦しい労役もし、まづい物を食って逃げなければならぬ場合もありますから、ふだん贅沢した人は身体がもたぬと思ふ。

第一、今の上流階級は恐怖心が非常に強いから、そういふ人達はいつ爆弾が落ちるかしれぬといふ極度の恐怖の為、気絶する人が沢山あらうと思ふ。ですから、身魂を研くと共に健康も大いに心掛け、大いに丈夫にしておかなくてはならぬと思ふのです。

で、之からは成丈健康に、丈夫にし、まづい物をたべて、長途も歩けるやうに体力を造らなければならぬ。そして、来るべき国難に堪えられるやうに心掛けねばならぬと思ふ。之は今の常識から考えても、考えなければならぬ事であります。

ソビヱートの目的は何かといひますと、全世界をしてソビヱートの配下に属せしめるにあり、その為には、何としても日本をやっつけなければならぬ。 ヨーロッパの方などは、軍備も充実してゐてとても駄目ですから、どうしても先づ東洋からでなくてはならぬ。

それには先づ、どうしても日本をやっつけなければならぬ。日本をやっつければ、ヨーロッパをやるのも訳ない。之をやれば、世界の制覇は出来る。彼の世界制覇の陰謀はフリーメーソンが根本で、フリーメーソンといふものは、そういふ時の為にある。そういふ時の準備の為に三億の富も持ってゐる。それで大体の概念は得られるだらうと思ひます。