巻頭言

本教団も愈よ発展的解消と共に、世界救世(メシヤ)教会の誕生となった事は、既に知らるる通りである。言うまでもなく、重大時期の切迫に応じた神様の大経綸に外ならないので、吾等は唯々諾々として素直に信奉すればいいので、寧ろその安易なるに勿体ない気持が一杯である。明主大先生の御言葉にもある通り観音様は仏のお働きであるから、凡てが和光同塵的、善悪無差別的で、温き御手を以て一切衆生に対し、大慈大悲の御救いを垂れ給うのである。然るに愈よ世界的大転換の時期となった今日、茲に化身の衣を脱ぎ給ひ、救世主(メシヤ)として、観音力より幾層倍の大神力を揮はせ給う事になったのである。

その結果とし善は輝き、悪は滅びるのは当然で、いよいよ善悪立別けの審判的御力を発揮されるのである。一言にしていえば、世界の大清算であって、実に恐るべくして喜ぶべき時とはなったのである。然しそれは恐るべきは悪人の側であり、喜ぶのは善人の側である。今日迄の長い間悪が覇張り、善が虐げられて来たのが、茲に一大逆転となるのである、踏み躪(ニジ)られて来た正義は、初めて華々しく報ゐられるのである。全人類は如何に此聖代を待ち望んだであらうと共に、此大偉業に参加を許された吾等の幸福や、全く空前にして絶後といふべきである。

吾等も以上の意味を深く肝に銘じて、一管の筆を以てその一端の役割に奉仕すべく勇躍奮闘の決意を固め邁進せんとするものである。

(地上天国十三号 昭和二十五年二月二十日)