三月八日（火）
“民族の平均年齢に就て、日本人 三五歳、米国人 五十歳、未開人 二○歳、と発表されて居りますが、文化民族の方が高齢なのは何故でせうか。
“之は昔の統計だな。今は日本人は四七歳、米国では六十歳位でせう。これはね、頭を使ふからです。頭を使はないと早死する。だから頭を使った方がいゝですよ。
“いろいろ苦労して頭を使ふのは如何でせうか？
“それは別で、要するに頭を使へばよい。私は頭を使ふのが面白くて仕方がないんです。だからいろんな原稿を書くんです。之は普通考へられてゐるのと反対です。といふのはね、神が人間に与へた機能といふものは使ふ程よくなるんです。だから頭だって使ふ程よくなるんですよ。然し心配は別です。野蛮人だって心配するんだから、むしろ野蛮人の方が文化民族より心配が多いでせう。
それから、心配するといふのは大抵自分が間違った事をしてゐるから心配するんです。若し間違った事をしてゐなければ心配する必要はない筈です。私もいろんな情報が入って来ても、別に悪い事をしてないから心配なんかしないのです。だから肝腎な事は人間嘘をつかない事ですね。嘘をつくとバレやしないかと思って心配する。（笑声）だからね、私は嘘つきの心配は大変だらうと思ふんですよ。（笑声）私も嘘は出来るだけ言はない様にしてるんです。言はなければならない時は仕方がないが（笑声）――だから、大先生が嘘なんか言はれる筈がないと言はれて却って困る事もあるんです。日本人は一般に嘘が常習になってゐます。以前使ってゐた人に一人よく嘘をつくのがゐたんですが、嘘つきを少し治してやらうと思って或時その人がいろいろ話をした時、「あんたの今の話の中でこれとこれが嘘だ」といったら、目をキョロキヨロさせてゐましたが、それから少しよくなった様でした。そういふ人のは計画的ではないからつい不用意に出てしまうのです。まあ、慢性の嘘つきですね。（爆笑） 注：((*1)) （月日のみ表示あり、奥付不明だが他号との関連により推測される）
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“流行性感冒が流行してゐる様ですが、之は黴菌によって誘発されるのでせうか。
“黴菌ではありませんね。医者の方では濾過性の黴菌と言ってますが、濾過性とは見えない黴菌といふ事なんですが之は滑稽ですよ。所が先方では神様の御力は見えないといふ。だから同じ事ですよ、どっちも見えないものを信じてゐるんだから。（爆笑）顕微鏡で見える黴菌と雖も生物であるからには食物を喰ってる。その食物は動物の体内の毒血の中の更に小さい黴菌です。――だから、顕微鏡で見えるのは黴菌の中のデカブツですよ。（笑声）で、小さいのは何処までもある。だからそんな小さいのはないと考へてもいゝんです。宇宙でもそうで、無限でせう。同じ事で、大も小も無限です。流感も浄化ですね。世界が余り曇ると掃除が起るんです。殊に戦争のあとは曇りが多いから浄化するんです。曇ると浄化が起る様にちゃんと出来てゐるんです。一つの原則としてそう作られてゐる。丁度人間でも腹に汚物が溜れば糞尿として出るのと同じです。
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“昼への転換につれて地獄はどの様な様相を呈するのでせうか。
“地獄はずっと違って来るんです。一時は浄化が強くなりますから、どうしても改悔の見込のないものは封じ込まれ、見込のあるものは引上げられるのです。で、之が非常にこわいのです。人間もそうで、間違った事をしてゐる人は非常に劇しく浄化されるが、又一面助かるのも早くなるんです。
“昼の世界になっても地獄は存在するのでせうか？
“在る事は在りますが、最低地獄の様にひどいのはなくなるんです。だから娑婆の刑罰も重労働といふ様なものが一番の刑になるのです。――
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“教導所の御軸は御姿より御書体の大光明如来様を御祀り申し上げるべきでせうか。
“之は勿論です。今は書体でなくてはいけません。御姿の方は別の意味で祀る――といっても、適当な場所があったら掲けておくだけでいゝです。
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“発熱の場合額に熱が出易いのは何故でせうか。
“額の浄化のためです。誰でも皆額には毒があるんです。頭の悪いのはそのためです。
“頭以外の御浄化の場合も額には発熱し易いですが――
“それは始終頭を使ふため毒が余計集るからなんです。
“額にその人の御霊が宿る事とは関係がありませうか？
“勿論あります。――だから額が冷たければその人の精神状態は確かです。その反対にこゝに毒が溜ると本霊の働きが鈍るんです。犯罪者なんかはこゝに必ず熱があります。
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“地震に就ていろいろ取沙汰されて居りますが、若し地震が起きた場合教導師は如何なる態度をとるべきでせうか。
“その時に臨機な態度をとったらいゝでせう。地震が来てもそれが大きいのか小さいのかは、一寸判らない事ですから。――去年の福井地方の地震でも御守護によって皆助かってゐるんです。結局大丈夫だからあはてる必要はない。だからといって余り泰然としてゝも困りますが。――（笑声）まあ、焼けて来たら逃げ出したらいゝでせうね。（笑声）昨日、アメリカのドッヂ公使が記者団に対して何かの準備――あゝ、失業者の対策についてゞしたね、それは失業者が出来てから対策を講じたらいゝと言ってましたが、あれが本当ですね。
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“御浄霊の際、患者に対してはどの程度親切にすべきでせうか。
“之は程度がないですよ。すればする程いゝです。
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“よく、先生によっては威厳を示す方が見られますが――？
“そんな事はありません。威厳なんか示す必要はない。私自身だって別に生神様に見せたいとは思ってません。
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“用達をしてから教導所へ来る人には出直して来なければしてやらない、といふ方もありますが――？
“それが本当です。御詣りに来るのは一番先にすべきであって用達をしてから来たんでは効果が少い。だからそれではつまらないですよ。矢張り神様の事が主なんだから、主となる事と従となる事とははっきりしなければいけないのです。
“では御道、順序といふ事は固く言ふべきでせうか？
“えゝ、言はなければいけません。理の立つ事なら言っていあんです。――それから私は家内なんかに対してもそうなんですが、先方で浄霊をしてくれといふ時以外はしてやらないのです。その代りしてくれと言へば夜一旦寝てからでも又起きてしてやります。神様に御願ひするんでも足を運ぶべきです。だからこっちから押かけて行って押売りするのはいけないのです。希望もしないのに無理にするのは神様と人間との位置が顛倒してしまふのです。又こういふ事があります。「この病気が治ったら御礼をする」といふ人がありますが、之も反対で、これでは神様が下になってしまふのです。つまり、神様の方で治させて頂いて御礼を頂くといふ事になるのです。（笑声）天理教は上げる事を盛んに言ふが、天理教自身に力がないため病気等が治らずそのため一種の詐欺になるんですが、之は神様が悪いのではなく、取次する人が効かないのに効くと人に言ふから悪いのです。だから若し効かなかったらその金を返せばいゝんです。で治らなくてかけ合ったりする話をよく聞きますが、然し順序から言へばそれが本当で、神様の方を主にすべきです。――親切はどこまでも親切にすべきです。実際問題としてはそうどこまでも親切には出来ないが、事情の許す限り親切にすべきですね。
それから又、人に対しては公平でなければならない。あの患者は金があるから親切にしてやらう、あの人は土百姓だから余り親切にしてやらない――といふのではいけません。以前使ってゐた女中は、「他の人は自分の話を聞いてくれないが、大先生だけは私の言ふ事を聞いてくれる。之が一番有難い」と言ってた事がありました。大本教の教祖に或人が「あなたはどの人にも同じ様に応待するが、あなただって人により好き嫌ひはある事と思ふが、見てゐて一寸も判らない」と言った所、教祖は「勿論好き嫌ひはある。然し神様は公平なんだから神様の事をしてゐる時、好き嫌ひを表す事は間違ひである。だから私はそれを表さない様にしてゐる」と言った事がありましたが、なかなかいゝ言葉ですね。
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“気魄、気力等の強い人の方が御浄霊の効果も多いかに見られますが如何でせうか。
“そうですね、之はありますね。気魄、気力のある人の方が成績がいゝ。それに、そういふ人の方が頭がいゝから急所を発見するんですよ。どんな病気だって急所は一つですからね。頭が悪いと之が発見出来ない。だから、霊感、第六感が働く位でなければ駄目です。
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“結婚の報告は墓前にも致すべきでせうか。
“勿論ですね。祖先には是非報告すべきです。報告しなくたって先祖は知ってますが、報告する事は義務ですね。報告をちゃんとすれば御守護は頂けるが、しない時は内縁みたいなものです。
“人々に披露しない事は如何でせう？
“それはしなくてもいゝです。神様の方には何ともない。――然し近所の人にはした方がいゝでせう。「あすこには変な女がゐるが一体あれは何だ」といふ事になると、その人の信用にも係る事ですから。（笑声）
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“再び妊娠の方法に就て御伺ひ申し上げます。
“之は天地自然の法則に適へばいゝのです。（笑声）といふのは、当然その自然の法則に気が附く可きですからね。――それで一番肝腎なのは子宮の位置なんです。
“そこの所が一寸判りかねるのでございますが――
“えゝ、判らないかも知れませんね。が、判らないと言っても意味が違ふのであって、別に覗いて見る必要はないのです。（爆笑）――で、第一の原因は子宮の前屈や後屈です、下腹を押してみて固ければそこに毒結がある。その為子宮は後に押されて子宮後屈になるし、又腰に微熱があればそこに毒結がある証拠で、そのため子宮は前に押されて前屈になるのです。前屈や後屈になると子宮の入口と子宮とが喰ひ違って来るためにうまく妊娠しないのです。それから子宮の発育不全といふ事もあります。之も下腹を押してみれば判ります。一般に下腹が固くなってるのは妊娠しにくいんです。昔から「あの人は下腹が固くなったからもう子が出来ない」といふのはこの意味です。第二に腎臓が萎縮すると性慾欠乏性になる。そして之が弱ると卵子の活力も弱るのです。だから腎臓を浄霊すれば非常に幸福になれるんです。それから、すべて女性は膣の所に粘液が出てるんですが、それは酸性で精虫を殺す働きを持ってゐると言はれますが、之は大した事はなくてもあるにはあります。女性の方はそれ位です。――男の方は矢張り腎臓が弱いと射精力も弱くなります。そのため精虫が奥の方まで行かずに入口で止まってしまうのです。
“精虫は自分で進むと言はれますが――？
“いや進みませんよ。進まないから卵子と結合する事が出来ないのです。そして射精力を強くするのは腎臓をよくする事が第一で、第二は睾丸です。睾丸でもって精液は作られますからね。だからこういふ事もあるんです。横痃(ﾖｺﾈ)なんかを手術するとその薬毒が睾丸の所へ来てそのため痛みや重い感じが起きたりするんです。で、そうなると精虫の力も弱くなるのです。肩あたりからも毒が下がる事もあるんですよ。
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“御彼岸、御盆の霊的意味に就て御伺ひ申し上げます。
“彼岸の時は太陽が冬至と夏至の真中を廻る時で、丁度いゝ時なんですね。で、この丁度いゝといふ事が天国、極楽になるのです。つまり理想世界の事ですね。彼方の岸といふのは「理想郷」の意味でせうね。で、その時御墓参りをするといふ事で、別にはっきりした意味はないのですが、まあ丁度いゝ時に先祖を祀るといふ訳で之は理窟なしにいゝ事ですね。御盆の方は、地獄にゐる霊が始終苦しんでゐて可哀想だから一年に一度帰らせるのです。彼岸も御盆も釈迦が作ったのでせう。
“地獄の霊だけでせうか？
“地獄以外の霊は何時でも帰れるから、御盆は主として地獄の霊を慰めてやるんです。この時だけは思い切って沢山御馳走を喰べられるのであって、迎火をたくのも霊が来る目印のためです。
“彼岸以外に新に仏壇を買求めると、新しい仏が出来るからいけないと申しますが如何でせうか。
“こんな事はありませんよ。それから寺や墓を立派にする事もいけないと言ひますがそれもありません。最近、私は或寺の再興のため寄進しました。もう直きに出来上る筈ですが、別に私はあの世の仕度をしてる訳ではないんです。（笑声）
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“睡眠中、大声で而も明瞭な寝言を言ふ人が居りますが如何でせうか。
“治ります。寝言は副守護神の働きですからね。浄霊によっても或程度治りますが、更にいゝ事はそういふ人が信仰に入る事ですね。
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“憑依霊は霊界を脱出して来るのでせうか、或は霊線によって連ってゐるのでせうか。又脱出の場合、その霊は霊界で罰せられるものでせうか。
“之は霊界を脱出するんです。いろいろありますがね。悪霊なんかは地獄を脱出する時火の車に乗って来ます。まあ、地獄の「バス」みたいなものでせう。（笑声）霊には苦痛はあっても死ぬ事はありませんからね、こんなものもあるんです。で、その時は霊線を辿って来ます。それから罰といっても、憑依の目的さえよければいゝんです。その場合は唯無断脱出の罪だけです。然し脱出なんかするのは地獄の霊で、八衢以上のはちゃんと神様の御許しを受けてから来るものです。
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“生活上、止むを得ず堕胎することは罪になりませうか。
“勿論悪いですよ。子供が出来ればその子の生活に必要なだけのもの――まあ扶持とでも言ふべきものは神様から授かるんです。だから当然生活出来る筈です。子供が沢山で生活出来ないといふ人は何かその人のやり方が悪いのです。寧ろ子供が出来れば収入もふえるものです。堕胎は殺人ですから罪です。勿論一人前の人を殺すのより罪は軽いですが。――今、日本人が多すぎるからと言って産児制限がうるさいですが、之なんか意味がないんですよ。無肥料栽培でやれば八千万位の人間は何でもないんです。堕胎と産児制限とは勿論違ひますが、産児制限の方は罪は極く小さいけれど、一旦宿ったのを堕胎するのは立派な殺人です。胎児が人間の何分の一とすれば、量的には普通の殺人の何分の一の罪と思ったらいゝでせうね。
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三月十三日（日）
（本日は光陽会、日本会と共に御面会を頂く）
“霊統と血液型とは関係がございませうか。
“之は関係ありません。霊統は一貫して変りありませんが、血統は混血してごちゃごちゃになってゐますからね。丁度真理ってものは一定不変でせう。具体的に言へば「太陽は東から昇って西へ沈む」といふのは真理で、太古から一寸も変りません。所が道徳は始終変りますね。戦時中の忠君思想なんかは今では全然なくなって居ます。之と同じで、霊統は一定不変だが血統は変って来るのです。
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“太陽熱が低地程強くて、地面に近い程暖いのは何故でせうか。
“之は逆です。太陽熱は低地程弱いんですよ。低地が暖かいといふのはね、地面が太陽熱を吸収するからだとか言ひますが、あれは嘘で地熱の為なんです。太陽熱は弱いもので、地熱の方がずっと強いんです。だから高山に行く程寒いといふのは地面から遠ざかって地熱が少くなるからです。之から見ても太陽熱は割合弱いといふ事が判ります。積った雪が下の方から溶けるのもそのためです。然し、太陽熱と地熱と密合すると強くなります。だから地下を一寸許り掘ると涼しいのですが、之は太陽熱から遠ざかるためです。之も或程度迄で、それ以上掘って行くとだんだん熱くなって、遂には鉄でも溶ける様になります。然しそんなに掘って行ければいゝですがね。それならアメリカ迄も船なんかで行かないでトンネルを作ってエレベーターを使へばいゝ。（笑声）地球の中心は熱塊ですからね。温泉なんかこの為ですね。岩石に割れ目が出来てその下を通ってゐる地下水が地熱に熱せられてそれが噴出するんです。箱根は山水ですが、熱海は地下水で大抵地下千尺位の所を川の様に流れてます。まあ推定すれば幅は十間から二十間の湯の川ですね。そしてそこの地層に鉱物があると鉄や硫黄が溶けてその湯にまざる訳です。世間でよく鉱泉といって鉄分や硫黄分の混ってゐる温泉があるのはこの為なんです。 今度、農園に温泉を掘る積りです。まあ、大抵湧く積りですがね。これはね、温泉の湧く所は判るんですよ。先づ、そこに生えてゐる木で判ります。勢がなくて茶色くなってますよ。之は硫黄の為ですね。又土がね、まるっきり違ひますしね。そこの水でも判ります。掘って行って或程度から下になると石へ鉄や硫黄がずっと附いてます。もっと下にゆくとまるで鉄の石みたいになってますよ。以前、その辺を掘った人がありますが、湯の川の枝の所を掘ったんで駄目でした。もっと奥の方に太いのがあるんです。で今度は一番の幹を掘るつもりです。
“海の深い所は暖いのでせうか？
“いえ、やはり冷たいんです。――又、水の霊は冷えるものでね、水の層の下へ行く程濃くなるので冷たい訳です。それから、地熱のガスには相当の力があります。だから将来は之が動力の一番の本になります。
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“主神から発する火素と太陽から発する火素との差異につき御伺ひ致します。
“之は同じものですよ。火素は太陽の精気ですから。熱の本は太陽で、太陽は主神の御神体ですから、主神の熱の御働きが太陽です。まあ夫婦で言へば太陽が男性で月が女性ですね。日と月の両方の精気が放射されて人間は生きてゐる訳です。昼の世界になると火素は又強くなります。然し、火は霊ですが、火素は霊の又霊ですからね、現界に体的にはそんなにはっきりと表れて来ません。まあ多少は判りますがね、現にこうして私が御浄霊すると、「あついあつい」と言ふ人があるし、私の居る部屋は暖いとは誰も言ひますね。
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“月は固体でせうか、液体でせうか。固体とすれば氷結してゐるのでせうか。
“さうです。月は氷塊ですよ。そして月からも精気を――非常に強い水素を出します。之がなかったら人間なんか溶けてしまいます。
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“三十九才の女、風邪を引いてから次第に声が出なくなり、御浄霊を半月続けましたら丁度発病当時の状態となり、発熱し痛みますが如何でせうか。
“えゝいゝです。固まってゐたのが溶けて来たんですからね、治りますよ。声が出るのは弁の振動ですが、細かく振動すると高い音が出るし、ゆるく振動すると太い低い声が出ます。その弁のつけ根へ毒の固りが出来たんです。それで声が出ないんですから、それを溶かせば声は出る様になります。
“その人の祖父は以前猫をしめ殺した事があり、病人の伯母も同じ状態になって居り、霊的の様に存じますが――
“それは勿論猫の執着が未だ抜け切らないのです。だから額と喉とをよく御浄霊するんですね。
“額と耳下腺の辺に高熱があり、昨日は下顎が腫れうつむけぬ位でした。
“えゝ非常に結構ですね。よく霊の病気と言ひますがね、霊体はやはり一致してゐるものですからね、霊が憑く時は矢張りそこに曇りがあるから霊が憑依出来るんです。だから御浄霊すると曇りがとれて霊が憑けなくなるといふ訳ですね。
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“御書体（横額）を掲けさせて頂く場合、順序、位置は如何致すべきでせう。
“之は床の間の真上はいけません。真上以外の一番いゝ所に掲ければ宜しい。だから違ひ棚の上の所など一番いゝ訳ですね。たゞ私の書いたものをかけてある所には他の人の写真や、他の人の書いた書体等はかけてはいけません。
“狭くて違ひ棚もない様な場合は――
“どうしてもいゝ場所がなければ、床の間の端にかけておけばいゝです。
“「日月」、「地上天国」等の御書体の順序は如何致すべきでせうか？
“出鱈目はいけません。私の書いた字は生きてゐる、生き物ですからね。矢張り順序は考へなければいけません。――「日月」はまあ一番上で「光明界」はその次位、「地上天国」は「光明界」の次でいゝでせう。「神龍」はずっと下でいゝですよ。龍のついたのは下でいゝですよ、 龍は人間の次だから下です。「観音光」は、観音は仏で仏の光だからそう上でなくていゝですね、「地上天国」の次でいゝでせうね。「神世界」はずっと上でなければいけない、之は神様の世界ですからね。「光明浄地」、之は下でいゝです。「神風」は風だから何処でもいゝです。
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“烏に就て
一、その鳴声で吉凶が判ると申しますが事実でせうか。
二、烏は霊性が高いと申しますが、その声や形がそれ程美しくないのは何故でせうか。
“一、之は判るんですよ。よく判る人があってね、そういふ人は「今烏が仲間を呼んでる」とか何とか言ひますがよく当りますね。まあ何の鳥でもそういふ事はありますが、特に烏はそういふ点がありますね。烏が鳴くと死人があるといふのも本当ですね。
二、烏は霊性が高いんです、霊感が非常にある鳥でね、昔から天照皇大神のお使ひだなどと言ひますが、烏は太陽に関係があるんです。烏は霊界に行くと烏天狗になり、鳥の中でも一番高くて神様の事をすべてやるんです。私の副守護神は烏ですよ。
“烏の鳴声は多くの人が嫌ひますが――
“えゝ、大抵の人は嫌ひますね。烏は人間の死骸を喰べますしね、又人間が死ぬ時に鳴いて知らせたりしますからね。
“霊性が高いのに多くの人から嫌はれるのは何故でせうか。
“人間が嫌ふんでしょ？――人間なんか何にも判りはしませんからね。例へば芸者を見てごらんなさい。なかなかあでやかで美しくていゝぢゃないですか、見た処はね。然し、実際は多くの家庭騒動なんか之が元ですからね。（笑声）むしろ人間のいいと思ふものは悪くて、反対の場合が多いですよ。
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“女子の高等教育はどの程度に致すべきでせうか。
“成る可く高等教育を受けた方がいゝですね。せいぜい女子大位までね。教育の程度が低いと理解力がなくて困ります。実際話せる女といふのは滅多にないですからね。男も低いが、女はもっと低い。大抵の人は女子大位行く可きです。唯、今の教育はまづくて倍も時間がかゝる。あれをうまくやれば半分で済んでしまふんですがね。あんなに期間が長くてはいろいろ差支へが起ります。男でもインテリでないといけないですね。インテリでないのは理解力が無くて、話をしても面白くないですね。――
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“子供は上の子より末子の方に優秀な子が出来る場合が多い様ですが、之は如何なる訳でせうか。
“子供は親がうつるんです。長男なんかを産む頃に較べると末の子を産む頃は親の方が経験も積んで智慧もついてゐるから、之がうつって利口になるんです。それからもう一つはどうしても最初出来た子供は刺戟がないのでボーッとしてゐる。それで総領の甚六だなんて言はれるんです。日本ではこんな統計は出てないが、西洋では兄弟の多い程傑出したのが出来るといふ統計があります。それは兄弟が多いと待遇も悪くなったりしてそのため却って磨かれるんです。
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“礼拝の時の合掌はどんな意味がありませうか。
“之は自然ですね。色々理窟をつけますがね、之はまあ自然にさうなるんですよ。挨拶の時頭を下げるのと同じですね。
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“無神論者の理論的根拠は何でせうか。
“之は唯物観です。「見えざるものは信ずべからず」といふ唯物観ですね。だから、以前私は本に書いた事がある、「野蛮人に空気の存在を知らせるよりも、今の文化人に心霊の存在を信じさせる事の方が難しい」とね。――それから、もう一つは副守護神が否定するんです。浄霊により治る事はよく判って「はあはあ」と感心してゐても、どうしても入らない人がありますが、こんなのは定って副守護神の働きによるのです。「そんな馬鹿な事があるもんか」と副守護神が囁いて邪魔をするんです。これから昼の世界になると副守護神の力が弱まりますから、誰でも霊を信ずる様になって行く訳です。場所によって発展する所と発展しない所とあるのもこういふ訳ですね。発展する所は明るく、発展しない所はまだ暗いんですよ。
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“三十二才の女、四才の時囲炉裏に転げ落ちて火傷を致しましたが、その後段々腹が肥大し始め、二、三年前医者に見せた所卵巣膿腫と言はれ手術されましたが、御浄霊により治りませうか。
“之は、この火傷の為ではないと思ひますがね。腹膜ではないんですか？よく見てごらんなさい。腹膜だったら腹部がなだらかにふくれてますが、膿腫だったら急にふくれてますよ。（御手で(ﾏﾙﾄﾂ)と(ﾅｶﾏﾙﾄﾂ)の形を御示し下さる）之は手術してなければ完全に治りますが、手術してゐるから元通りにはならないかも知れませんが、相当に治癒するでせう。
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“真神霊、一霊四魂につき御教示を御願ひ申し上げます。
“之はよく聞かれますがね、四魂とは荒魂(ｱﾗﾐﾀﾏ)、奇魂(ｸｼﾐﾀﾏ)、幸魂(ｻｷﾐﾀﾏ)、和魂(ﾆｷﾞﾐﾀﾏ)の四つですが、荒魂とは勇気です。よくいけば勇気ですが、悪くいけば強盗なんかさうですね。奇魂っていふのは智慧ですね。智慧にもいゝのと悪いのとある。勿論叡智でなければいけません。奸智や才智はよくないですね。幸魂は慈悲ですね。人を幸せにする気持です。和魂といふのは人と親しむ、まあ怒らない事ですね。人間は之が平均して働けばいゝんですが、この四つが完全に備ってゐれば大したものです。そんな人はまづないですね。せいぜい三魂か二魂、まあ普通は一つがやっとでせうね。
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“私の娘はミッションスクールに行って居るのでございますが……
“えゝ、いゝぢゃないですか。
“学校ではキリストを拝み、家に帰ると観音様を拝む事が何だか……
“キリストも観音様も同じことですよ。キリストは西洋の観音様、観音様は東洋のキリストです。だから、あんたの娘さんが洋服を着たり、和服を着たりするのと同じだと思へばいゝんです。（笑声）その事を詠んだ歌がありますがね。観音も弥勒もメシヤもキリストも人の姿の神にぞありける。こういふんでね、同じことなんですよ。
“その場合のキリストとイエスの関係は如何でせうか。
“それは今はまだはっきり言へない。時期が来れば判る様になります。
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三月二十三日（水）
“「五六七の御代」には易学はどの様になりませうか。
“易学なんてものはね殆どなくなりますよ。易といふのは吉凶禍福を占ふものですからね、易学も従って要らなくなる訳です。今迄は人間の霊が曇ってるから弱かったので、弱いから邪神や邪霊に負けたんですからね。これからは邪神、邪霊は力がなくなりますし、一方人間の霊も浄くなって犯す事が出来ない様になりますから、この両方のため禍ひなんかはなくなってしまふのです。だからね、「五六七の御代」には迷信なんかは無くなるんです。迷信といふものは人間の恐怖感から生れるんですからね。で、この恐怖感といふのは物事が思ふ様にゆかないから出て来るんですが、世間には理窟で判らない事が沢山あるんです。現代最高とされてゐる「科学」の言ふ通りやったって思ふ様に行かぬ事許りですからね。中でも一番こわいのは病気でせう。それから火事、地震等々、こんな事から恐怖感が出て来て、之に対する気休めのために迷信が生れるんです。所が「五六七の御代」になると病気、災難がなくなるから恐怖感もなくなり、従って迷信も生れなくなりますよ。迷信なんて忘れてしまうでせう。方位方角なんかも要らなくなりますね。――今は科学の力で迷信を無くそうとしてますが、科学で片附けようとするから却って無くならないんです。迷信の種類は随分あるもんですが、調べてみるとドイツに一番多いんですからね。科学の一番発達してゐる国が一番迷信が多いといふ事になります。之で見ても迷信を無くすのに科学がどんなに役立たないかゞ判りますよ。大体科学そのものにも迷信の分子が多分にありますからね。我々が浄霊によって病気を治すのも一つの迷信打破ですよ。之を見せれば文句ないでせうが、科学は之を迷信といふんです。だから「迷信と見なす迷信」もあるんです。一番きまりをつけるのにいゝのは、治れば迷信でなく治らなければ迷信なんですよ。そしてこっちは治るんだから迷信ではない訳です。之は事実なんだからどうする事も出来ない。そうでせう？――昨日だか毎日新聞の記者が来ましたがその人は運命論者でね、――あの「青い鳥」のメーテルリンクなんて運命論者の錚錚たるもんですが――運命論といふのは一種の諦らめの方法で仏教の諦観と結局同じものですよ。私の方には運命観なんてない、運命なんてどうにでも出来るんだから。そこでその記者にいろいろ言ってやったら、あとで井上さんに「大先生にあっては歯が立たない」と言って帰ったさうですよ。
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“現代の女性は上級学校への進学や社会進出等のため婚期が遅れ勝ちですが、此の点如何なものでございませうか。
“この根本はね、学校の年限が長すぎるためなんですよ。私が今に大いに書きますがね。又、小学教育は一寸早すぎます。余り頭が発達しない中に詰め込みますから労働過重ぢゃなくて学問過重になるんです。丁度子供に成人の労働をさせる様なものですよ。こんなにすると発育が止まってしまふんです。つまり、子供に大人と同じ様なものを詰め込むから、年令よりその方が勝ってしまって、その結果体の方がそれに合せる様に早く大人になってしまふんです。そして発育が止まると頭の活動力が悪くなるんです。だから例へば幼稚園にやるなんて事をやめてしまって十二才位まで何もやらせないんですよ、すると頭が相当発育しますからね、記憶力などすべてに於ていゝんです。将来は男なら十二才から始めて小学三年、中学三年、大学三年で沢山です。二十一才で大学を卒業する事になりますね。女の方は男程学問の必要がありませんからね、十八才位で卒業して充分です。さうすれば婚期が遅れる事もなくなる訳です。女は実際は月経があれば結婚していゝんだから、もう子供を産めるんだから、まあ十六、七から二十才位迄に結婚するのが本当ですね。男も二十から二十五の間に結婚するのがいゝんですよ。
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“晩婚は姙孕率が低下すると言はれますが、之は神様に罪でせうか。
”然しね、罪になるからって言って、強制的に結婚させるのは少し動物的ですよ。（笑声）それから第二は生活問題で、なかなか女房を貰っても食はせてゆく事は難しいですからね。まあその外いろんな欠陥があって結局すべてが間違ってゐて、之がじゅんぐりに働いてみんな悪い結果になって行くんですからね。――そしてこの根本は個人々々の思想なんですよ。個人々々が本当の人間になれば世の中も本当によくなって行くんです。どんなに機構がよくってもね、一人々々の人間が悪ければ結局駄目です。今は自分の罪は棚へ上げて何でも機構が悪いと言ってるんですが飛んでもない間違ひですよ。共産党なんかも腹の中では判ってるんだけれども、直ぐに機構が悪いといふのは一つの政略ですよ。法律なんかでも今はどんどんふえてますが、減る様にならなければ嘘ですよ。法律が網の目の様に細かくふえて行くのは文化が減退してゐる証拠です。だから議会は立法府だなんて言ふのは嘘で、廃法府が本当ですよ。文化の進歩なんて言ひますがね、今の進歩は変な進歩なんですよ。まあ之からよくなってゆきますがね。
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“大人の睡眠時間は大体どれ位が適当でせうか。
“之は医学の言ふ通りですよ、一寸は違ひがありますが。赤坊なんかは充分睡眠をとるのがいゝんで十時間から十二時間、青年から中年にかけては八時間位、五十才を過ぎれば七時間、六時間から五時間でいゝんです。私は今五時間が丁度いゝですね。それから更に高齢になると共に四時間、三時間と縮めていい訳です。医学では睡眠不足はいけないと言ひますがね、あれは嘘で、むしろ睡眠不足の方がいゝですよ。私は努めて不足する様にしてますがね。睡眠時間が足りないとね、それ丈活動する時間が多いですからそれ丈健康になるんです。睡眠不足はとても悪くて肺結核の主要原因だなんて言ひますがね、あれは間違ひですよ。肺結核の一番少いのは花柳界です。所が花柳界ってのは一番睡眠不足でしかも一番不規則な生活をやってるんですからね。睡眠時間を少くする事が結核をなくする実際の結果になってるんです。エヂソンなんかもね、研究室に入ると一週間位は殆ど不眠不休でね、食事も日本で言へばおむすび――まあサンドウィッチなんかを入れて貰って、それを喰べ乍ら研究したさうですが、所員が「エヂソンは特別な人だから出来るんだ」と言った所がエヂソンは「いやお前達だって馴れゝば出来るんだ」って言ふもんだからやってみた所、最初は辛かったけれども誰も出来る様になったって言はれますが、之は有名な話ですね。だから睡眠不足が悪いって事は迷信ですよ。睡眠不足だと翌日だるいのは昨夜(ﾕｳﾍﾞ)は睡眠が不足だった、といふ暗示を与へられてゐるからさうなるんですよ。
“でも、大先生様は特別でせうが、私共は……
“いや、大先生は特別だって言ふのがそもそもいけない。私の霊は特別ですよ、霊は特別だが、体は皆と同じですよ。その代り私はこうしてゝも三分か五分位居眠りしますがね。そうするとはっきりしますよ。字なんか書いてゐてもこうやって居眠りしてしまふんです。時々筆に墨を含めたまゝ眠ったりしますが、そういふ時は井上さんなんか困ってしまふんです。（笑声）電車に乗って腰かけたまゝでもよく眠りましたし、それよりか吊革にぶら下ったまゝでも眠ったもんです。以前、イギリスのグラッドストーンが、椅子に腰かけたまゝ五分位づつちょいちょい眠るといふ逸話を聞きましたが、あれなんかも特別なんぢゃなくて当り前なんですよ。
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“甘味剤、或はパン料理に、ズルチン、サッカリン、重曹等を使ふ事は差支へありませんでせうか。
“少しは差支へありませんよ。サッカリンなんてたんと飲むと命に関はりますが、まあ家庭では甘味に一寸使ふ位だからいゝですよ。重曹もふくらし粉の代用位なら構ひません。
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“三十才の復員軍人、三年前肋膜になり一時治りましたが再発、第二肋骨のカリエスだと医師は申します。御浄霊を続けました処、咽喉部が腫れて白い小骨らしきものが膿に混って出て来ました。このまゝ御浄霊を続けて宜しいでせうか。又膿は小量でしたが、骨が腐って出る事はございませうか。
“医学では骨が腐ると云ひますがね、骨ってものは決して腐るもんぢゃないんです。あれはね、骨の内側に膿があるとそれが外へ出る時に骨に添って廻って出ればいゝんですが――一寸ここは神様気がきかなかったんですが――骨に細い針の様な孔を沢山あけて、その孔を通って膿が出るんです。歯の痛いのもね、孔があく時のその痛みなんです。だから骨の外へ出て、腫れ上ってしまふと痛みがずっと楽になるでせう。で、この骨の孔は膿が外へ出てしまえば直ぐに元通りくっつきますから、心配しないでいゝんです。若し骨が腐るもんなら骸骨なんてありゃしないですよ。（笑声）骸骨なんか何百年、何千年と経ってるんですからね。――この骨みたいなものはね、膿の塊りですよ。然し骨が出ないとは限りません。肋骨カリエスなんかになると手術して金属を補助に入れますが、骨ってものは放っておくと直ぐにくっつくものらしいです。非常に早くつく様ですね。
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“白血球と赤血球との関係に就て御教示を御願ひ申し上げます。
“この白血球、赤血球といふ事は医学で言ふ事ですがね、之は出鱈目です。白血球は膿で赤血球は毒血であり、毒血は浄化によって粕として白いものを分離します。之が白い膿なんです。どうかすると赤い膿が出る事があるでしょ、あれは毒血と膿と両方が混って出る場合です。こういふ訳で白血球は毒血から出た膿なんですが、之はいゝんですよ、毒血の方の浄化は非常に苦しくて、白い膿の浄化は楽ですからね。然しこの白い膿が固まった奴は又苦痛がひどいですがね。
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“気候と植物の関係に就て――
“全体的に言ふとね、気候なんてものにもいろいろあって、一年の半分は雨ばかり降り、半分は照ってばかりゐる所もあれば、三寒四温の所もある。いろいろ神様がおやりになってらっしゃるんで、何にでも変化を作られたんです。人種も同様にいろいろありますしね。又天体でも、太陽、月、星とか地球とかを造られ、それが調和して発達して行くんです。気候でもそれが違ふとそこへ出来る植物もみんな違って来ますからね、全く種々様々になる訳なんです。そしてそういふ事が神様の御経綸なんですね。植物なんかも日本は一番種類が多いんですが、之は日本では四季が正確だからです。あの俳句といふのは春夏秋冬によって出来るものですが、先に外国旅行から帰った高浜虚子が、外国では俳句は出来ない、何故かと言ふと春夏秋冬がないからだ、と言ったさうですが、ヨーロッパなんか割合に気候の変化が少いさうですね。何でもドイツ人は二着位の服で一年中間に合ふって言ひますからね。だから日本人はいろんな着物をいくつも持ってゐて贅沢だって言はれるんですよ。すべてに於て日本には種類が多いんですね。草木、魚介等あらゆる物に亙ってね。だから今によくなれば日本位いゝ所はない様になると思ってゐるんですよ。――此の頃私は花を研究してますがね、その種類の多いのには驚きました。椿でも百四十種もあります。今度それを皆買ひましたがね。山茶花でも百種からありますしね。梅なんかどれを見ても同じ様で四、五種位かと思ったら、二百種もありますからね。しかもそんな研究を徳川時代の人がやってるんです。えらいものですね、ちゃんとその種類を一々書いてあるんです。今度は花卉(ｶｷ)の栽培をしようと計画してゐるんです、そして尽くの花を網羅する積りです。日本の花をアメリカでも欲しがってますからね、之は大変な輸出になりますよ。アメリカ人の好きなのに「八重のくちなし」ってのがありますが、この花の香りは非常にいゝですね。これは少いんですが、私の方では殖やす事が出来ますからね、大いにやる積りなんです。それから百合なんかも独得のものだし、「チューリップ」でもオランダに負けない位出来るでせう。何にでも大変な種類がありますからね、その中のいゝものだけ栽培して、未だ曾てない大花壇を計画中ですがね。ですから野菜の栽培だけぢゃなくていろんな方面でやってみようと思ってるんです。
（((*1))光話五号 昭和二十四年） 注：((*1)) （奥付不明だが他号との関連により推測される）