日本の誇り

これは衆知の如く、昔から日本には世界に誇り得る程のものは、遺憾乍ら殆んどなかったといっていい。強いて求めれば人間が造ったものの内、絵画、彫刻の如き美の文化財位なものであろう。言うまでもなく宗教や学問、その他の無形文化財にしても、外国を凌ぐ程のものはなかったのは確かである。それが日本人の物真似好きの原因となり、劣等感の原因ともなっているのであろう。処が喜ぶべし、私が神示によって創成した神霊医学なるものは、恐らく有史以来未だ嘗てない偉大なものであって、これこそ初めて世界に誇り得るものが日本に生まれたといっても過言ではあるまい。従ってこの真相が分った暁、世界を挙げて愕然とするであろう。

そうしてこの発見が如何に素晴しいものであるかは、これが動機となって世界文明はここに百八十度の転換となり、新文明生誕となるのは断言するのである。故にそうなった暁、日本国民は今更のように驚き、手の舞、足の踏む所を知らざる一大歓喜の渦に巻かれるであろう。ここに於て我民族の如何に優秀性であるかを感得せずには居れまい。何しろこの事たるや全人類が何千年も前から要望し、念願していた最大悩みである病気が追放され、人間の寿齢は百歳以上は易々たるものであるという夢の実現であるからである。というように、寧ろ余りに破天荒、意想外な福音に唖然として、本当に信じ得るまでには相当の時を要するかも知れないと思う。

という訳で何れはこの真相が一般に分り出すに決っているから、そうなったら先ず最初日本人が狼狽するのは目に見えるようである。次いで愈々世界に分り出したら、如何なる民族も何を惜いても飛びついて来るのは勿論である。その結果二十世紀後半に至った今日、世界の歴史はここに書き変えられると共に、日本は一躍世界の救世主として仰がれると共に、釈迦、キリストをはじめ、幾多聖者の予言の裏附がここに実現した事によって、その教の信仰者の歓喜も亦大変なものであろう。その結果ここに苦悩の世界は一転して歓喜の楽土と化し、人類の理想世界は実現の一歩を踏み出す事となるのである。然もこれは単なる夢ではない。現に着々として進行しつつある事実を見れば、絶対確信していいのである。

(栄光二百四十一号 昭和二十九年一月一日)