おかげばなし批判 六○六号の注射

中毒で頭脳を犯される

(本文省略)

この実例は医学に対し一の問題を提供したといってもよい。それは最初眼病になった際、それをみた医師は、黴毒が原因と思い、六○六号を注射した事は想像され得る。処がその診立は見当違いであったばかりでなく六○六号注射の中毒で、全身的故障を起したのである。而も、頭脳まで犯されたのであるから気の毒なものである。

之は医学では未だ知らないらしいが六○六の中毒は、多く頭脳を犯し、脳神経衰弱になったり甚しきは精神病となる事さへある。之は吾等の長い経験上そう思へる。処が始末の悪い事は、梅毒を治そうとして打った注射の中毒が、脳を犯した場合医師は梅毒の為というのである。之等医学の誤謬を見せつけられる毎に心の暗くなるのをどうする事も出来ないのである。

(救世六十四号 昭和二十五年五月二十七日)