此間ラジオの米国通信に、四十三度の高熱の五十歳の男の患者の病気が治ったのは、世界にも珍らしいとの事であるが、私は以前四十歳位の男で、ヤハリ四十三度以上の高熱の為、体温器が度々割れるので、病院でも困ったという患者を、完全に治した事があるが、之は米国の例よりも以上である。という訳で、吾々の方はそんなのは問題ではない。それ以上の例が毎日のようにあるからである。
又八年間の盲が偶然治って、非常に珍らしいという放送もあって、原因は硫酸がかかって盲目になったというのだが、凡て病気ではなく、そういう災害的のものは放っておいても、年月さえ経てば自然に治るものである。従ってそれを珍らしいというのは、全く医学の未発達である事を示しているのである。
(栄光百五十一号 昭和二十七年四月九日)