医学では病気を治療する事は、全然出来ないといったら驚くであろうが、之は真理であるから仕方がない。では誰が治療して呉れるかというと、それは自分自身の体である。従って若し医療で治るものなら、手術の必要はない訳である。つまり医療では病気の個所が治らないから、止むを得ず其個所を除去して了うのである。
又痛みの場合痛みを除る事が出来ないから、痛みを感じる神経の方を麻痺させて、感じさせないようにするのである。だから怪我をした場合、出血を止めるのも傷ついた皮膚や肉を作るのも人間自体である。処が医学ではそれを補ふ働きをするのが、医療であるとしているが、事実は反って邪魔をしているので、治りが遅れるのである。此理によって手当や療法は無意味という訳である。
(栄光百六十一号 昭和二十七年六月十八日)