薬師如来は、観世音菩薩の化身であって、一名東方薬師如来ともいふ。私は、観音様の働きをしながら、薬は毒だという説を唱えてゐるに拘はらず、薬師如来は薬の仏様というのであるから、頗る矛盾してゐる訳であるが、之に就てその真相を開明してみよう。
仏法の存在する期間は夜の世界と私は常に言ってゐる。従而、その期間は火素より水素の方が多いから、毒素溶解の力が足りなかったので、固める方が有利であった。そこで毒素を固めるべく薬を服めという訳で、彼の釈尊も薬草喩品という経文を説いたのである。
然し薬師如来は、物質の薬剤は良くないから、霊的薬剤によって病気治癒の御利益を下されたのである。処がいよいよ昼の世界になりつゝある現在、今度は毒素溶解排除手段をとられたのである。それが私の発揮しつつある観音力である。
(地上天国十三号 昭和二十五年二月二十日)