年頭の辞

年頭の辞といえば、いつもお定りのような事をかく事になっているので、余り張合がないが、今年は今までと異って大いに張合があるので、書き乍らペンもはずむという訳である。知らるる通り本教も散花結実満三年を閲(ケミ)した今日、大分実も育ったようである。というのは先ず第一、熱海地上天国中の王者である晴々台上のメシヤ会館も、愈愈今秋出来上る事となったからで、それと共に、展望台上の水晶殿も同時に出来上る筈である。又美術館も一年後れて来年中には出来上る予定であるから、熱海地上天国の完成も大分間近になったのである。

処が会館と水晶殿の二つが出来上っただけでもその偉観たるや見る者をして目をそばだてずにはおかないであろう。何しろ両方とも日本はおろか外国にも例のない新しい様式の建築であり、それらを取囲む庭園にしても、緑の樹々、色とりどりの花卉等、絢爛たるパラダイス的装いを凝らし、遠い伊豆の海山から三浦半島、房総までの景観を一望に収めるとしたら、恐らく世界に類のない、地上天国の名に背かぬ一大芸術郷が出現するからである。そうなった暁、日本の名所というよりも、世界の名所といっても敢えて言い過ぎではあるまい。過般参観した米新聞記者も、激賞と共に、そのように言われたにみても明らかである。

又美術館はその大きさといい、設備といい凡てが箱根以上の素晴しさであるから、これが錦上花を添え、必ずや世界の話題となるのは、今から期待し得らるるのである。それは兎に角、今年から布哇及びアメリカ方面に於ける本教発展の目覚しきものがあろう。勿論内地に於ても本教の主眼である神霊医学、自然農法等も漸次一般の注目を引くようになると共に、近き将来世界各国にも共鳴者続出する事となろう。以上の如く神様のプログラムは益々佳境に入る以上、信者諸君もその心構えを以て勇躍されん事である。以上本年の抱負をザッとかいてみたのである。

(栄光二百四十一号 昭和二十九年一月一日)