巻頭言

愈よ一九五○年、昭和二十五年の年になった。というだけならいつもの年と変りはないが、実は今年こそ吾等からいえば大変な年である。という事は吾等の唱導する処の夜の世界が昼の世界に転換する。その節に当るからである。之はどういう意味かというと、今年を契機として世界は一大転換の運命に逢着するのである。

それを具体的に悉しく言いたいが、遺憾乍ら発表は許されないのである。随而茲では、差支えない点だけを発表してみるが、夜昼転換とは言うまでもなく、暗黒世界が光明世界に移るのであり、悪が滅び善が栄える時代となるのである。濁が清となり、害あるものは滅し益あるものが残るのである。キリストの唱えた天国も、釈尊の言はれた彌勒の世も、此事でなくて何であらう。とすれば何と喜ばしい一大慶事ではなからうか、といってもそれは善人に対しての事で、悪人に対しては洵に気の毒というの外はない。斯ういう事をいうと、よく宗教家の言う、都合のいいお題目と見る人もあるかも知れないが、今度は断然違うので、今年こそは右の萌芽が表はれるから何人にも見えるであらう事を今から警告したいのである。

(地上天国十二号 昭和二十五年一月二十日)