我観音会は、日本の中心たる、東京の又中心たる麹町区の中央、半蔵門に、昭和十年一月一日生れたのである。此所は、一天万乗の大君の坐(オワ)す、皇居から指呼の間で、本当の意味の御膝元である。これは重大なる意味の存(ソン)ずる事である。
日本が世界を統一するといふ事は、日本天皇の大御稜威を、全世界に拡充する事であるのは前項に述べた通りである。
日の本とは、(ス)の本である。日の文字は、(ス)の象形文字から出来たのである。スの本であるスは一人を繋げて出来た文字である。上御一人といふ事である。スは又統(ス)である。皇(スメル)であり澄(スミ)である。統一の中心との意味である。
太陽が昇って、天体の中心に到った時が、一番光が強い時である。それが正午の刻である。それを仰ぎ見た時、天体は(ス)の形である。
大太陽の光りによって、全世界を照し、遍く人類をして、その光りに浴せしむる形態である。此故を以て、太陽の如き、大いなる光明の救ひは、統一の中心である東京の、御膝元から生れなければならないといふ事は、自明の理である。
今日迄、数え切れない程の宗教や、救人(スクイビト)が出たが、それ等は尽く、中心地点から外れてゐる。これに因ってみても、観音会は、如何に重大なる使命を以て、生れたかは、想像出来るであらふ。
(観音運動 昭和十年九月十五日)