科学で証明された昼の世界

私はこの世界は長い間夜であったのが一九三一年六月十五日を契機として、昼の世界に転換するという事を以前かいた事があるが、本月八日の東京日日新聞紙上に、左の如き外国の学者の研究論文が出ており、それが右の私の説と符節を合わした如き気候の変化である。

尤も昼の世界になったといっても、それは霊界の事であって、現界のように著しくはないが、併し或程度熱くなるのは、事実が示している。一例を挙げれば私が放射する浄霊の熱によって、一度に何千人の人が異口同音に熱さを感じるというので、中には汗をかく者さえある。これは何が為かというと、霊界が昼になるに従い太陽から放射される火素が増量し私に伝達されるからである。

世界は暖かくなりつつある
-極地気温の上昇につれて-

気象研究所予報研究室長 A・H

近年、世界は益々暖かくなって来ている。特に北極周辺では目立って暖かくなっている。一九三三年の夏、初めて北氷洋経由の航路が開かれ、一九四〇年(大戦直前)の夏には、一〇〇隻もの船が北氷洋経由で欧亜の連絡に成功している。その蔭には、航海術の進歩と時勢の緊迫があずかって力のあったことは勿論であるが、近年夏になると北氷洋の氷が著しく溶けて、砕氷船なしで汽船が容易に航海できるようになったのが最大の要因であった。

ヨーロッパのアルプスやスカンジナビア、アメリカ大陸などの氷河は年々縮退を続けており、小さな氷河などには消えてなくなったものもある。このように世界が暖かくなり、氷雪がどんどん溶けて水になっている以上、海の水は増えなければならない。仮りに海底が不動なものとすれば、海水が増えるために海面はドンドン上昇する筈である。実際最近アメリカが大規模に太平洋熱帯水域の珊瑚礁のボーリングをした結果によると、珊瑚礁は大抵三〇〇フィート位で下の岩盤に突当るという。珊瑚虫は空気なしで生きていられぬものであるから、この事実は海面が上昇するにつれて、珊瑚が上へと伸びていったものと解釈する外はない。

このように極地の気温が上昇するにつれて、アイスランド近海やバレンツ海の方まで海区が拡張されてきた。グリーンランドのエスキモーはあざらし位しか漁獲していなかったのに一九二二年初めて鱈がグリーンランド沖に現われ、今では食用や灯火用に鱈を常用しているそうである。又以前見知らぬ鳥類が現われ始めている。かように気候の温暖化は、生物界にも異変をもたらした。

このような気候の温暖化はいつまで続くのであろうか。それについても思い出されるのは、故オットー・ペターソン博士の一八〇〇年週期説である。博士によると、起潮力(潮汐をおこす力)が、一八〇〇年週期で増減することが、天文学的に計算できる。即ち起潮力は西暦五五〇年頃最小で西暦一四三三年頃最大に達した。起潮力が旺盛になると深海の暖流が北氷洋に潜りこんで北氷洋の氷を割り、その氷が海流にのって大西洋上に押出してくる。その影響で西欧の寒さは苛烈になる。

事実十二、三世紀の歴史は蒙古の勃興をもって始まり、蒙古の欧州遠征、元の建国をみており、その後英仏百年戦役、チムール帝国の制覇、オスマン・トルコの欧州侵入、はてはペストの蔓延(この為にヨーロッパの人口の約三分の一が死亡したといわれる)等、気候不順による生活の苦しさが想定される。この頃日本でも戦国時代を経験している。

それ以前の世界の気候が温和であった証拠はいくらでもある。グリーンランドの発見者、赫顔のエリクは一〇世紀末、アイスランドからグリーンランドへ直航したといわれるが、今ではグリーンランドの東岸からは厚い氷に遮られて上陸できない。そのころグリーンランドには果物がみのり、放牧が行われていたという事である。

五、六世紀から、一〇世紀頃にかけては、西洋でもわが国でも、宗教時代とでもいえるのどかな時代を享受した。このころは確かに気候は温和だったのである。そうしてみると、ここしばらくの間気候は益々温和になりそうである。そして気候温和が人々の心を柔らげるのであれば、吾々は希望の胸をふくらませる訳だ。

ただ一つ気になることがある。今日このごろ暖冬がつづいているが、暖冬の後でとかく冷しい夏がおこりやすいことである。冷しい夏が不作に通ずるものであれば、吾々としても余り喜べない前兆のようにも思えるのである。

(栄光二百四十九号 昭和二十九年二月二十四日)