“「見真実」の地位には信仰が深くなれば誰でも到達出来るのでせうか。
“これは絶対に出来ませんね。特に何千年、何万年に一人選ばれた人がなるんです。勿論、普通の人でも信仰が深くなればその手前までは行けますよ。そして、将来は世界中の人がそこまで到達する様になるんです。けど、今は未だ秘密なんですよ。矢張り邪神がゐますからね。然し、もう直きですよ。五六七の御代には「見真実」なんてなくなってしまふんですよ。誰でもみんな真実が判る様になってしまふんですから。
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“主神が釈迦やキリストの如き最高級の御霊を衆生済度の為にこの地上におつかはしになる場合、その肉体をいかなる血統(又は霊統)の家におつかはしになるのでせうか。又、それは勿論新生霊ではないと存じますが如何でせうか。
“勿論、新生ぢゃなくて古いんです。そして無論霊統があり、偉人の霊統はでたらめではなくて、その中から神様が選んで高級の霊を宿らせるんです。
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“八大龍王は日本の近海や湖に御鎮りになって時を待たれた由ですが、それはどこどこでせうか。
“あゝ、之は言へませんね、判らないのもあるんです。判ってゐるのは有明海、越後と佐渡の間、十和田湖、東京湾、紀州の和歌の浦、まあ、その位は判ってますがね。
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“天津祝詞は何時頃、誰によって作られたものでせうか。又、言霊学上どんな意味がありませうか。
“これはね、作られたのは神武天皇以前でとても古いんですよ。之は日本が素盞嗚尊に征服された頃作られたんです。そして天津祝詞は天津神が作られたんで、ま、大和民族の系統の神様ですね。この祝詞は非常に言霊がすぐれてゐるからいゝんです。大祓ひの祝詞ってのもありますが、この方は天津祝詞よりあとで出来たんです。
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“木彫の観音様や大黒様を御祀りしてある場合、あとから立派なのが授かった時には御取替へしても差支へありませんでせうか。又、床の間の上に紫の幕を張る事は差支へありませんでせうか。
“これはどちらも差支へありませんね。本当は幕を張った方がいゝんですよ。
“よくその家の定紋のついたのを張ってありますが……
“えゝ、結構ですね。
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“観音様の御本体は国常立尊と伺って居りますが、その御関係について御教示を御願ひ致します。
“国常立尊といふ神様は厳正至直で、いかなる間違ひも許さず、ずっと昔人間として御生れになり、死んでから閻魔大王になられたんです。然し、閻魔大王は裁きを司り、なかなかきびしくて、霊になったものゝ汚れを取って救って下さるんです。そうやって地獄を救はれるんですね。それが仏界に現れたのが観音様で、観音様は善悪無差別に御救ひになり、決して罪を尤(トガ)める事はなさらないんです。だから観音様の信者は決して人の罪を尤めちゃいけない、そういふ事をすると観音様の御意志と違って来てしまふんです。罪を尤めず、善悪無差別に救ふのが大慈大悲なんですからね。……国常立尊は裁きをなさるけど、人間がよくなれば裁かないんです。国常立尊は仕事がなくなってしまふ。まあ、何ですね、検事総長を辞職する様なもんですね。罪人があるから警察なんかゞあるんですからね。丁度、病人がなくなれば医者は要らなくなってしまふのと同じです。だから私はよく言ふんですよ、医学の発達なんて事はないってね。本当の理想は世の中から病人をなくしてしまふ事であり、従って医学がなくなってしまふ事なんです。然し、現在それが全く反対なのは医学がその天職を尽してない為か、或は医学の行き方が間違ってるからです。故に、医学は宜しく辞職したらいゝんですよ。(笑声)所がなかなかこの点に気がつかないんですね。尤も気がついてゝも生活問題等もあるから急に辞職も出来ないでせうがね。
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“御玉串として捧げる御金を一時立替へて御納め申し上げる事は差支へないでせうか。
“差支へありませんよ、返せばいゝんだから。踏み倒しちゃいけませんがね。(爆笑)
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“人柄が誠実で御道への情熱もあり御浄霊の治り方もよく人から好かれてゐる教導師がありますが、その教導所が現在余り発展してゐないので、より以上発展する為には治った人が新しい人を紹介さへしてくれゝばよいと日常考へて居りましても中々思ふ様に行きません場合、どの様な心構へを持つべきでせうか。
“ま、時を待つんですね、矢張り順序がありますからね。頭がよくて小学校の成績がいゝからって、すぐ中学には入れませんよ。そういふ風に段階があるんです。だから、焦らずに時を待つ事ですよ。――例へば、今は世の中の人の一部分ッきり私を認めてないでしょ。若し皆が認めるなら、みんな私の言ふ通りになりますからね。こういふ事も時期なんですよ。然し、何時かはその人の値打ちだけの境遇になるんです。それから又、邪神も盛んに活動してますしね。例へば新聞なんかでも、こっちがいくらいゝ事をしても、アベコベに書きますからね。
“御利益で治った方に新しい人を紹介する様にと話す事は如何でせうか?
“そんな事言っちゃいけませんよ、安っぽくなってしまふ。そんな気があるのは未だ信仰が本当の線に入ってないんです。決して無理にすゝめたり、押売りしたりしちゃいけません。それから、発展しないのは、人間が見ていゝ様でも神様に対してピッタリしない点があるんです。ピッタリしてれば、神様がこの人ならといふ教導師の所へ信者を持って来てくれるんです。神様が霊界でその人の守護神を働かせて連れて来て下さるんです。思ふ様に信者が来ないってのは神様の気に入らない点があるんです。人間が気を揉んだりすると、神様の方では「あれは俺を信じてないから、いゝ加減にしてやらう」って事になるし、人間の方で心から神様を信じてれば「そんなに俺を信じるんなら、俺も相当にやってやらう」といふ事にもなるんです。感情の点では神様だって人間と同じですよ。喜怒哀楽は同じなんですよ。唯、違ふのは、神様の方はそれが大きいし、人間の方は小さいといふ所が違ふんです。人間は自己愛が強いんですが、神様は非常に自然であり合理性なんですよ、理窟に合ってるんです。それに、時期といふ事もあるんです。時期といふ事は大切なんですが、人間は全く之を閑却して進むもんだから、どうしても逆結果になるんですよ。(御光話録第八号参照)
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“不幸や災難を受けるといふ事は神様がその人やその家の罪を御許しになる為でせうか。或は試練を与へ給ふものでせうか。
“罪を許すんではなくて罪を尤めるんですよ。だから、アベコベですね、これは。神様の方だって罪を許す訳には行かないんですよ。然しね、人間は大体自分で罪を作って苦しんでるんですよ。だから、馬鹿なもんですね、人間ってものは。(笑声)不幸ってのは人間が自分で作って苦しんでゐるんですよ。そりゃあ、先祖の罪って事もありますがね。然し、先祖と言ったって結局は自分だから、矢張り自分の罪ですよ。何故って、先祖は自分か或は自分の父母とか兄弟と言った肉親ですからね。――試練を与へるのは神様がその人を御使ひになる時、汚れを取り除く為に浄めて下さる、それが苦しみなんで、それを人間の方で、「あゝ、あれは神の試練だったのだ」といふ風にいゝ解釈をするんです。まあ、これはいゝ考へ方ですが、そういふ風に言へますね。
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“御浄霊致して居りまして、この病人は治りそうもない――と感ずる場合もございますが、その時には如何致すべきでせうか。
“さあね。まあ、そういふ場合は成るべく来ない様にするんですね。そうでないと、こういふのがいろいろと問題を起し易いですからね。だからこういふ人には「あんたの病気は医者の治療の方がいゝでせう」と言って避ける様にするんですね。さもなくば、「私の方では自信がないけどあんたがどうしてもやってくれって言ふんなら別だけど……」って言へばいゝでせう。中には「医者ぢゃ駄目だから是非やってくれ、やって貰ふと気持ちがよくなるから」って言ふのもありますからね。
“その場合、浄霊を受け乍ら死んだ人の方が、受けずに死んだ人よりも霊界で救はれると存じますが――
“無論ですとも、浄霊受けずに死んだのは地獄へ行きますよ。
“そう致しますと、医者に行く様にと言ふのはこわいように思はれますが――
“そうですよ。けどね、そんな事で問題なんか起したらこっちがこわいでしょ。外の人を浄霊する事も出来なくなってしまふから。だから、小の虫を殺して大の虫を生かすんですよ。
“此の度、或地方で疫痢の子供が御浄霊中に死んでしまひまして、一寸問題になりました――
“弱りますね、それは。疫痢なんか訳なく治るんですがね。力が足りなかったりすると、段々悪化してしまふんですよ。そういふのは困りますね。――
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“御道の資格者の中には、自分の周囲を充実する事だけを考へて、会費や献金等の上納を故意に怠ってゐるかに思はれる人があります。その上更に、自分の行動を糊塗しようとして他の人をも誘ひ同様の空気を作らうと企てゝゐる様な人もございます。このまゝでは団体の徳義が破れ秩序が乱れて来ると存じますが、この様な行動に対しましてはどの様な処置をとるべきでせうか。
“之は誰が処置をとるんですか?――この処置は神様がとられるんです。こんなの、私は何も処置はとりません。打棄(ウツチヤ)らかしておけばいゝ様になるんです。若し、間違った事をしてれば、その人が神様の裁きを受けるんだから、外の人は何も心配する必要はない。こんな事を心配するのは未だ信仰が薄いからです。だから、神様の方では「俺を信じてないからだ」と思はれて、御機嫌が悪くなりますよ。
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“自分が正しい立場にあっても争ひを好まぬ性質から自重して時を待つ心と、相手と口論してもその正否を決めねば収まらない心とはどちらが善であり人間的でせうか。
“これは臨機応変でどっちに決めてもいけないんです。自重すべきがいゝ時と、――けど、口論はいけませんね、この道は争ひをなくすんですからね。――相手が誤解してる時にはそれに対して説明する、説明ですよ。それでも相手が判らなければ時を待つんですよ。口論なんかしても未だ解決しないと、次にこれ(拳骨を御振りになる)になりますからね。(笑声)
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“貧困な人達を見ても一様に同情せず、その美しい心の持主に対しては屹度将来救はれると思ひ、その醜い心の持主に対しては当然そうなるべき因縁を持つのだ――といふ風に考へます事は無慈悲な心でせうか。
“之はね、どっちって決められないんですよ。例へば浄霊にしても、その人が丸ッきり金がないんなら施療にしてやって上げてもいゝが、幾分でも出せれば出すべきです。人間的な考へも大切だが、それは余程違ふ事もあるんです。教導師が人を浄霊して上げた場合、生活に費用がかゝるんだから、御礼を貰ふのは当り前です。そして余裕があれば神様に御上げするのが本当ですよ。だから、御礼は身分に応じてするのがいゝんです。だから施療なんかしてる間は嘘ですよ。普通の人は施療なんか出来ないんですから。以前、たゞで治療しろっていふ人が居ましたが、勿論、観音様は御礼なんかいらないが、取次する人は家に住んでゐるんだし、まさかカスミを喰って生きる訳には行かないですからね。――金持ちはうんと御礼を出したらいゝんです。生命を救はれたら財産の半分位出したらいゝんですよ。だから、私は以前よく言ったんです。御礼は未だ貰ってない、手数料なら貰ったけどってね。(笑声)実際、生命を救はれるって事は大変ですからね。だからね、心よく出せる御礼は出すのが本当であり、又受取るのが本当なんですよ。以前、或る熱心な婦人で人を大勢やってたんですが、その御礼が一円の所を二、三円多いからって返しに行ったんだそうです。之はその婦人の御主人から聞いたんですがね。然し、これなんか飛んでもない間違ひですよ。神様を侮辱する事甚しい。一生懸命やって乍ら全く見当が外れてるんです。で、その婦人は震災で死んでしまいましたがね。
“信者の方に御礼することを判らせる事は如何でせうか?
“神様に御任せしておけば、神様がちゃんと先方から御礼を出させる様にして下さいますよ。ケチで頑固な人の場合は、神様はその人からでなく、外の人の手を借りて御礼をさせますよ。「あんなにしてやったのにふざけてやんな。馬鹿にしてる」と思ふ事もよくありますが、然し、御礼する様にって謎なんかかけるのはいけませんね。(笑声)ちゃんと神様が旨くやって下さいますよ。(御光話録第三号参照)
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“私の所へ「幸福の鎖」といふ手紙が参りました。破りすてると不幸になると書かれてありますが、破り棄てゝも差支へないでせうか。
“えゝ、こんな事を気にする様ぢゃ、信仰に入ってない。こんな事は罪ですよ、一寸でも信じたら邪神にやられますよ。
“私の所へも参りましたが、突返してやりました。
“返さないで破っちゃった方がいゝですよ。破っちゃいけないって言ふんだから、却って破った方がいゝんですよ。(笑声)
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“最近患者の憑霊現象は全然無我になる事なく、霊の言った事、した事等は皆よく自分で憶えて居りますが、之は何故でせうか。
“これは憑依する霊の方が全部を占領出来ないからですよ。例へば、七分通り占領してもその人の霊が三分残りますからね。霊の力が弱って来たんですね。
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“御浄霊致しますと震(フル)ひ出す人がありますが、之は何故でせうか。又浄霊の時手がビリビリする人がありますが、之は何故でせうか。
“震ひ出すのは霊が来て憑いてるんです。で、その霊がこの光をこわがるんです。そういふ時に口をきかすときりますがね、然し余り口をきると具合が悪い、精神病的になりますからね、しない方がいゝですよ。憑いてる霊が浄まって来ると震はなくなりますよ。手がビリビリするのは人によるんです。そして之は一種の動物電気ですね。ですから、掌の感じ方で病気の部分の判る人がありますよ。で、之を感じる人は感受性の強い人です。別にそれ以上大した意味はありませんね。(御光話録第十一号参照)
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“読書等の場合、外の事に気が散って中々頭に入らない事がございますが、之は何か邪霊が瞬間的に憑依する為でせうか。又そうした場合はどう致しますれば精神統一が出来ませうか。
“之は霊ぢゃないんで、こめかみから前頭部に熱がある為に気が散るんです。だから前頭部が冷たければいゝ。私は人を浄霊する時必ずこの前頭部をするんです。こゝを浄めるのが根本ですよ。こゝは高天原で人間の一番大事な所ですからね。で、ここに熱が出ると気分がいらいらして来るんですよ。子供でも癇の強いのは必ず前頭部に熱があります。浄霊すれば勿論治りますよ。だから「癇の虫」は頭にゐるんですよ。(笑声)
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“言霊から言ふと、世界はアに始まってンに終るものであり、今はラの時代であるからラン――乱なのだ、五十音は夫々時代を支配する言霊の活動力を持ってゐる――と申しますが、之は本当でせうか。
“はゝあ、之はね、嘘ぢゃないけど、何の時代が何の言霊に当るかといふ事を知ってゐる人はないんです。現代がラ行の世だといふのは、ラはランでもあるけど、むしろそれより龍神ですよ。ラってのはラセン(螺旋)で、廻る事なので、箱根の強羅は火が廻るといふ意味です。龍神は廻るんで、だから龍神がやってる低気圧は廻り乍ら動くんです。……そういふ訳でラはランよりもラセンの方が合ふんですよ。
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“私宅は代々浄土真宗ですが、昨年知人のすすめにより○○会に入り新たに戒名を一律に改めて貰ひました。宗旨をかへ戒名をかへました事は祖先に対して悪い事でせうか。又若し悪ければ○○会から頂いた御札は如何致したら宜しいでせうか。
“之はいけませんね。怒りますよ、祖霊が。勝手に人間の方でかへるなんて飛んでもない、早速元通りにしなけりゃいけませんよ。そしてその会の御札は御礼をしてから焼いてしまへばいいですね。――随分乱暴ですね、こういふ間違った事がいけないんですよ。
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“新たに買入れた家に前の人の使用した備へつけの仏壇があります場合、如何致したら宜しいでせうか。
“備へつけなら構ひませんよ。
“御浄めはどう致したら宜しいでせうか?
“祝詞を上げてね、御浄めは――ハタキでホコリを払ったらいいんです。(笑声)
“とても立派な御仏壇なので、どうしたものか困って居りますので――
“立派なら大いに結構です、困る必要なんか一寸もありませんよ。(笑声)
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“位牌に戒名を書きます場合、黒地に金文字と、金地に青で書くのとでは何れが宜しいでせうか。
“黒地に金文字が正しいんですね。ま、そうなってます。昔から御経を書く時「紺地金泥(コンチキンデイ)」って言ってね、紺色のきれに金泥で写経したんですが、戒名のはそれからとったんですよ。青はやめてなほした方がいゝですね。それから金地に赤ってのも一寸変ですね。
“金地に黒は如何でせうか?
“黒ならいゝですよ。
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“仏壇を祀ってゐても、習慣的にたゞ空念仏でも毎朝毎晩御詣りする人と、たとへ十日に一遍でも心をこめて御詣りする人とでは、御先祖はどちらを御喜びでせうか。
“然しね、心をこめて御詣りする様な人なら、十日に一遍なんて事はないでしょ?(爆笑)
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“私の家には代々試し斬りをした脇差が伝わり、その為か先代と当主が狂人になり、他にもいろいろと不幸がございます。如何様に致すべきでせうか。
“斬られた人の霊がついてるんですよ。ま、光明如来様の前においておけば、霊が救はれて祟らなくなりますよ。
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“昔から身分の高い人などが逝去しました場合、屍体を腐らぬ様にしたまゝ葬りますが、之は霊的に見まして宜しい事でせうか。
“そうですね、これはその死んだ人の気持に在るんです。そういふ事を嫌ふ人と、又却って喜ぶ人とその人の性格によりますね。最近ではレーニンの屍体を腐らぬ様にしてますね。昔、エヂプトでは王様の屍体をそういふ風にしてピラミッドへ入れてましたが、あれなんかもう五千年も経ってるけど現存してますね。矢張りいろんな方法があるんで、支那なんかでは鼻や口に朱を詰めて腐らぬ様にしてますね。然し、まあ、どっちかって言へば之は嘘ですよ。又、ミイラにした時代もありましたが、今でも博物館にミイラはありますね。
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“神聖なる土地を発掘し科学的研究を達せんとする学者と、信仰の対象を単なる物として扱はれる為信仰への侮辱を感ずる宗教家との間の争ひはいかに解決されるべきでせうか。
“之が問題なんですよ。あのね、エヂプトのピラミッドってのは王様の墓所ですが、その中のツタン・カーメンって言ふのを発掘すると死ぬって言はれてたんです。最後に、そんな馬鹿な事が――って訳で学者が調べた事があるんです。私はその探検隊の手記を読んだ事がありましたがね。それには、ピラミッドの階段を降りて行くと、一遍に辷って下へ落っこちてしまふ所があって非常に驚いた、やっと上に登って下を見ると中に何か変なもの、霊の様なものがあって何とも言へず怖ろしくなって、たうとう調査を止めてしまったと書いてありましたがね。で、法隆寺のもどっちにも理窟はあるんです。だからやりたけりゃ、やらしておけばいゝんです。研究しようとする学者の立場も本当だけど、そんな事は御免こうむるっていふのにも理窟があるんです。だから両方に自由にやらしたらいゝでせう。
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“本部に泊って御浄霊を受けて居ります娘、先日汽車で二時間半かゝる実家に帰り三晩泊って教導所に戻って参りましたが、平常と変りなく実家の様子や車中の事等を私に報告した後発作が起り意識不明になりました。気がついてから不思議そうに部屋を見廻し「実家にゐるかと思ってゐたのに何時のまにこゝへ来たのだろう」と考へて居りますので、発作前の事をいろいろと思ひ起させる様に試みました所、漸く汽車に乗る迄は判りましたが、それからは苦しくなって全然意識がなくなったと何度聞いても答へます。又、時には発作中に突然起きて目をつぶったまゝ二階から階下の便所へ行き用を足して元へ戻り再び発作を続ける事もあります。之は本霊の為でせうか、或は憑依霊の為でせうか。
“本霊はこんな事させやしないですよ。勿論憑依霊ですよ。こういふ間違ってる事は憑依霊の為で、こんなのは一種の夢遊病ですね。霊だって汽車に乗る事位知ってるからそうさせるんですよ。癲癇ですね、まあ期間の長い癲癇です。そしてこういふのは赤坊の霊ですよ。赤坊の霊は知識がないから判らないんです。大人の霊なら判りますがね。これもだんだん治りますよ、けど早く治す為には矢張り霊の解決が必要ですね。
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“新潟県下の或教導所に七月十日出張の折、未明頃ふと目を覚しますと、若い娘の影が私の寝てゐる蚊帳の外に来て坐り御辞儀をして無言のまゝ立去りました。他の人も時々二階に上って来る足音を聞く事があるけれども、別に淋しい感じはないと申します。之はどういふ霊の仕業でせうか。
“こういふ事はよくあるんで、そこで変死した地縛の霊ですね。有名な話がありますね、乃木大将が信州の或宿屋へ泊った所、土地の女が蚊帳の外で御辞儀をした、で、翌朝宿の者に話したら「やあ、やっぱり出ましたか、あの部屋を使ふ度に幽霊が出るんで普段は使はないんですが、閣下は軍人だから大丈夫だらうと思ってました」と言ったそうですが、その女はその部屋で自殺したか殺されたかで死んだ霊なんです。――こんなのは祝詞を上げてやればいゝんです。
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“山口県下の或る教導所にて昨年十月某教導師が三日間の大浄化後急逝致しましたが、その後そこへ出張致しますと夢か現かの様に黒装束の大男が現れ……
“之はいかんな。……
“私に襲ひかゝって参りました。その後出張致しました所、昼間教修中明らかに弓矢で右の耳を射られた如き気持がし激痛を感じました。その夜夢にて豚に似た怪物に襲はれました。それからそこの教導師補が胃癌にて伏せる様になり急に信仰がなくなり医者にかゝる様になりました。同方面には約五百名許りの会員が居りこの様な事で大分動揺して居りますが、如何致したら宜しいでせうか。
“これは邪神の親玉ですね、この黒装束の大男は。こゝには、大光明如来様は御祀りしてあるんですね?
“はい、七月に御祀り致しました。
“これは大物ですよ、邪神の中でね。これが鎮まるまでは相当動揺があるでせう。然し、今は神様と悪魔との戦ひですからね、負けずに突き進まねばいけませんよ。
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“或雑誌に、シカゴ科学博物館発表の二十一世紀の男子服装として、金糸の入ったコゝア色の運動着、セロファン製の銀糸の入った原子力操縦の制服、防水用のプラスチックのスカート等を着用した人達の写真が出て居りましたが、これは「五六七の御代」の服装の優美さの型を示すものでせうか。
“ほう、面白いですね、これは。そうですよ、型なんですね。――「五六七の御代」になると男の服にも金を使ふ様になるんです。何故かって言へば、今は金貨本位だけど、「五六七の御代」になれば紙幣許りになり、金は装飾に使はれる様になるんです。それで服なんかにも使ふんですね。私はそのうちに「五六七の御代」の服を作るつもりですがね、そりゃあ、素晴らしいもんですよ。大体上中下の三階に分れてゐて、一番上のは紫地に金糸で雲や鳳凰の柄を織り込むんです。だから男の服装なんかも非常に派手になるんです。それに比べりゃ、今の人のは地獄の服装ですよ。(笑声)服だけぢゃなく、靴にも帽子にも金糸を使ふ様になるんです。
“帽子に金を使ふと頭が重くなりはしませんでせうか?(笑声)
“そんな気の利かない事はしませんよ。(爆笑)で、偉い人になるとその上に更に宝石なども使ふんです。(御光話録第九号参照)
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“美感は時代により変移又は発展するものでせうか。(例へば往時の絵画、音楽、文芸等が現在それ程もてはやされて居りません様に)
“やはり、その時代の想念がいろいろの事情につれて変るんですよ。例へば元禄時代は派手だったんですが、世の中が太平だとあゝなるんですね。又、社会が変革する時代だと派手な所はなくなるんです。それから国家の財政といふ点もありますね。幕末の頃水野越前守が倹約令を出した事がありますが、その時何かの折に将軍が生姜(シヨウガ)を喰べようとしたが無いので、何故生姜を作らぬかと訊くと、生姜は贅沢品だから作れないとの事なので、立腹した将軍は早速その倹約令を全廃したそうですがね。又、江戸時代は絹を着られなかったので、一寸見た目には木綿の様に見える絹を作り出した、之が結城紬(ユウキツムギ)なんですね。今の結城や大島はこれから出てるんで、今でも贅沢な人はこういうのを着てますね。又表だけは木綿にして裏へ絹を使った事もありましたがね。
“墨絵なんかは如何でせうか?
“あれは違ひますね。墨絵は支那から来たんですが、支那の絵は極彩色と墨絵と二種あって、貴族は極彩色の絵を描いたので、支那の天皇の中にも上手なのが居ましたね。徽宗(キソウ)皇帝のは今から千年以上も前のですが、全くうまく描けてますね。所が一般の国民の方は墨絵が多かった、南宗や北宗なんかそうですね。で、日本のも支那から伝って来たもんで、最初に伝へたの((*1))ウゲツ」(?)で、之は殆ど墨絵許りですね。それから相阿弥、元信、雪舟になったんですが、あれは倹約令の方とは違ふんですよ。
注:((*1)) (四字分不明)
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“政党に小党分派のある事と、保守進歩の二大政党のある事とではどちらがよいものでせうか。
“これはどっちも駄目ですよ。まあ、今は過渡期だから已むを得ませんがね。然し、本当は全部が合同すべきなんです。反対のないのが理想ですよ。今迄は人間が間違ってゐたから之がいいと思ってるんです。(御煙草二本御持ちになられて)こっちが積極的でこっちが消極的とすると、まあ陰陽ですね――それで、こっちが間違った事をするとこっちがやっつける。それが今迄はいゝ事だと思って来たんですよ。然し、矢張りこの二つがこうして一本になるのが本当ですよ。まあ一つになっても永くやってるとくたびれるから、一寸代ってくれってのはいゝですがね。(笑声)
“現在過渡期と致しましてはどちらが宜しいでせうか?
“そりゃあ、二大政党の方がいゝですね。けれど、二大政党と言ってもめいめいに限られた檻を作って、お互に、「あいつはいけないいけない」と言ってる様なもんで、全く馬鹿々々しいもんですよ。「五六七の御代」になれば政党なんかなくなりますよ。そうでしょ、警察と同じなんだから悪い奴が居るから警察が必要なんで、悪いのがゐなくなれば警察は必要ないんですからね。それからもう一つ、偉い政治家が居ないとどうしても小党分立になりますね。「俺は俺でやらう」って事になりますからね。
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“先日の「トリビューン」紙に苫米地(トマベチ)氏が「私の霊療法は固めるのだ」と申されて居りますが、同氏の霊は水系統の為でせうか。
“「固める」ってのは私がそう言ったんですよ。(笑声)――あゝいふ人はおまけをつけますからね。あの新聞には、私の言った事をあれが言ってる様に書いてありますよ。(笑声)――昔のは固めるんで、海軍の軍人の間に一時流行った薄井式療法なんかも固めるんです。だからあっちでは「病気が重くなったら入院しろ」っていふんですよ。第一、どうして病気に効くのかその原理が判らないって言ふんですからねえ。(笑声)だから、御本人が病気になった時しまひに入院して死んでしまったんですよ。苫米地さんもあれをやったんですが、所が十人位やってその中二、三人治ると、その治った人の話しをするから大変いゝ様だが、本当は大した事はないんですよ。
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“同じ兄弟姉妹でも顔形から気持にまで相違がありますのは如何なる訳でせうか。
“これは神様がこう作られたんですね。根本は之でいゝ。同じぢゃ面白くないでしょ。(笑声)あらゆるものは皆変化する様に出来てゐるんです。で、その中一番は顔ですよ。この顔の縦と横の長さは世界中の二十億の人が全部違ふんですからね。たまには同じのがありそうなもんだけど――(笑声)、全く之は不思議ですね。ま、霊的の影響もありますがね。
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“子供の寝顔は美しいが、大人になると美しくない場合とむしろ醜い場合とがある様に存じますが、之は智徳と霊との関係によるものでせうか。
“いやあ、これは何ですよ、大人は邪念が多いけど子供の方は無心ですからね。その想念がそのまゝ顔に現れる訳ですね。
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“御浄霊によりましても、もはや健全な肉体に戻れない不具者(例へばびっこ、片目、せむし等)はその姿のまゝで「五六七の御世」の人となる事が出来ませうか。
“そりゃあ、出来ますよ。けれども、びっこや片目位は大抵治りますよ。然しせむしは完全には治りませんね。びっこも手術さへしてなければ治りますよ。手術してしまふと筋を切ってしまふんで治らないんです。片目だって手術してなけりゃ治りますよ。
“長い間の片目でも治りませうか?
“えゝ、長くても薬さへつけてなけりゃ治りますよ。
“薬を沢山使ったのは如何でせうか。
“固めてしまったのは永くかゝりますね。――目が悪いってのは頭の毒が目に下って来る為ですからね。所が薬をつけてしまふとそこで固めてしまふんです。――だからね、今の医学がなくなったら人間はどんなに仕合せになるか判りませんね。まあ、ひどい事を言ふ様だけど仕様がないですね、これが本当の事なんだから。
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“来年は五黄の寅年で虎は千里行って千里帰るとの意味から結婚を避ける習慣がありますが如何でせうか。
“こういふ事はいくらかはありますがね。然し、信仰があれば問題はないんです。私は昔相場をやった事がありましたが、寅年は行って帰ると言って、その年の相場は上ったのは下り、下ったのは上るんです。又、「猪( )の一本槍」、「午(ウマ)の跳(ハ)ね上(アガ)り」なんて言ひますね。(笑声)いくらかはこういふ事もあると思ひますね。一寸不思議ですがね。然し、半分迷信ですよ。必ずそうなら十二支なんて知らない西洋人はどうなるんです? だから、信仰してればこんな事は受けつけませんよ。
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“結婚その他の日取りを決めます場合、十一、十八、二十三等の数の日が特別に悪い日でない限り、そう決めて宜しいでせうか。
“いゝですね、皆いゝです。とに角結婚には十、二十が基本になってればいゝ、陰陽が結ばれるんですからね。二十一なんかもいゝですよ、「二人が結んで始まる」んですから。
“そう致しますと、十日前より十日後の方が宜しいでせうか?
“えゝ、そう。――八日はいけませんね。この中でいゝのは十一日、二十一日、ま、十八日もいゝでせうね。
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“二十七才の男、心臓弁膜症及び肥大症で一年余り医療をうけて居りましたが捗々しくなく本年二月より御浄霊を頂き軽快致しました。本人は親戚の関係から○○教を祀り先祖も仏からその教えに祀りかへてゐますが、今度こそ観音教に代り教修を頂くと言って居りました所、ひどく親戚の感情を害し絶交にまで行きそうになりました。如何致したら宜しいでせうか。
“ま、これはなんですね、争っちゃいけない。時を待つ事ですよ。こっちは病貧争絶無にするのに、こっちから争っちゃいけませんよ。無抵抗にしてるといゝ様になりますよ。――○○教は馬鹿にいゝ所もあるけど、又馬鹿に怖ろしい所もあるんです。○○の霊は私に反感を持ってますからこの信仰にも反対するんですよ。○○は月で、私は日ですからね、昼になって日が出れば月は光がなくなってしまふから、それで先方が反感をもつんですよ。霊的に反対する訳ですね。
“教修だけ受けてゐれば宜しいでせうか?
“そうそう、それでいゝんです。形の方はのばして心だけで信じてればいゝんです。……
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“本年十二才の男子、常に太陽を睨んで居り眩しがりません。体には何の変りもなく視力も異状ありません。之は何故でせうか。
“ほー、これはもぐらとアベコベですね。日なたに居る動物の霊の生れ変りですね。きっと蜻蛉でせう。蜻蛉の目玉は日が当っても決して目をつぶりません。(爆笑)
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“五十五才の女、爆弾によって小脳を圧迫され神経衰弱になって眠れず、目を開けてゐる事も出来ません。今迄いろいろ手当を致しましたが余り効果がありませんでした。御救ひ頂けませうか。
“これは治りますよ。衝撃や中毒なんてのは一時的ですから早く治るもんですよ。ま、丁度ぶん撲られた様なもんですからね。
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“本年八才の女子、昨年九月初旬にひきつけを起し、以後口がきけず本年九月五日より三回御浄霊を頂きました所毎日一回宛ひきつけ、四日目は一日四回あり、その翌日より「お父ちゃん」と申す様になり一日に二十回位その言葉を繰り返して居ります。医師は小児麻痺と診断致して居りますが、このまゝ御浄霊を続けて宜しいでせうか。私は霊的の病気と存じますが如何でせうか。
“無論霊で、赤坊の霊ですよ。何か赤坊――死産か早産で死んだのを祀ってないんでしょ。浄霊し始めるとひきつけは一時ふえますがね。之は気永にしてれば治りますよ。そしてその中に少し判って来たら、その親が信者になり神様の為に尽せば、その徳によって早くよくなりますよ。
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“高血圧を心配致す人がありますが、この御道の上からは問題ではないと存じますが如何でせうか。又高血圧は如何なる症状より生ずるものでせうか。
“高血圧ってのはね、こゝが(のどの両脇の筋)凝ってるんですよ。之がね腕に繋ってるから、腕に血圧計をやると凝りの為に高くなるんです。この凝りは病気の原因には先づならない、なればいゝんですがね。だから扁桃腺炎なんかになれば結構ですよ。で、こゝに凝りのある人はきっとこっち(耳の後下の頸筋)にも凝りがあるんです。そしてこゝの凝りが脳溢血の原因なんですよ。この二ケ所が隣り合ってるもんだから間違へてしまふんですよ。以前、血圧が三百って人が居ましたが、本当はこの人はもっとあるんです。何故かって言へば血圧計をあてるとすぐ三百になってしまふんです、しかも血圧計の目盛は三百しかないんですからね。この人は講談社の筆耕を三十年もやったんで、そういふ仕事の為にこののどの所が凝ったんですよ。だから脳溢血はこゝ(耳の後下の頸筋)と後頭部(やゝ下方)が原因ですよ。中気ってのはこの頸筋の所に固まってゐた血が溶けて脳へ上って反対側の手足へおりるんです。それから、これは医学では余り言はない様ですが、逆中気ってのがあるんで、それは頸筋の所の血が頭へ行かず、そのまゝすぐ手足へおりるんです。
“倒れました時にはどこを御浄霊致すべきでせうか?
“頭と頸の所ですね。頭をするのは毒血が頭の中で固り易いからです。よく倒れると頭を氷で冷しますが、あれは極くいけないんで、あれをやると脳の中で固まってしまふんです。だから出るだけ出た方がいゝんです。従って安静に寝かせる必要もないんです。死んでしまふのは氷で冷やすから死ぬんで、冷やさなければ死ぬ筈はないんですよ。
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“四十一才の男子、二十五才の頃から軽度の乱視になり段々度が進みます。乱視の原因、浄霊箇所を御教示下さい。
“乱視はこゝですよ。この延髄の所に固りがあって、それが眼を圧迫して――人によって毒が動揺する事があるんですが、その為に血の流通が妨げられて、眼に行く血の量がむらになるんです。だから、こゝの延髄の所をやれば何でもなく治りますよ。
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“虫歯は如何なる理由で起りませうか。御浄霊によって治療及び予防は出来ませうか。
“予防出来ますよ。それにね、歯が悪くなるのは体が悪いからなんですよ。やっぱり両方共丁度一致してるんです。だから虫歯があるのは体のどっかにも虫くってる処があるんです。(笑声)予防は体を浄霊して体をよくすればそれでいゝんです。
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“青年期によくニキビが出ますが、之は矢張り然毒の浄化でございませうか。又「想はれニキビ」などと言ひますが、実際その様な事がありませうか。
“「想はれニキビ」なんてありませんよ。(笑声)想はれたって出来ない人もありますからね。そしてニキビは然毒でもないですね。アブラですよ、一種の。ま、ホルモン過剰が本当かも知れない。(笑声)生理的なもんですからね、だから年寄りにはないでしょ。(笑声)ニキビによく薬や石鹸を使ひますが、これは両方ともいけませんよ。大体石鹸なんか使ふとキメが悪くなり、自然の美がなくなってしまふんですよ。
“では、何が宜しいのでせうか?
“何にも使はない事ですね。
“糠(ヌカ)なんか如何でせうか?
“糠はいゝですよ。――石鹸なんか使はないと本当の美になるんですがね。だから昔の人、例へば小野小町なんか実に美人だったらうと思ふんですよ。(笑声)今の人は何や彼やで顔を荒しておいて、それで化粧してるんですからね、この点も全く愚かですよ。
“顔にアブラ気の多い人は何を使ふのが宜しいでせうか?
“やはり糠がいいですね。糠にはアブラを溶かす働きがあるんですよ。だから以前、私は漆を使ってた事があるんですが、漆ってのは手につくと石鹸で洗ってもとれないんですが、トボシ油でとるととれるんです。それからあとでトボシ油を糠で取ったもんですよ。
“髭を剃る時石鹸を使ふのは如何でせうか?
“髭の時はいゝですよ、あれは剃刀の刃の辷りをよくするんだから。
“湯で顔を洗ふとしわがよると申しますが――
“そんな事はありませんよ。
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“水泳中によく心臓麻痺で死亡致しますのは毒素のいかなる作用によるのでせうか。
“之はやはり余り過激に運動するからでせう。運動にも程度がありますからね。又、もう一つの原因は冷いと毒が固まりますからね。冷い為に心臓の周りの毒が固まって、それが心臓を圧迫するんですよ。そんな訳ですね。
“心臓麻痺を起した直後の御浄霊はどこを主に致しますれば宜しいでせうか。
“無論、心臓ですね。――水が冷い時には、冷え切ってしまって駄目になる事もあります。つまり「冷たくなる」んですね。(笑声)
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“結核患者で肋骨を数本切り、中の空洞に合成樹脂の玉(ピンポンの玉位)を入れてゐる人がよく教導所へ参りますが、この様な大手術を受けた人は肉体的に救はれませうか。
“今よくやってるんですよ、これを。肋骨を切る方法ですね。これは人間が呼吸する度に肺と肋骨――この骨は軟いですからね、――それが伸び縮みするんですよ。そうすると、その運動によって浄化が起きて来るんです。そこで気胸療法をやって肺を抑へつけてしまふんです。すると肺は活動出来ないから痰が固る、そういふ方法なんですよ、あれは。で、それと同じ様に骨を切って合成樹脂の玉を入れて固めてしまふんです。だから固まったまゝならいゝけど、何時か浄化が起きると捗々しくない、治りにくいですね。
“中へ入れた玉はそのまゝ残るのでせうか?
“えゝ、残りますね。
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“二十二才の男子、昭和十八年八月中耳炎手術後カリエスになり腰椎から液をとったのですが、現在は歩行困難で横に足を引きつけて歩きます。小便が出たくても出ない事があり、又無意識に排尿してしまふ事もしばしばあります。之は治りませうか。
“腰椎から水を取ったからですよ。あの水は大切なんですからね、実に大切なんです。第一、小便とは違ふんですからね。必要だからあるんです。若し必要のないものなら神様は溜めておきゃしないですよ。だからね、世の中に医学程こわいものはない。何て言って形容したらいゝんだか判りませんよ、全く。――だから、医学を改革しなけりゃあいけないんです。大本の御筆先に「今の世は井戸の端に茶碗をおいた様で、危うて見て居られぬぞよ」とありますが、その通りですね。
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“十三才の男子、四才の時発熱諸関節痛み所々紫斑が現れ苦しみました。医師は関節炎だの紫斑病だのと言ひ治療を続けました所歩行困難となりました。本年七月から御浄霊を頂いて居りますが効果なく却って時に関節に紫斑が現れ痛む様になりました。この子は食物は少食で野菜を嫌ひ肉食を致します。手足は何時も細く冷たくなって居ります。御浄霊で治りませうか。
“こんなの何でもありませんよ。紫斑が関節に固まったんです。紫斑てのは内出血で、毒血が浄化されて血管を破って出て来るんです。だから本当はオデキになって出るんですが、体力や毒の性質によっては血管が破れて毒血が外へ出たゞけで止ってしまふんです。だから之は放っておけばよかったんです。もうとっくに治ってますよ。 この人のは関節に固まってゐるんです。だからそれを溶かして体外に出すか、或は毒を浄霊で消すかすりゃあいゝんです。「時々紫斑が現れる」ってのは大いに結構ですよ。膝の中で固まってる毒血が溶けて出て来るんです。だから痛み出したのは結構なんです。浄霊を続けてる中にそれがオデキになるか、だんだん薄くなって行くか、そのどっちかです。「効果がない」所か、大いに効果が現れてゐるんです。痛んだって大抵二、三日の間ですよ。
“肉食は差支へないでせうか?
“差支へますね。この人はまだ子供だから、きっと癖をつけてしまったんでせう。紫斑病には特に菜食がいゝんです。脳溢血なんかも菜食にすると起りませんよ。だから脳溢血になるのは美食の人ですよ。以前、肉を喰べると喀血し菜食にすると喀血が止まるって人がありました。出血に関係のある浄化の時には菜食にすべきですね。昔の人は切腹しても未だしゃべってましたが、あんな事が出来るのは日本人だけですよ。外人には之は出来ないんです。槍で突かれても槍をこう持って(笑声)しゃべる、あんな事が出来るのは菜食の為腹の筋肉が収縮するからですよ。
“酒なんかは如何でせうか?
“酒もいけませんね、出血し易い。だから特に酔払ってる時切られるのは危いんです。こんな風に食物と出血は非常に深い関係があるんです。
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“三才の女児、昨年八月頃から時々臍が出ましたが、最近は出たッきりで泣いた時は殊に大きくなります。治りませうか。
“治りますよ。こういふのはね、大きくなるに従って自然に治るんですが、浄霊すればずっと早く治りますよ。「出臍」って言ひますね。泣くと余計出るのはいきむからですよ。
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“六十二才の女、医師の診断は肝臓癌で、手術しても駄目、しなくても駄目と言はれ、一週間許り前から急に食欲不振になり…
“あゝ、これは神経ですよ。
“四日前から観音様に御縋りする様になり、痛まなくなりましたが、御浄霊致しますと腹がゴウゴウと鳴り濁水の様なものを三、四合吐きました。食事は一日葛湯か重湯二杯位で肝臓の所に卵位の固結があります。御守護を御願ひ申し上げます。
“このゴウゴウ鳴るのは結構ですよ、 毒が溶けるんですからね。ですから気永に背中を充分に浄霊して上げるんですね。腎臓の毒が肝臓に行ってるんだから、腎臓部と肝臓の裏側をよくやれば治りますよ。
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“七十一才の婦人、子宮脱出にて出血があるそうですが、この様な高齢者の浄化は霊的ではなく体的のものでせうか。
“之は治りますよ。之は更年期以後の月経が溜るんですよ。人によってはもっと早く出ますよ。然し、この人のは馬鹿によく固まってたんですね。子宮脱出は横腹から股にかけてよく浄霊して上げて、子宮を吊ってる筋を浄める事ですね。
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“五十三才の男、五年前より脱腸となり普段は別に痛みはありませんが、歩いたり致しますと張って来て気持が悪くなります。之は治りませうか、又主にどこを御浄霊致したら宜しいでせうか。
“之は腹膜です、おなかですよ。毒結が腸を圧迫するんでハミ出るんですよ。そして誰でも股の近くの腰骨に孔があるんですが、その孔が大きい人はそこからハミ出してしまふんです。だから腹の毒をよく溶かす事ですよ。そしてそれは腎臓が悪いんだから腎臓をよくやる事ですね。然し五十三ってのは珍らしいですね。普通は子供か年寄りがなるんですよ。年寄りは大体七十過ぎの人に多いですね。
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“二十才の女性、昨年五月頃より排尿時焼ける様な疼痛を感じ三十分乃至一時間位にて排尿あり、九月迄医療を受けましたが治癒せず夜も横に寝る事も出来ませんでしたが、十月より教導所に通ひ教修も頂き、現在は自宅にて母より御浄霊を受けて大変具合は宜しく農業を手伝って居りますが、歯ぐき、唇等血色悪く未だ多い時は尿が一時間持ちません。完全に治癒致しませうか。
“完全に治癒しますよ。自分でやればいゝでせう。これは痳病ぢゃないですか、症状が痳病そっくりですね。
“未だ処女ですが……
“処女って言っても請合へませんけどね……(笑声)
“はい、保証は出来ませんが、(笑声)当人は本日こちらへ参上致して居ります。
“おやおや。(爆笑)――さもなけりゃ、尿道のオデキですよ。薬毒が下へさがってその辺に集まり粘膜に小さい孔をあけて出るんです。そしてその孔へ尿がしみて痛むんです。焼けるのは痳病の特色ですが、たゞ痛むだけならオデキですね。尿が頻繁に出るっていふのはその刺戟の為ですね。
“痳病等は風呂で伝染する事もあると申しますが、之はあり得る事でせうか。
“ない事はないでせうね。子供なんかにはあるでせうね、皮膚が柔いから。成人してれば、まあありませんね。
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“三十五才の婦人(本年六月入信)胸部疾患でしたが入信後全治、最近血液検査の結果陰性梅毒と診断され医師よりペニシリン注射をすすめられました。この人は入信前同注射を致しましたが効果がありませんでした。御浄霊により梅毒菌は死滅するでせうか。
“梅毒なんか訳ないですよ。風邪をひいた位のもんですよ。普通は一週間位で治りますよ。だから私は、梅毒の治りいゝのはよくない、治りにくい方が品行がよくなるって言ふんですよ。痳病の方が治りにくいですね。重いと一ケ月、軽けりゃ二週間ですよ。で、之は初期よりも相当重症になった方が治りいゝですね。充分出切った方がね。同様に癩病も初期より少し出かゝった方がいゝですよ。けど、崩れてしまったんでは何だから、まあ崩れぬ程度ですね。癩病だって治りいゝですよ、梅毒のひどいもの位に思ったらいゝですね。何れ近い中に、私は癩病を治す事を実行する積りですがね。
“痳病の場合、医師はよく洗滌する様ですが、その為に睾丸炎を起し勝ちの様に思ひますが――
“そりゃあ、そうさ、押し込むんだから。――痳病なんか小便をうんと出すと治るんですよ。小便位いゝ洗滌はないんですからね。中から外へ出すんだから。所が医学は外から内へ押し込めてしまふんでね。……
“痳病に酒は如何でせうか?
“酒飲むと充血するからいけませんね。だから酒飲みは痳病、下戸は梅毒ですよ。酒を飲んだ為に再発する事はよくありますね。それからね、痳病の時には松の葉を煎じて飲むといゝですよ。松のヤニが尿道を塞いで、黴菌が外へ出ない様になり、痳菌の活動を妨げますからね。
“御道の信者もそれをやって差支へないでせうか?
“えゝ、やっていゝんですよ。――余り痳病の事を言ふのはいけませんね、皆安心しちゃふから。(笑声)けど、余り安心しちゃってると神様の罰が当りますよ。(笑声)
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“山形の或地方では、その場所に生育した稲藁の半分か三分の一のみを肥料として収穫を得てゐるそうですが、観音栽培を致します場合この程度の藁では少いでせうか。
“之は多い少いぢゃなくて、いゝ加減に――つまり、藁は熱を吸収して根をあたゝめる為だから、藁は出来るだけ短く切って早く腐る様にする事ですね。
“藁の量はその程度で宜しいでせうか?
“えゝ、いゝですとも。それに藁は外にも使ひますからね。半分か三分の一で丁度いゝでせうね。
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“火山灰土の土地は酸性が強い為一般作物は生育不良ですが、この場合石灰を施しますと作物が非常によく出来ますが、之は如何でせうか。
“えゝ、いゝでせう。土が普通でなく火山灰なんだから。それで消せるんなら構ひませんよ。
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“輸出品にまでなって居ります食用蛙は、神様が人間に食用として御与へになったのでせうか。
“勿論そうです。これはうんと作って食用にしていゝんですよ。獣さへ殺して食ふんだから大いに食ったらいゝ。然し、蛙と言っても蟇は違ひますよ。蟇を殺すと祟りますからね。あれは殺しちゃいけません。田圃の中にゐる蛙なんかはいくら殺したっていゝですがね。
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“新潟県中頸城郡寺野村は村全体が非常な勢いで沈下して居ります。この村は周囲が山に囲まれた盆地なので、このまゝ崩れてゆけば遠からず大きな沼になってしまひます。之も龍神の仕業でせうか。
“これはね、信仰雑話の地震の原因の所に書いた様に、土地の沈下は日本海で、その沿岸は沈下が終ってないから未だ沈下するんです。所が山の方は岩石が骨になってゐるんで沈下しないけど岩石のない所はどうしても沈下するんです。――この村は今に沼になってしまふでせうね。之はどうしても止める訳には行きませんよ。ま、引越すのが一番いゝですね。この道に入ってゝ御守護を頂ければ楽にいゝ所へ引越せますよ。
“その土地には龍神の伝説がいろいろございます。
“龍神が欲しいんですよ。だから、早く越す事ですね。
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“登山して濃霧に遭った時梅干を喰べてその息を吐くと、息の当った場所だけは霧がはれて進路を見出す事が出来ると言はれ、事実そうなのですが、之は何故でせうか。
“さあ、之は知りませんね、大した根拠はないと思ひますね。それより天津祝詞を上げれば霧ははれますよ。
“足許も見えない場合にも、こう致しますと見える様になります。
“ほー、そんなにひどい霧ですか。私も山は大分登ったけど、そんなにひどいのは知りませんね。然し、御守護があれば自然に浮きますよ。そういふ事は私よく経験するんです。自然にうまく行ってしまふんですよ。――この間も花を活けようと思って、いゝ花を探しに外へ出たんです。すると、一軒の空家へ自然に入ってしまったんです。所が、その裏手に行くと白い花が咲いてるんで、「はゝあ、これだな」って訳でその花を取って来た事がありますがね。又、この花(御床の間の花を御指しになられて)もさっき活けたんですが、枝一本切らずに丁度よくすっぽりはまってしまったんですよ。実に不思議ですね。私は花を活ける時、殊にいろんな神秘的な事がありますよ。
(光話十五号 昭和二十四年十二月二十日)