新聞倫理に反す読売紙 公器性を反省せよ 八点の事実無根の報道

本教団の飛躍的な発展とともに“大樹に風”のたとえ、これをねたむ者、何らかの為にせんとする者によって色々な中傷ざんぶが目立ってきた。特に天下の大新聞と自他ともに許している読売新聞社が本教団再三の反ばくにも関らず、またまた十四日付の紙面に意識的としか思えぬ悪意に満ちた記事を大々的に報じている。われらは内容の余りに虚構なのに唖然たるを禁じ得ぬと同時に公器たる新聞がかゝる態度をとることの及ぼす影響の大なるを考え、次に本教団及び関係被害者とされた宗市長の抗議文を読売社に送ると共にこゝに本紙上にのせ深く反省を求めるとともに真実を伝えることにする。

公器性を反省せよ
 八点の事実無根の報道

貴社益々御隆昌の段奉賀候、扨て貴社に於ては、近来数回に渉って本教団に関する記事を掲載されたが、何時も虚々実々というより寧ろ虚の方が多く、しかも公平な批判の跡なく、誰の眼にも何等かの悪意を蔵している事は看取し得らるるのである。これらの行為は貴社の意向の奈辺にあるや解するに苦しむとともに、再三再四に渉って手を緩める事なく益々本教中傷を止めない以上、この上黙止することは社会の公器たる新聞の使命に鑑み許容し能わざるをもって、ここに抗議文を以て解答を要望する次第である。

昭和廿四年十二月十四日貴新聞紙第二面に掲載されたる「景勝の十別荘に廿万坪農地を不法入手、市長もおどり告訴沙汰起る」の記事を検討する時、事実相違の点余りに多く列挙すれば左の如きものである。

(一)あれやこれやの告訴沙汰とあるが、これは意外である。現在被告訴は一つもなく小林喬松氏に対しては本教の方が原告である。
(二)「横浜地検より告発の火の手があがり」とあるが、火の手とは如何なる意味であるか不明である。宗熱海市長に関する件は、宗氏より抗議文を出す由につき略す。
(三)「宗教団体に似合はぬ醜聞醜争の絶間ないお光様」とあるが、このような事実は全然ない。右は貴社が捏造した事を自己錯覚したのであろう。
(四)「熱海乗取り」というがこれ程馬鹿々々しい話はあるまい。ともかく熱海は人口三万余の都会である。旅館だけでも二百数十軒に及ぶ、それを乗っ取り得るなどは痴人の夢でしかない。又宗教としてそんな温泉都市を手に入れる必要は何処にあるか、この一事だけでもこれをかいた記者は精神病者としか思えない。
(五)清水町の小倉別荘と山下氏の別邸購入は事実である。水口町の久迩宮別邸は最近借家したのである。南条別荘は無関係である。銀山の坪数約十二万坪とあるが、事実は三万数千坪である。梅園四万坪は虚構である。桃山三万坪は事実は一万数千坪である。野中山岩倉別邸は聞いた事さえない。熱海市を囲む山々の中景勝地は殆んど全部で云々は全然事実と相違してゐる。
(六)「小田原地検告発問題」市長農地委員会との結託この記事は宗市長の抗議文に記載されると思ふから略す。
(七)「小林喬松氏談の詐欺行為の告訴」云々は全然本教団に関係はない。多分第三者の某氏を告訴したことは本教になすり着けたのであらう。この小林氏の言のみを一方的に詳細に書いたのは不可解である。この記事を第三者からみれば読売記者に疑惑のかかる事は必定であろう。
(八)「農地に関し不法入手」又「我物同様に取扱っている」云々は、当教団の専任責任者が其都度農委当局に相談の上ならではなさなかった故不法行為は全然ない。又農調法に依って買収したる土地を私有にせんとする念は微塵もない。完成の暁施設一切は寄附するの条件を付して市当局に書類及び計画図面を呈出しあり、それら細部に渉る市長の説明談を全然無視せる派遣記者の行為も疑念を起させる。

右の如き驚くべきデマ記事に対しては到底承認出来得ない。しかも数回にわたる中傷記事によって、如何に本教数十万の信徒を迷わせ心配をかけるのみならず、一般社会に対しても疑惑を起させ、信用を傷つける結果となるのは、貴社も充分承知のはずである。三大新聞の一である貴紙が、右の如き悪徳行為は解するに苦しむところである。

まったく本教団は新聞の暴君的行為による被害者でしかない。これに対し貴所の公正なる弁明を承わりたく、この抗議文を呈す次第であると同時に、右列挙したる相違の点を紙上に掲載し取消し願ひたし。

(光新聞四十二号 昭和二十四年十二月三十一日)