御 光 話 録 第十三号

七月三日

“伝道のため新しい土地に参りました場合、その土地の氏神様に御挨拶すべきでせうか。若しすべき場合は単に儀礼的にすれば宜しいでせうか。或は御守護を御願ひすべきでせうか。

“これはした方がいゝですよ。した方がいゝんですが、然し、非常に離れてゐるとか、天気が悪いとかいふ時には、御参りしなくったっていゝですよ。それ程大した事ぢゃありませんからね。まあ、しないよりはいゝといふ程度ですよ。そして御守護を願ったらいゝんです。

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“性格の遺伝といふ事はあり得ることでせうか。性格の遺伝は霊統と密接不離のものでせうか。民族によっても性格に差異がある様に感じられますが、之はやはり単に霊統といふのみでなく、環境(例へば気候、食物)等もそういふ性格を作るものでせうか。

“ありますね、非常に。よく、祖父が孫に似るって言ひますが、之は実際そうですね。で、之は霊統とは非常に密接な関係がありますよ。日本人にも戦争の好きなのと嫌ひなのとありますが、日本民族には支那や朝鮮系が沢山ゐるんです。で、戦争なんかゞ好きなのはこういった支那、朝鮮系の人なんです。私なんかは大和民族ですから戦争は大嫌ひですね。大砲だとか何だとかいふ武器は見るのさへ嫌ですね。見るだけでも気持が悪いんですよ。又、環境って事もありますよ、大いに。殊に食物なんかはね。あの印度人は菜食で、その上牛乳をよく飲むんで、非常におとなしくなってるんです。印度人のは食物が一番の原因ですよ。これは以前本に書いた様に、菜食すると優柔になり、肉食すると気が荒くなるんです。之が一番よく判るのは魚屋と八百屋ですよ。八百屋の方はおとなしいが、魚屋の方は威勢がいゝですからね。(笑声)

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“禽獣虫魚にも霊位の上下はありませうか。又、それらから人間に再生したものゝ見分けは普通の人にも判るものでせうか。人間が禽獣虫魚に再生する場合、その禽獣虫魚の種類は大体限られてゐるものでせうか。

“霊位の上下はありますよ、非常に。例へば、犬でもいゝ家に飼はれてうまいものを喰べさせられるのと、野良犬になって打たれたり、けとばされたりするのとでは違ひますからね。矢張りいゝ家の犬の方が霊が高いんですよ。猫だってそうです。更に生き物だけぢゃなくて、その辺の木だってそうですよ。ちゃんと庭へ植ゑて貰へるのと、人に見られる事のない山の中や薮の中へ植はってるのもありますからね、これは大変な違ひですよ。

“禽獣虫魚の四つに分けた場合、その中での上下はありませうか?

“それは鳥が一番上ですね。その次が獣、虫、それから魚です、禽獣虫魚の順ですよ。鳥なんか人間より上かも知れない、頭の上を飛ぶんですからね。(笑声)それから再生したのが判る事もあるし判らぬ事もあります。龍神なんかゝら再生した場合はよく判りますね。額が角張ってて眼がくぼんでますし、それに水が好きでよく飲みますね。水が好きな人は大体龍神に定ってますよ。獣にもいろいろありますが、霊界で浄化されると再生しても判らなくなりますね。虫なんかもありますよ、あいつは虫けら見たいな奴だなんていゝますね。(笑声)魚もあります。水泳の古橋なんかは魚の生れ変りですよ。(笑声)

“その逆に、人間が動物になった場合は如何でせうか?

“判りますよ、人間の言葉を聞き分けるなんてのは前世が人間なんです。先に本に書きましたが座敷の、しかも上等の絹蒲団の上でなければ坐らない犬なんかもそうです。それから、猫なんかも化けたりして気味の悪いのは人間の再生ですよ。

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“三十五才の女、神経衰弱と言はれ四年前に教修を頂き、初めは左程でもなかったのですが昨年頃より段々悪くなり、殆ど喋らず頭を軽く上下に振り口を動かし何時も口に手を当てゝうつむいて居ります。良い時は御光をかけ普通の仕事を致しますが、悪くなると御光を外し右の様になり、御浄霊を非常に嫌って逃げ廻ります。一度以前に稲荷を信仰した事があるそうですが、之も矢張り狐霊の為でせうか。

“これは稲荷ですね。狐が憑いてるんですよ。逃げ廻ったりする時は御浄霊もよした方がいゝですよ。で、祝詞を上げてやるんですね、天津祝詞を。それから善言讃詞や御讃歌も始終聞かせてやるんですよ。そうすると段々よくなりますよ、狐が萎縮しますからね。御浄霊するよりも却ってそういふものを聞かせた方がいゝ位ですよ。  眠れますか、この人は?

“はい、眠ります。

“ぢゃ、軽いんですよ。  ――四年も前に教修を受けたんですか?これは早過ぎたんだな。教修で治すってのは嘘ですよ。病気が治って有難いと思って教修を受けるのが本当なんです。教修が早過ぎると本当に治り切らない事があるんですよ。生命に関係ある病気の場合は殊にそうです。第一、治ってから御守りを頂くのが順序ですよ。成程治ると判り、有難いと思って受ける方が腹から受けられますからね、それが本当ですよ。そして、心から有難いと思ふと、自然に手を合はせる気持になるもんですよ。そこで、光明如来様を御祀りして拝みたいといふ気持になるんです。だからそういふ風にやってゆかなけりゃいけませんよ。信仰ってのは、押しつけられたり、一時的だったりしたんでは駄目ですよ。やっぱり、本当に有難いといふ気持になり、心から已むに已まれぬ気持でなくちゃいけないんです。勿論、時と場合によってはそうはゆかない事もあるから、そういふ時は臨機応変にやったらいゝんです。それから又、先方が御守りを頂いてこの道を研究したいといって入信を希望する時には、御守りを受けさせていゝですよ。そういふ時には大いにいろいろと知らせたらいゝ。或は、悩みのある人には、光明如来様を御祀りして御願ひする様に話して上げるのは結構ですね。

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“仏の命日が旧暦になって居ります場合、新暦に変へますにはどの様に致したら宜しいでせうか。

“太陽暦に変へるのは、御霊(ミタマ)さんに断ればいゝんですよ。「旧暦では不便ですから今度太陽暦に変へます。何卒御許し下さい」って言へばいゝんです。

“その場合、同じ月日に致すべきでせうか?

“同じ月日にはなりませんよ、太陽暦の方が一ケ月位遅れるでせうからね。然し、之は仕方がありませんね、やはり時勢に従って行くべきですからね。

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“優曇華の花が咲くと凶事があると申しますが、之は事実でせうか。

“実際ありますね、これは。日本の優曇華――この優曇華ってのは本当は印度の大きな花の事なんですがね――日本では虫の卵の事を言ふんです。電燈の笠なんかに白い花の様につくあれですね。全く、之が咲くと悪い事がありますよ。これは霊界の曇りが一ケ所に集って物質化するんですね。だからそれで曇りがとれるんですよ。

“いゝ事の兆だとも申しますが――

“いや、悪い事ですね。よく昔は敵討ちの時咲くといゝって言ひますが、然し、敵討ちってのは人殺しですからね。殺されるのにいゝのかも知れませんね。(笑声)信仰に入るととれますよ。私も以前あれが咲いた事がありましたがね。

“実は、最近私の所で咲きましたので――

“あんたの所で?――ま、大丈夫ですよ。

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“恐水病の発生理由について――人畜が咬まれた場合、恐水病になりますのは霊的体的何れの原因によるのでせうか。

“はゝあ、成程ね。これはありそうな質問ですね。あれは両方の意味になりますね。あれは非常な毒素で、その毒素っていふのが、犬の特殊な病気の物質化なんですね。だから毒素に犬の性格が表れるんです。こんな事なんか全く神秘ですがね。――狂犬に噛まれると非常に水を飲みたがったり、犬の真似なんかするんです。然し、浄霊すると訳なく治りますよ、私もやりましたがね。たゞ、毒素が強いんでとても痛いんですが、二、三回で治りますよ。之は噛まれた所をやればいゝんです。蝮に噛まれたんでもそこを浄霊すれば訳なく治りますよ。

“蝮のなんか見てる間に治ってしまいます。

“えゝ、見てる間でしょ。それから、蜂に刺されたのなんかも一遍ですよ。

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“念被観音力の被と彼、福寿海無量の寿と聚とはどちらが宜しいでせうか。

“仏教の御経には彼と書いてありますが、之を私が被と直したんです。念ずれば観音力を被(コウム)る、頂くといふ意味ですね。之は恐らく飜訳する時に間違ったんだらうと思ひますがね。

“普通には「彼の観音の力を念ず」と申しますが――

“えゝ、そういふ風に言ふんですが、それぢゃ意味がないですね。彼の観音と言ったってどの観音だか判りませんしね。それから、福寿海の方も寿が本当ですね。

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“将来各国語は一様になってしまふでせうか。

“まあ、一様になる事になるんですがね――今よりはずっと一様になりますよ、そしてずっと先には皆一様になってしまいますよ、世界が一つの国になるんですからね。然し、言葉を変へるって事は難しい事ですからね、そう直ぐにはゆきませんよ。

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“蟇の妖術、蟇仙人、蟇目(ヒキメ)の祈祷等古来蟇についていろいろ言はれて居りますが、蟇はどんな霊性能を持ってゐるでせうか。

“これはね、人間が蟇になったのが沢山居るんですが、そういふのが神通力を持ってゐるんですよ。だから、こんなのを殺したりすると祟りますよ、大切にしてやる事ですね。それにあんなものは別に人間に危害を加へませんからね。よく蛙となめくじと蛇で「三すくみ」って言ひますがあれで「五六七」になるんです。――蟇目の祈祷っていふのは、家を建てる時に天地を結ぶ――霊線でそれを結んで頂きたいって願ふ訳なんですが、こんな事は特にする必要はありませんよ。

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“北極星、北斗七星、火星、土星等の神秘について御開示下さい。又これらの星は人類の運命にどの様な影響がありませうか。

“北極星や北斗七星は神秘ですよ。これは非常に霊気が強いんですね。磁石が北を向くってのもこの霊気の為で、又「キタ」っていふのは言霊から言っても「気が足りる」って事ですからね。そして木火土金水を五星って言ひますが、五星には五つの性質があるんです。だから、火星や土星は火と土の性質ですね。之は実際ですね。  この星っていふものは、人類の運命に大変な影響があるんです。人間には一人に一つづつ必ず天に星があるんです。だから、五星があるって事は五人の偉い人が必ずあるんです。それで、昔から偉い人が死ぬと「巨星墜(オ)つ」っていふんですよ。

“五星は絶えずありますが、五人の偉い人も絶えず居るのでせうか?

“絶えずゐます。何時の時代にも五人ゐるんです。星が人間に現れるんです。星即人間ですね。

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七月十三日

(本日、日本放送協会より録音班が出張して来て、御面会の御模様を録音した)

“イエスやガンヂーの様に不慮の死を遂げた場合でも、偉大な人は天国に行けるものでせうか。又、下山氏の如く屍体がバラバラになった場合、その霊体は霊界でどの様になりませうか。

“イエスとガンジーは違ひますよ。イエスは宗教家だから勿論すぐ天国に復活するけど、ガンヂーは政治家だから。でもガンヂーは普通のと違ってバラモンの行者ですからね、だから何度も断食なんかやったんです。だからすぐ天国には行けずに一旦地獄へ堕ちたでせう。勿論天国に行くのも早いですよ、あゝいふ人はいゝ事をしてますからね。

“あゝいふ死に方をしなければ天国へ行けたでせうか?

“そうも決ってませんがね。然し、あゝいふ死に方は地獄で苦しみますね。――それから下山氏の様にバラバラになったのでも、直につながるんですよ。然しつながっても、そのつながった所が当分の間痛んで苦しいんですよ。それで残った人達が誠意をこめて供養すると、その痛みが早くとれて来るんです。例へば爆弾なんかで体がバラバラに飛び散ると、霊も粉々になってしまふんですが、けれども直に又元通りになってしまふんです。之は割に早くなりますね。大抵一週間位で治りますよ。

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“無肥料栽培の時、大豆粕や紫雲英を堆肥の補充として使ふ事は如何でせうか。

“之は必要ありませんね。然し、まあそんなに悪くはありませんがね、同じ植物ですからね。然し手間がかゝるでしょ、余計な。大豆粕も時と場合によって使ったらいゝでせう。

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“土の力を生かすのが観音栽培と伺って居りますが、植物に御浄霊するのは現在土に肥毒のある間だけでせうか。将来肥毒がなくなった時には御浄霊は必要ないでせうか。

“これは無論肥毒のある間は必要ですが、然し将来もやった方がいゝですよ、霊の曇りってものは何にでも憑くもんですからね。例へば田圃を売った場合、後になって売手がその田圃に執着して「あゝ惜しかった。あの田は売るんぢゃなかった、残念だった」といふ風にくやしがると、その想念が田に来ますからね。田圃を抵当にしてた為に取り上げられた――といふ様な場合は余計ですよ。

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“将来、国が綺麗になれば豊作になると考へて宜しいでせうか?

“無論そうですね。何時も言ふ様に、今全国的に騒いでる松や杉の虫も日本人の想念が曇ってるからで、その曇りが虫を作ってるんです。之と同じ事ですよ。

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“日本文化は世界の文化の中に於て独自のものが多い様に存じますが、将来世界文化に貢献する面はどの様なものでせうか。

“独自の文化って言ひますがね、何処でもそうですよ。夫々何処の国にでも独自のものがあるんです。又、それでいゝんですよ。だから私は世界は絵だって言ふんですよ。絵だからいろんな色があるんです。所が、その中で赤が青を悪く言ったり、青が黄色を悪く言ったりしてるんですよ。そこで、日本の「色」は美術ですよ。之が日本独自ですね。日本の美術といふものは外国にいくら誇ってもいゝものですよ。で、私はこの美術を世界に知らせる為に、建築、工芸、絵画等をやるべく今準備してるんです。今やってる庭園だって美ですからね。所が今迄はそれを知らなかったんですが、之は駄目ですよ。ま、判り易く言へば、今迄の日本はヤクザだったんです。で、自分の縄張りを拡げようとした所が弾圧されてしまったんです。然し本当はそうぢゃない、日本はヤクザなんかしないで芸術をすべきなんです。

“それは東洋と西洋を含んだものでせうか?

“勿論、世界的なもんです。――全く、今迄は地獄的な芸術が多かったんですよ。ま、それも今迄の地獄的世界には必要だったんですがね。然し、これからは天国的芸術に変るんです。

“世界的なものが入りますと、日本独自の面が薄くなる様に存じますが――

“それが日本独自のものなんですよ。薄くなったのが独自なんです、判るでしょ。だから日本人位あらゆる芸術を理解出来る人種はゐないですね。音楽だって日本人位西洋音楽を理解出来るものはないんです。絵だって、彫刻だってそうで、油絵でも日本の画家の中には西洋の一流画家に比べて遜色のない人もありますよ。こういふ点からも日本人にこの方面の使命のある事が判るんですよ。

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“「霊の曇りが肉体に反映して病気が発生する」と伺って居りますが、現代医学に於て赤痢、コレラ、チブス、梅毒、結核等々と分類されてゐる如く、霊の曇りもこの様に分類せられてゐるのでせうか。

“これは勿論そうであって、霊の曇りにも種類があって、夫々の黴菌が働くんです。で、何時も言ってゐる通り、黴菌は血液中の毒素を喰って殖えるんですからね。だから、その毒によって黴菌も違って来るんです。それ相応に違って来るんです。だから国によって伝染病も違ひますよ。英国には伝染病のないものもありますからね。チブス菌を実験しようと思っても菌がないんで、他所から持って来るそうですよ。これなんかはチブス菌の必要がなくなったって事なんですよ。すべて地球上にあるものは何か必要があって存在してるんです。だから、大昔には今ゐない様な猛獣毒蛇が居たに違ひないんです。それが時が経つに従ってなくなってしまったんです。蒙古あたりには恐龍なんかゞ居たんでせうね。先だってもヒマラヤで恐龍の生きてるのを見たと言はれてますね。こんなのも昔は必要だったが、今はその必要がなくなった為に居なくなったんですね。で、大きい生物もそうですから、同様に小さい黴菌の様なものもそうなんです。だから、人間の血が綺麗になれば黴菌もなくなりますよ。所が必要性が発見されないと、人間は「不必要だ」と言ふもんでね。――

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“永井博士の様な原子病は御浄霊により治りませうか。

“治りますよ。新聞なんかで見る度に、私は永井博士を惜しいと思ふんですがねえ。然し博士に話しをしたって受け入れない事が判ってるのですゝめないんです。広島で原子爆弾にやられた青年で、治って元気なのが居ますよ。――あの原子病なんて治りいゝんですよ、一時的な衝撃ですからね。だから永井博士なんか最初からこっちでやれば、もうとっくに治ってる筈ですよ。

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“神代文字に就て御伺ひ申し上げます。

“私は、これは日本独自のものではなく、ヨーロッパのものだと思ってます。丁度ローマ字ですからね、横に書くんだし。日本の歴史以前にもヨーロッパ人や印度人なんかゞ日本に来てるんですよ。神代文字っていふのはそれだと思ひますね。日本人で「((*1))サカイ・ショーグン」(?)って人は神代文字が読めたんで、訳して本なんか書いてますね。茨城県の磯原に天津教っていふのがあって、そこには神武以前七十二代までの事が神代文字で書かれてるとの事ですね。

  注:((*1))  酒井勝軍

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“信仰雑話に「生前の想念と行が人間以下に堕落し畜生同様になると、畜生道へ堕ちる」と拝見致しますが、蛙や魚、虫類に再生するのは如何なる想念、行為の為でせうか。

“成程ね。――つまり之は想念が相応の理によるんです。蛙なんかにも一つの「蛙の性格」がありますからね。蛙って言っても之は蟇(ヒキ)の方ですよ。普通の蛙ぢゃないんです。それからなめくじは一寸ないですね。外の虫ならありますが。たまには魚なんかになるんです。之は水に対する罪、例へば漁師が魚を獲って得た金で悪い事をした様な場合ですね。

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“過日「神様はよく虫を御使ひになる」と承りましたが、どの様な虫を御使ひになられるのでせうか。

“虫を御使ひになる場合、よく蝶を御使ひになりますよ。私も経験がありますがね。それから又、むかでなんかにも憑依しますね。以前大森にゐた頃非常に大きな蝶が来てガラスにとまったんです。そしてそばへ近寄っても飛ばないんですね。丁度その朝家内が産気づいたんで、はゝあ、之は女の子が生れるな――と感じたんです。といふのは蝶は女で蜻蛉(トンボ)は男ですからね。まあ、こんな事は創生記みたいになりますがね、神様がこういふ虫を御使ひになる事もあるんですよ。

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(御原稿の御発表後日本放送協会のアナウンサーが大先生様に種々御質問申し上げたが、その際の『一問一答』は大要次の通りである)

“失礼ですが、観音教団に就ていろいろ御伺ひ致し度いのですが――

“えゝ何でもいゝですよ。

“何でも宜しいでせうか?

“えゝ、えゝ、何でも。

“この正面の御姿を拝見致しますと観音様の様に思へますが、仏教の観音様とは――

“同じですよ、仏教のとね。違ふっていふ人も居ますがね、同じなんですよ。

“すると、さっきの「善言讃詞」といふのは?

“あれは仏教の観音経を土台にして、和歌の様に作ったもんですよ。

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“信仰雑話といふのを拝見致しましたが、こちらの方の教義、教典といったものは――

“あれだけが教義教典ですよ。まあ、詳しく話すと難しくなるから、判り易く言へば病、貧、争絶無の世界建設を目標にしてるんです。

“それが「地上天国」でせうか?

“そういふ訳です。

“先生がそういう風になられた動機は?

“一寸簡単には言へませんね。

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“何時頃から始められたのでせうか?

“昭和九年の十月からです。それが、あの頃新宗教弾圧時代がありましたね、大本教なんかゞやられた、――あれの巻添へをくって弾圧されたんですよ、病気治しをやってたんで。

“はあ、病気治しを?

“で、その時は宗教と治療と両方をやってたんですが、それを別々にしてどっちかをやれって言はれたんで、そこで宗教は面倒なので病気治しだけやってたんです。

“では、終戦後は宗教と病気治しと両方やって居られるんですか?

“いや、宗教一方だけになったんです。違ふんです。

“あゝそうですか。――で、信者の数は?

“十七、八万位でせう。

“それは全国的でせうか?

“えゝ、全国的です。

“九州なんかも?

“えゝ、勿論です。

“で、地方のそれが分会や支部になってるんでせうか?

“えゝ、そうです。

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“この様な会は月何回位あるのですか?

“月に六回休みます。

“大体、分会の方が代る代る集って見えるんでせうか?

“えゝ、教師、教導師といふ人が大部分です。

“そういふ方はどれ位でせうか?

“約三千人でせう。

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“一寸御見うけ致しましたが、信者の方がつけられるバッチに種類がある様ですが。

“あれは作っちゃったんでね、今更捨てるのは勿体ないから作ったゞけは使ってるんです。

“中の十文字は何の意味でせうか、――キリスト教と何か関係が――

“関係っていふより、これは私の方の解釈ですがね、十字は経緯を結ぶっていふ意味なんです。経は東洋、東洋文化ですね。緯は西洋であり、西洋の物質文明なんです。又、経は祖先との繋りであり、緯はキリスト教の博愛的な精神です。だから、今度敗戦によって日本が民主国家になったといふ事は、経に緯の棒が入ったってことなんです。今迄忠君愛国といった風な経だけの所へ緯が入った訳ですよ。

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“よく判りました。――信者の中の有名人は?

“ありますがね、然し有名人は名前を発表される事を嫌がるんですよ。丁度インテリによっては――ま、今迄迷信だとしてた為でせうが、今更具合が悪くて隠す様なもんでね。又、私の方でも有名人を利用したくないんです。宗教自体に本当の力があれば自然と発展する――と信じてますからね。

“なかなか御謙遜な(笑声)――隠すっていふのはやはり信心が足りないからでせうか?

“まあ、そうですね。

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“霊の事以外なら我々にも理解出来るんですが――

“全く霊ってのは目に見えないんでね、始末が悪いんですよ。(笑声)

“「科学と宗教は一致するか」といふ放送討論会では、結局科学と宗教は次元、世界が違ふといふ風に言はれてましたが、先生の御話では宗教が科学の縄張りまで入って来てる様に思へますが――

“いや、宗教と科学は一致するんですよ。所が、今の科学は霊を見る所まで未だ来てないんですよ。やっと原子が発見された所ですからね。原子からもう一歩進むと霊子を発見する様になりますよ。今は未だそこまで進んでないんですよ。

“例の「条件反射」では頭の働きを涎か何かで説明しますが……

“そんなに難しく言はなくてもね、もう少し進むと顔をこうやったゞけで、(そばへ御近づけになられる)相手の気持が判る様になっちゃふんですよ。(爆笑)

“今でも相思相愛の間なら出来るでせう。(笑声)

“そうですよ。だから「目も口程に物を言ふ」って言ふんです。(笑声)

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“具体的になりますが、先程の御原稿の中で「種痘によって抑へられてゐた天然痘の毒が疥癬になって出る」とありましたが、先生も種痘はなすってるのでせう?

“えゝ、やりましたよ。

“それは未だ御存知でなかったからですか?

“えゝ、そうです。

“私も種痘をやりましたが、疥癬はまだ――

“あんた顔色が悪い。(爆笑)疥癬やると顔色がよくなりますよ。

“どうも御話が飛躍してしまって……すると、疥癬によって段々に毒を出すんでせうか?

“まるで月賦みたいですね。(笑声)疥癬はやった方がいゝですよ。

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“無肥料栽培といふ事も事実に基づくのと理論的のと二つ方法がある様に思はれますが――

“私は実験したんです。もう実験済みですよ。――科学が先に立って導く事もあるが、事実が先に起って科学があとから理窟をつける事もあるでしょ?

“そういふ事もあるかも知れません。

“その中にね、無肥料栽培についての本が出ますよ。一つあんたやってみなさい。よく出来ればいゝんでしょ?

“作物に浄霊といふ事をするんでしょ?

“やらなくてもいゝんです。

“あ、いゝんですか?

“えゝ、いゝんです。今度の本に無肥料でやったのと、それに浄霊をやったのと二つの場合が書いてありますから、読んでごらんなさい。

“それでするとどれ位出来ますか?

“ま、詳しい事は本を見て貰ふんだな。そして未だ疑念があればやってみる事です。

“さっきの御質問にも、大豆粕は毒にならないが、化学肥料は毒になる――との事でしたが――

“事実です。

“はゝあ、事実(カンタンギモンフ)(爆笑)

“えゝ。化学肥料を使ふと出来も悪く、虫もつくんです。外を見てごらんなさい、雑草には虫がつかないでしょう。あれは化学肥料がないからです。ですから実験してみるより外にない。例へば、今あんたがどっか痛いって言っても、私が一寸こうして浄霊すれば治ってしまふんです。だから理窟よりも、勿論理窟もありますが――あんたね、一番いゝのはね、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」って言ふでしょ。だから研究してごらんなさい。(笑声)

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“今私は無神論者ですが、之にも限界のある事は判ります。

“えゝ、無神論には限界がありますよ。……だから私はよく無神論者に言ふんですよ、恋愛ってのを科学的に説明してみろって、……バーナード・ショウは「恋愛は種族保存の為だ」といってますがね。

“私もそれに共鳴します。

“私も共鳴ですよ。(爆笑)然し、恋愛が種族保存の為としても、何故恋愛が起るのか、又性欲のない恋愛があるのは何故かといふ疑問は残る。――

“科学も未だですから――

“えゝ、そうですよ。科学はまだまだです。――私の方のは二十一世紀の科学だから現代人には説明出来ない。今迄だって時代より進みすぎてる時には、その時代に容れられなかった事も歴史上にあるぢゃないですか。

“えゝ、コペルニクスの様な事もありましたが――御話を元へ戻して、医学に関する事は御自身でそう思ってらっしゃるんですか?

“思ってるんぢゃない、事実です。

“事実と思はれるのは?

“ですからね、独善や観念ではなく、事実ありのまゝですよ。

“初めはどういふ事から御始めになったのでせうか?

“私はさんざん病気をして薬も浴びる程服んだんです。が、その結果――これは言ひたくないんだが――三月程神懸り的になった。それまでの私は無神論のコチコチで、神社の前を通っても御詣りした事なんかなかったもんでした。然し、たうとうこの無神論も神様からやっつけられてしまったんです。

“医学に見離された事もおありだったのでせうか?

“それもありますが、もっと大きく、唯物主義といふものは半分で、人間は霊によって動くんだから唯心的な面が必要だといふ事を悟ったんです。

“二つあってもいゝんぢゃないですか?

“いや、だんだん進むとこの二つが一つになる。片方は見える世界、一方は見えない世界ですね。今迄の宗教家は物質の面を否定してたんですが、本当は二つが一つになるべきなんです。

“それで、先生の方法で効果があるから皆さんに御奨めになるんでせうか?

“いや、私はすゝめやしませんよ、信者がすゝめてるんです。(爆笑)私はさっきみたいに多少の話をするだけです。

“余計な事かも知れませんが、信者の方に御気の毒ですね。

“信者は  あんた方の方がよっぽど気の毒だと思ってますよ。(爆笑)

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“信者の方は年齢的には?

“若い人が多いですね。

“性別は?

“女の人がいくらか多いでせう。

“階級的には?

“そう、――これはもうあらゆる階級を網羅してますね。又、そうでなけりゃ救ひではないですからね。仏教哲学みたいに難しいんでは一部の学者っきり判らない。

“教育程度は?

“博士も居れば、大学教授も居ますよ。

“小学校だけのも居るでせうね?

“えゝ、それもゐる。役員には大学出が沢山居ますよ。

“役員は先生が御決めになるんですか、或は選挙か何か――

“いや、自然に決まっちゃふんですよ。(爆笑)私が決めるんでも、選挙でもないんです。

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“先程、永井博士の原子病も治るとかいふ御話でしたが――

“えゝ、そうです。

“博士は唯物主義者との事でしたが、  あの人はクリスチャンですけど――

“えゝ、クリスチャンですね。だからキリスト教でならやって貰ふでせうが、外のでは受け入れないでせう。キリスト教の中にも派が分れてゐて、祈りによって病気を治すのもありますね。クリスチャン・サイエンスなんかはそうですね。だから、永井博士には別に……

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“他の宗教に対して、例へば踊る宗教とかPL教団等に対してはどう御思ひでせうか。

“あゝいふのも皆必要があって生れるんです。が、必要があると言っても、人にも大きい仕事をする人、中位の仕事をする人、小さい仕事をする人等いろいろある様に、宗教にもそれがあるんです。

“別に悪いとは御思ひにならないんでせうか?

“悪いなんて事は言へませんよ。若し悪ければ自然に消滅するんですから。だから共産主義だって必要なんです。若しあれがなかったら、労働者は資本家に搾取されてしまいますから、労働者の権利を守る為に必要なんです。然し出過ぎてはいけない。共産主義が共産主義以外に出ては神様からとめられるんです。つまり、之は神様が霊界で操って居られるんだから――

“又、霊界に戻るんですか?(笑声)

“えゝ。

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“先生の御本によれば、人間が死んでから動物に生れるとありましたが――

“二種あるんです。動物にも本来の動物と人間が動物に生れ変ったのと二種あるんです。

“ぢゃ、仏教の輪廻(リンネ)といふ風に――

“えゝ、そうですね。

“そういふ点も現代人には理解されないんですが――

“理解されない様に教育されて来たんですからね。今迄の教育は唯物教育であり、ユダヤ教育だったんです。ユダヤ人って言ふのは頭がいゝですからね。然し、唯物的な面も今迄は必要だったんですね、物質文化を発展させる為に。

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“実は先程御伺ひを出したんですが、下山氏の死が自殺か他殺かについて――

“あれは私の範囲ではないから。――国家的に大きい事なら神様から知らされますがね、あんなのは小さい事だから神様には聞きませんよ。又、小さい事は知らうともしません。

“予言めいた事を感じられたでせうか?  今迄も、東京が焼けるから熱海に移られたといふ事があったそうですが……

“えゝ、感じた事がありますよ。天皇が今の様になる事なんか二十年も前から知ってました。然し、あの頃そんな事を口にしようもんなら、それこそ大変だったから黙ってたんです。

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“御本によれば観音様が先生の御体に在るとか……

“いや、観音様ぢゃなくて、光の玉が私の腹にあって、観音様から霊線によって光が来るんです。

“では、受信機の様な(笑声)――

“えゝ、受信機です。ラヂオの機械です。

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“これは本当に失礼と思ひますが、教団の資金はどういふ風に?

“会費とか御賽銭とか……

“会費は月幾らでせうか?

“月、三十円です。

“あとは?

“寄附です。こういふもの(早雲寮の事)を作るんでも、造営基金を募るんです。所が、死ぬ所を助かってピンピンしてしまふと、有難くて仕方がないんでその人の所に金が入るとこっちへ持って来るんです。

“物も持って来ますか?

“物もあります。

“強制といふ事は?

“いや、強制的に持って来させるなんて事はしませんよ、税金ぢゃないんだから。(爆笑)

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“五六七会といふのとはどういふ関係でせうか?

“観音教団と二つになってゐるんです。ま、陰陽ですね。

“五六七教会では大黒様を祀って居りましたが――

“いや、五六七教会だけぢゃなく、誰でも大黒様を持ってますよ。

“どういふ訳でせうか。

“あれはね、私は昔毎月赤字が続いた事があったんです。その時或人から大黒様を貰ったので、観音様の前に置いた所、その月から赤字がなくなってしまったんです。で、私は之は不思議だって訳で、それから段々集める様になって、一頃は五十位集りましたよ。(笑声)――とに角、大黒様を祀ると金が入って来るんですよ。

“最初のはどんな大黒様だったのですか?

“あたりまへの大黒様です。裏に文久何年とか彫ってありました。

“――といふ訳で祀るんですか?

“えゝ、そうです。

“それも、やっぱり事実でせうか?(笑声)

“えゝ、事実です。(笑声)

“信者の方が持って来るのは?

“開眼して貰ふ為です。

“信者もそれにあやかるって訳でせうか?

“そうですね。

“ぢゃあ、私も一つ大黒様を……(爆笑)

(以上の録音の一部は七月十七日(日)夜の「時の動き」の時間に放送された)

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七月二十三日

“経済的に不遇な方が、更に病気等の御浄化を頂いて居ります場合、その人が一日も早く健康にさせて頂けます様に――との気持から、その人には話さずに(従って御玉串も御上げする事なしに)教導師が神様に御守護を御願ひ致す事は宜しいでせうか。

“これはね、なかなか厄介なんですよ。出来るだけ御礼をやすくしてやるとか、場合によっては貧乏人にはたゞでしてやるといった風に社会事業的にするのは一応尤もな事ですがね、然し、之は大変な間違ひなんですよ。今迄の大した御利益のない宗教ならいゝが、このすばらしい神様には感謝するのが当り前ですよ。以前、私がやってゐた時分、或細君でとても熱心でしたが、或人がやって貰った御礼を置いてったら多すぎるからって返した人がありましたがね、之は大変な間違ひですよ。いくら一生懸命でも根本が違ってますからね。その細君は震災の時水に溺れて死んでしまいましたがね。――ですから一寸こゝの考へ方が難しいんですよ。不思議な事にはね、私がしてゐた時御礼を高くする程人が大勢やって来たもんですよ。――全く、これで救はれた感謝は金には替へられませんからね。先にもね、どれ位御礼したらいゝかっていふ人があるんで、有難いと思ふ気持だけでいゝ、本当に御礼するとしたら大変だから、(笑声)その時分で、まあ、十万円位はしなけりゃならない、(笑声)だからあんたの出来るだけでいゝって言ったんです。――実際、価値には替へられませんからね。今迄のは、まあ一銭上げて家内安穏、商売繁昌、無病息災、なんて願ったもんでしたがね。(笑声)だから、そういった意味でたゞでやってやるのはいけません。その人が罪をきてしまふんです。神様から御利益を頂いてるのに御礼をしないってのは罪ですからね。だから治ってから御礼するのは嘘で、治る前に御礼――御願ひをするのが本当ですよ。何故なら、治ってから御礼をするんでは神様を雇ってる事になる。丁度人を雇って、これだけ働いたからこれだけ御礼するっていふのと同じですからね。これぢゃ人間の方が上になって神様は下になってしまふんです。だから、そのやって貰ふ前に誠を捧げて神様に御願ひすべきなんです。まあ、こんな事は今の人には一寸納得出来ないかも知れませんがね。今迄のは御礼を上げても死んでしまった事が多いんですが、然し之は神様が悪いんぢゃなくて、取次をする人が悪いんです。悪意でやったんぢゃなくても結果的に悪くなってしまふんですがね。まあ、根本はこうなんですから、この根本を知ってあとは臨機応変にやったらいゝんです。(御光話録第五号参照)

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“大光明如来様を頂きましたが、場所がありませんのでそのまゝしまってございます。それでも御守護を頂けませうか。

“しまっておいたんぢゃ、御守護はごく僅かしか頂けませんね。が、場所もないのに頂くなんて本当ぢゃありませんね。

“戦災で焼けましたため、只今はバラックでございますので……

“その前は?

“頂いて居りませんでした。

“だから、本当ぢゃない。ちゃんと御祀りすべき場所を作ってから御迎へするのが本当なんです。お客さんを迎へるのだってそうでしょ、席を作ってから迎へるべきで、迎へたけど場所がないから物置の隅にでもしゃがんでてくれっていふんぢゃいけない。(爆笑)

“その主人は御神体を御祀りすれば、いゝ家でも授かるかと存じまして……

“神様を利用するんですね、以ての外ですよ。そんな便利に利用出来たら大したもんですよ、素晴らしい事です。――之は根本的に違ってますよ。

“床の間がございませんので……

“だから、やめたらいゝんです。やめるといふ気持になれば却って床の間を授かるかも知れませんよ。(笑声)その人の心が変ってくるとね。――あんたも一緒に御詫びをしなけりゃいけない。そんな事をすると――そういふね、神様を利用するってのは根本から間違ひです。だから、之は一旦返しなさい、そしてよく御詫びをするんです。そうすれば床の間を授かるでせう。床の間を授かる迄御神体は本部に預けておきなさい。

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“先日の御言葉に「阿弥陀様はもう印度へ帰られた」と伺ひましたが阿弥陀様も元の御神格の月読尊におなりになって「五六七の御代」御建設の御手伝ひをされる事と存じますが如何でせうか。又、御釈迦様は如何でせうか。

“そうですよ、結局はそうなるんですが、今すぐではないんです。やはり一度印度へ帰り部下によくその意味を納得させる事も必要だし、又月読尊としての御働きの時期もあるから、まあ簡単には解釈出来ませんね。御釈迦様も同様です。

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“親子で逆睫毛(サカマツゲ)の人がありますが、之は御浄霊で治りませうか。

“これは前の世の罪で、神様に御無礼したんですね。目は神ですからね。だから毛が目を突くんですよ。その罪の為ですね。浄霊すると治りますよ。

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“或る会員の方ですが、その人が他の人を御浄霊致しますと受ける方が誰でも寒く感じます。之は何故でせうか。

“これはアベコベだな。あったかくなるのが本当ですが、之は霊的に水が出るんですね。

“誰を致しましてもそうでございます。

“受けた人が?

“はい。

“変ってるね、――然し、やってるうちに段々治りますよ。之は龍神ですね。

“然し、その人は御浄霊してよく効果を上げて居ります。

“はゝあ、やっぱり龍神ですね、水の霊気が行くんですよ。

“その場合でも毒を溶かすのでせうか?

“さあ、そうはいきませんね、火素ぢゃなくちゃあね。固める意味になるんです。

“御光を頂いてもでせうか?

“えゝ。

“御浄霊をして頂きますとブルブルッと寒気が致します。

“とに角変ってますね、まあ、もう少し様子を見てゝごらんなさい。

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“スポーツの選手等で非常に人気のある人がございますが、之は霊的にはどの様な原因によるのでせうか。

“矢張り、祖霊が守護するんですよ。自分の子孫を助けてゐる事があるんです。それから又、その人が前世でいゝ事をしてゐて、当然その名誉を受けるべきであったけれど、死んだりして受けられなかった場合、今度生れて来た時神様から御褒美、報酬を頂くんですよ。

“団体などで特に人気のある場合は如何でせうか?

“それはその団体の首脳者の徳によるんです。それからそういふ団体に入れるって事も、その人が霊的に高い訳ですね。

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“兎唇(ミツクチ)は何の為でせうか。

“普通は兎が生れ変るんですよ。それから、歯の為に兎唇になる事もあります。又前世で唇の所が切られたりした場合、霊界で充分治らぬ中に生れて来るとそうなる事がありますね。だから兎唇には治るのもありますが、治らなくても浄霊すると見よくなるもんですよ。(御光話録第四号参照)

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“姓名学上画数と言霊は何れを重んずべきでせうか。

“言霊の方が上ですね。画数も無論ありますよ、運命にいろんな関係が。然し、言霊は絶対です。画数では四画は一度没落するってよく言ひますが、近衛文麿の文は四画で、やはり没落しましたね。幾らかそんな事もあるんでせう。

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“あくびは邪神の働きでせうか。

“邪神の仕業ぢゃないんです。欠伸は悪霊で、体を動かさないと一ケ所に毒が集り易いんです。普通は体を使ふと毒が集るけど、楽をしてゝもやはり毒が集るんです、その時欠伸が出るんです。

“御浄霊致しますと欠伸の出ますのは何故でせうか?

“あれは毒が溶けて出て来るんで、大いに結構ですよ。ゲップも毒の霊が出るんです。だからそのあとで毒が出て来るんです。

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“風と水又は火を掌る神様は一緒でせうか。

“之は龍神がやるんですが、別の龍神がする時もあるし、一方が他方のを手伝ふ事もあるし、時によっていろいろやりますね。――龍神ってのは早いですからね、一秒の何分の一といふ間にはるか遠く迄行ってしまひますよ。低気圧なんかも龍神がやってるんですが、之は目に見えない渦を巻き乍ら、曇ってゐる場所へ行ってそこを浄めるんです。

“火事の時、風が起るのもそうでせうか?

“えゝ、風の龍神が手伝ふんですよ。

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“阿(アウン)の意味について御教示を御願ひ申し上げます。

“これはアとウンで、アは天、火で、ウンは地、水です。だから阿で陰陽といふ事になり、アは男、ウンは女で産む事になるんです。角力なんかも、力士のどっちかゞ男になり、他の一方が女になって、それで呼吸が合ふんです。「阿(アウン)の呼吸」なんてだからうまく言ってますね。

“自然の事象にもよく「阿(アウン)の呼吸」と申しますが――

“えゝ、やはり陰陽が合ふ事なんですよ、ま、陽陰ですね。

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“同じ様に御光を頂いてゝも、人によりその御力に格段の相違がある様に存じますが之はどういふ訳でせうか。

“全くね、浄霊する人によって大変な違ひがありますからね。――之は結局霊力の強さによるんですが、長く、そして数多くやってる人は強いんです。一、二年やってもどうにもならない病人を、私が二、三度やると治ってしまひますからね。それ位人によって違ふ――まあ、違ふのが当り前ですがね。――(笑声)で、この霊力が違って来るのにはいろいろ原因がありますが、第一は、日本人には三種の系統があるんです。本当の日本人である大和民族と朝鮮系と支那系のこの三つですね。そして所謂日本人の中で一番多いのは支那系で、之は百人の中六十人位、朝鮮系は三十人位、それから十人位が日本人です。だから本当の大和民族は極く少いんです。ま、多く見て十分の一でせうね。之は霊統ですよ、血統の方はいろいろまじりますが、霊統は混り乍らもちゃんと繋っているんです。それで、日本人の霊統の人が浄霊すると非常に力が強くてとてもよく治るんです。それから朝鮮、支那の順ですね。然し、この区別は一寸判りませんよ、顔を見たって判らないし、名前でも判りませんしね。次はその人の心ですよ。この信仰に入って「成程、之は非常にいゝ事だ、世の中の人は全く地獄に苦しんでゐる。之を一人でも多く助けなくちゃいけない」っていふ心の人はどうしても治りがいゝし、「まあまあ信仰して御利益を頂いて、安楽に暮せりゃそれでいゝ」なんて思ってる人はそれ程力が強くなく、やっぱり治りが悪いですよ。それから又、これは生れつきだからどうにもならないけど、よく言ふ「きかない気」の人は治りがいゝですね。然し、どうしたって誠の多い人ですよ。本当に気の毒でたまらないから治して上げようって人は治りが一番いゝですよ。この人を治したら金がうんと入るとか、出世するとか、勢力を得るとかいふ気持でやると、一寸治りがよさそうに見えても、結局は余りよくないですね。やっぱり、その人の心通りになるんですからね。心が神様の御心に合ってゐる人は、何と言っても御守護も強く、力も亦強いもんですよ。心持ち次第で同じ霊線が来ても、その人の体を通る時に違って来てしまふんです。綺麗な水でも濁った所を通ればやっぱり濁ってしまふし、濁ってない所を通れば、どうしても水が綺麗なのと同じでね、そんなもんですよ。それから、根本から言ふと「覚り」っていふ事もあるんです。信仰の深い事が判って来ると、霊力も従って強くなります。勿論、深いと言ってもどこまでも深いものなんですがね。丁度、ピラミッドの様なもんですよ。(御煙草二本で の形を御示し下さる)この辺が((ヤマノイチ))普通に活動してゐる人の程度ですが、この辺((ヤマノイチ))になると霊的に位がついて来て、霊力がずっと違って来るんです。もう、この辺((ヤマノイチ))から上になると神秘が判るんで「見真実」となるんですが、一番上は主神で、ここになるともう判らぬものは何もないんです。御釈迦は、まあこの辺((ヤマノイチ))だったんですが、この一番上まで上った人は未だ誰も居ないんですよ。……

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“旧約聖書の中にある「ノアの洪水」の物語は何かを暗示してゐる予言と解して宜しいでせうか。

“「ノアの洪水」っていふのは紀元前の事で、ノアといふ兄弟があって、或時その兄貴の方が神懸りになってね、近い中に大洪水があるから多くの人に知らせろ、っていふ御神示を受けたんです。そこで盛んにそれを宣伝したけれどその言ふ事を信じたのは六人だけだったんです。で、その洪水に備へて箱舟っていふのを造ったんですが、之はぎんなんの実の形をして蓋がついてゐたんです。で、それを造って待ってゐた所が、その中に、百日間雨が降ったとか、四十日間雨が降り続いたとか二つの説がありますがね、それで大洪水になって皆逃げて山の上に登ったんです。然し、山へ登ったんですが、獣だとか蛇だとかも山の上に来たもんだから、みんなそれらのものに喰はれて死んでしまったんです。然し、箱舟には獣や蛇は入って来ないし、それに七十五日分の食糧を用意してたもんだから、結局、その八人だけが助かったんです。その八人が段々にふえて今の西洋民族になったんですね。この「ノアの洪水」は日本にもあったんで、丁度伊邪那岐、伊邪那美の時代だったんです。この両神は高い山に上ったので助かったのです。だから、古事記に「シホヒス、シホミツ」って言ふ言葉がありますがね、ヒスは乾かす、ミツは満ちるですね。そして「二柱の神、天の浮橋に立たして、その沼矛(ヌボコ)を指し下して画(カ)きたまへば、塩こをろこをろと画き鳴らして」そして島や国が生れたって言ふんですが、これは、大水が引いて島や国が出来たって言ふ事だらうと思ふんですがね。実際に於て幾ら力があってもそんな魔術みたいな事は出来る訳がないですからね。聖書には「ヨハネは火の洗礼をなし、キリストは水の洗礼をする」っていふのがありますが、水っていふのは体で、火は霊ですからね。だから本当の意味での火の洗礼、霊の洗礼はこの浄霊の事なんですよ。浄霊は火素でやるんだから火の洗礼ですよ。然し、この場合は火の洗礼といっても大きい意味ぢゃなくて、人間対人間の洗礼ですね。所が、これからは霊界が本当に昼間になりますから、火素が多くなって浄化が強くなり、強く浄められるんで、それこそ本当の「火の洗霊」になるんですよ。(地上天国第五号編輯後記参照)……

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“どの地方でも神社の御祭りの時に御神輿をかつぎますが、之はどの様な意味でせうか。

“これはその土地の氏神様が一年に一遍位づゝ受持区域を巡視するんです。巡視するってよりも氏子が御願ひして氏神様を御招待するんですね。で、その廻って頂く時その土地の穢れ、悪霊に対して相当な効果があるんです。だから之は非常にいゝ事ですよ。「ミコシ」ってのは神様の輿って書きますね。だから、「ミコシ」が廻る時、神様に輿へ御移りを願ふ訳ですよ。

(光話十三号  昭和二十四年十月二十一日)