此病気も相当に多いのであるが、之も勿論、浄化作用によって、手足の関節に毒素が集溜し、紅く腫脹するのである。最盛期は実に激烈な痛みで、其際些かでも手足を動かすか、或は物が触れると飛上る程痛むので、医療に於ては、ギブスを以て患部を動かぬやう物に触れぬやうにして固めるのである。即ち、固まれば痛みは無くなるからである。大抵、固まるまで二三ケ月を要するものである。然るに固まると同時に、関節は棒の如く不動となり、従而屈伸不能にて、不自由此上なしである。右の如く不動にしてからマッサージによって、幾分でも動かそうとするのであるが効果は殆んど無く、単なる気安めに過ぎないのである。以上の如き経過が、医療に於ての普通の状態である。
然るに、本療法によれば、最初の発病時、激痛の際なれば、四五回の施術によって完全に治癒するのである。殆んど信じ難い程の偉効である。又医療其他によって棒の如く固めたものは相当の時日を要するが、必ず治癒するのである。そうして固まった程度に応じて、治療日数に差異のある事は勿論である。ただ手術を行ったものは、その手術の方法によっては、治癒し難いのもあるのは、止むを得ないのである。
(明日の医術 第二篇 昭和十七年九月二十八日)