神霊放射能時代

近来、放射線又は放射能といふ言葉がよく使はれて来たのは周知の事実で、特に原子破壊の学理が進むにつれその傾向は著しくなりつつある。勿論此言葉はラジウム発見からであるが、今日に於てはウラニュウム・トリウム・プルトニュウムの如き漸次種類が殖えつゝあり、之等の原素が文化の発展に如何に寄与しつゝあり、将来は凡ゆる方面に応用せられ人類の福祉増進に役立つかは、蓋し想像以上のものがあらう。

処が、以上の如き鉱物性放射能より一層強力且つ優秀なる放射能を私は発見したと共に、現在盛んに応用しつつ幾多の人命を救ひ、感謝の的と仰がれている。私は此放射能を名づけて神霊放射能といふ、そうして此放射能の特異性ともいふべきは、鉱物放射能と異り、人間の人体から無限に抽出され、或方法によって偉力を発揮し得るのである。又今一つの特異性は、其目的が正であり善であり、人類愛的でなければ効果を発揮し得られない事である。之を科学的に説明すれば、鉱物放射能よりも一層の微粒子で、密度が濃厚であり、高度の原素である。

昔から種々の信仰による御利益なるものは何れもこの神霊放射能の作用であって、それを御利益と唱えたのである。然しながらそれは私が発揮しつゝあるそれとは比較にならぬ程の微力で、何分或は何十分一に過ぎない事は勿論であらう。

茲で各種効果の例を挙げてみよう。凡ゆる人間の病患に向って神霊放射を行ふ場合、痛苦は忽ち解消し軽快に向ふ事実は、本誌「おかげばなし」中にある幾多の報告によって明かであらう。今日最も難治とされてゐる結核も、その大半は全治されるばかりでなく、盲腸炎の如きも現代医学に於ては手術によって肉を切り、血液を消耗し、苦痛を与え、臓器の剔出によって内部的不具者となったり、而も患者自身の経済的負担は蓋し軽からぬものがある。然るにわが神霊放射能によれば数十分にして痛苦は去り、何等臓器を毀損する事なく、健康時と変らないまでに快癒するのである。其他治癒最も困難とされてゐる精神病も小児麻痺も盲目者も全治された例は少くないのである。それのみではない。精神的欠陥例えば不良児、悪癖者、ヒステリー等も、常人にまで快癒する実例も尠くないのである。

神霊放射の効果はひとり病患のみでない、農業に対しても顕著なものがある。例えば、虫害、風水害等によって枯死に垂んとしたものを復活したり、土壌が改善される事等によって、稲作等は神霊放射したものとせざるものとの成果は格段の相違のある事も「おがげばなし」中に掲載されてある。其他火災の場合今や自家に燃え移らんとする間一髪、神霊放射によって風向きが変り、類焼を免れた実例も少からず報告されてゐる。又今や侵入せんとする盗賊に対し、戸内より神霊放射をする時、盗賊は急遽逃走したといふ例もよく聞く処である。其他各般に渉っての奇蹟は枚挙にいとまないのである。

然しながら、此神霊放射なるものは、選ばれたる特殊人に限られるように、一般は想ふであらうが決してそうではない。如何なる人間と雖も此方法を学ぶ事によって頗る簡単に実行し得らるるのである。唯人によって放射能力の強弱はあるが、全然無といふ事は一人もない。以上によって神霊放射能が如何なるものであるかの概念は得たであらう。又別に機会を得て理論と科学的説明によって徹底しようと思ふのである。

(地上天国四号 昭和二十四年五月二十五日)