日本式健康法の提唱(一)

近来医学衛生が益々進歩しつゝあるに不拘病患者の逆比例に増えるのは、何を物語ってゐるのであらふか、之に対し、社会が余り留意しないと言ふ事は、実に遺憾と言はなければならない。今や、世界に雄飛せんとする、新興日本は、日本人は、第一に健康問題を忽せには出来ない、病者と犯罪人の多い事程、国家の進運を阻害するの大なるものはあるまい。私は病人の無い日本、罪人の無い日本にしたい念願の下に、観音運動なるものを起したのである。それが又、観世音菩薩の大悲願であらせられるのである。

元来私自身が、稀なる弱体者であったのが、現在稀なる健康者になってゐる。夫は今日の西洋式衛生の大誤謬を悟り、日本式衛生を独創実行したるが為であって、夫等の体験を基礎とし、観世音菩薩の霊告を真髄とした健康法を大成し、茲に日本式健康法の名に依って、社会に提唱しやうとするのである。

(東方の光五号 昭和十年四月八日)