辛いものを避ける

よく医学では唐辛子や辛子、ワサビの類を病気に悪いとして止めるが、之は実に滑稽である。勿論之等も味覚を助け胃の活動を促すに非常に必要なもので、その為神様が造られたものである。例えば、刺身一つ食ふにも山葵(ワサビ)がなければ、如何に不味いかである。納豆にしても辛子がなければ味は半減するであらう。

医学が右のやうな説を唱えたのは、痔疾の場合からであらう。痔疾は辛い物を喰べると糞便に混るから肛門を刺戟し痛む事がある。ただそれだけで外の病には何等影響がないから安心して食べていいのである。

右と同様今一つ面白い事がある。それは盲腸炎の原因が葡萄の種といふ説がある。私はその事を問はれる毎に斯う答える。葡萄の種位で盲腸炎が起るとしたら柿の種など食ふと即死するだらうといって笑ふのである。

右の説の出所は斯ういふ事らしい。フランスの某医師が盲腸炎手術の際偶々葡萄の種を見付けたので之が原因と思ひ、発表したのでそれから右の説が世界中へ拡まったといふ訳であるから実にナンセンス以外の何物でもないといへやう。

(救世四十九号 昭和二十五年二月十一日)