眼を洗う

私は、眼を洗ふ可否を聞かれた場合斯う答える。

眼を洗ふ位なら、褌を洗った方がよい、眼は洗ふべきものではない。

眼は涙と粘膜で常に洗はれてゐる。

之は水や布切より何層倍上等のものだか判らない。

困った世の中だ。

(光新聞二十六号 昭和二十四年九月十日)