読売記者の健忘症

去る十一月三日文化の日の読売紙社説「独自な文化を育てよ」の文中「御光様に迷って自殺する人妻」の記事があったが、之は驚いた事だ。

というのは本年七月二十日の同紙静岡版中に右と同意味の記事が詳細に記いてあったので、本教に於ても捨ておき難しとなし、直ちに詳細調査したる処、全然事実無根であったので同紙へ抗議を申込んだ処、早速取消文を出したので、同紙が事実無根を認めた訳である。

然るに今に於てそれを再録するという事は実に不可解である。誤謬記事と知って且取消しておき乍ら、今に於て再び利用するという事は担当記者が忘れた為であろう。

尤も最近同紙のデマ記事に対し、本紙上に同時の反省を求むべくかいた記事に対する犬糞的とは思はない。記憶喪失の為ウッカリかいたものであろう。とすれば、慎むべきは新聞人の健忘症である。

(光新聞三十七号 昭和二十四年十一月二十六日)