豚に真珠

よく昔から、豚に真珠という言葉があるが、その通りの事が平気で行われている、その事をかいてみよう。

茲に一人の人間があるとする。その人は、病気とか災難とか、兎に角不幸に苦しんでいる場合、偶々本教の話をするや、飛付いて直ちに入信し救われる人もあり、何だ彼んだと反対を唱えたり、疑い乍ら兎も角病気を治してもらいたいと浄霊を受け治った事実に驚いて入信する人もある。之等の人は前者は上魂であり後者は中魂である。

処が世の中には下根の人も沢山いる。寧ろ一番多いかも知れない。斯ういう人にはいくら説明しても奇蹟をみせても頑として信じない、如何に骨折っても無駄である。斯ういう人に入信を奨める事を豚に真珠というのである。従而斯ういう人には、一応の話をしてその態度で判断をし、下根の人と知れば諦めた方がよいのである。見込のない事に骨折る事は時間と努力の浪費に過ぎない、甚だ非能率的であるからである。

(救世五十七号 昭和二十五年四月八日)