御 光 話 録 第四号

立  春  の  御  歌

きびしかりし冬の寒さにとばりしていと大らかに春は来にけり

寒桜早や散り初めてあたゝかき湯の町熱海に春は立ちけり

白梅の梢にあたる日先(ヒサキ)にもそれと知られて春立ちそめぬ

永かりし冬の寒さも春立ちて花咲き百鳥歌ふ時来ぬ

冬過ぎて立つ春の如(ゴト)吾業も花咲き匂ふ時となりぬる

梅が香の匂ふ庭辺(ニワベ)に吾立ちて春立つ今日の思ひ深しも

梓弓(アズサユミ)春立つ今日のうれしさよ誠の人たち集(ツド)ふこの宵

立つ春を祝ふこの宵電燈の灯かげに映(ハ)ゆる人々の面(オモ)

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二月八日(火)

“御伺ひは左の事項中何れを主とすべきでせうか。一、御浄霊の事、二、開発の事、三、社会生活の事、四、霊界の事、五、家庭生活の事、六、将来の見通し、七、御著書の事、八、教団内部の事

“そうですね、事情によって主になる事が違って来ますから、どうと定める訳にゆきません。だから何でもいゝから一番聞きたい事を書いて出したらいゝでせう。一番聞きたい事を一つだけ書いて出しなさい、何も質問するのは今度だけでないのですから。一回に一つ宛聞いても十回で十になるのですから。――家庭の事も小さい様だが大事な事もありますよ。

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“支部に頂いた会名はどの程度に使はせて頂いたら宜しいでせうか。

“時と場合によったらいゝんです。その分会の信者の間では使ったらいゝし、そうでなく他の分会に対する場合には大成会としたらいゝでせう。

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“一、龍神の働きに就て、二、日本が龍型をしてゐる意義に就て、

“一、龍神にはいろいろな働きがありますが、大体天文現象が主で風雨雷霆を司り、又小さくは沼、川の守護をします。山は天狗が支配してますが川は龍神です。大中小いろんなのがゐるんです。

“龍神から化した人間にも善悪はあるものでせうか?

“えゝ、ありますよ。

“その善悪はどう見分けるのでせうか。

“それは一寸人間には分りません。例へば十の中七だけいゝ事をしても三だけ悪いと世間の人々はその三の悪い部分を見てその人の全部を悪いとして了ふのです。小乗的な信仰はこういふ風ですね。然し神様から見た場合、七から三引けば四残り四だけ善が多いからいい訳です。だから人間には善悪は判りません。――龍神系は強いもので又信仰に入る人には龍神系が多いですね。あんまり狸だの他の動物、馬や犬なんかは少い。龍神の外に天狗も多いですが、どちらかと云ふと龍神系の方が強いです。

二、日本が龍型だといふのは大本教で云った事で、昔国常立尊が龍神だった時日本と同型同大だったといふのです。この説はまんざら根拠のない事でもないのです。山陰、山陽、四国で口をなして九州を呑もうとしてゐるのですが、その鼻面が出雲でこゝは昔素盞嗚尊が統治したんですが、之は鼻の働きで鼻から豆が生れる事は古事記にも出てゐます。それから丹波、丹後が目、伊勢が喉、富士山が臍、東京が陰部、その中東京湾が女、伊豆半島が男のそれに当り、東北は腰、新潟の柴田は肛門、北海道から千島は尾になる。――といふのですが意味があります。東京は子宮に当り、だから宮城がある。従って東京は産み出す働きがあり、私も東京で生れたんです。

“臍は大して重要でない様に思はれますが?

“いや、臍は役に立ってますよ。人間でもそうで、始終動き廻ってゐる人よりじっと動かないでゐる人の方が大事なんです。一番どうでもいゝ様なものが一番肝腎なんです。所が共産主義は之と反対で、働かざる者は食ふべからず、などと言ふのは逆です。だから私は「共産主義はピラミッドを逆様にした様なものだ」と本にも書いてゐるのです。

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“副霊と犯罪に就て、

一、犯罪は副霊の働きでせうか。

二、帝銀事件の平沢も副霊のためでせうか。

三、右の事件で犠牲になった方々の霊は当然平沢に復讐する事と存じますが如何でせうか。

“一、副霊ですね。勿論本霊は止めようとするけれ共止まらないのです。

二、そうです。之は大変な副霊です。平沢なんかは体中副霊で一杯です。それからあんなに嘘を言ふのは狐ですね。

三、勿論で、もう復讐しようとして狙ってゐますよ。

“もう一年にもなりますが平沢は一向弱らないのは何故でせうか?

“副霊が強いのです。然し、又一方ではあの犠牲になって死んだ人々にも殺されるだけの事があったのです。あの事件の時一人だけ先に帰宅して難を免れた人がありましたが、あれは御守護によって助けられるのです。

“邪神等が憑くために兇行を演ずるといふ事はありませんでせうか?

“勿論ありますが平沢の如く計画的にするのは憑くのではなく副霊です。その反対にカーッとして前後を忘れて振舞ひ、暫くしてハッと気がつき大変な事をしてしまったと後悔する様なのは邪神に憑かれた場合です。

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“左進右退のリズムを科学的に説明する方法はございませうか。

“科学的といふよりも団子等を丸める事を話したらいゝでせう。左から右へやれば丸まるが、右から左では丸まりませんから。

“それは今迄の夜の世界でもそう致して居りましたが――

“左進右退は霊界の事ですから現界ではありません。現界では今迄の夜の世界でも、又これからの昼の世界でも丸めるためには左進右退が必要なのです。

“毎日の夜昼でもこのリズムは違ふのでせうか?

“えゝ違ってます。日当りなどは左進右退です。夜になって靄霧等が多いのは月が霊気を発散するからで、その時は右進左退です。

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“日常生活に於きまして道に外れた行為をする事は矢張り霊体の曇りを増すことと存じますが、その場合の曇りは物質化して毒素となるものでせうか。又若し毒素になるものでしたら肉体の何処に集るのでせうか。

“之はね無論曇りになります。例へば手で悪い事をすれば手に集り、人の目を胡麻化せば目に、二枚舌を使へば舌癌や喉頭結核になります。以前私の所で使ってゐた女中に片目の潰れたのが居ましたが、何故潰れたのかと訊ねたら、子供の空気銃で撃たれたからだといふのです。その頃は私も信仰したての時でしたが、更にその女中に実家の商売を訊ねたらその父が珊瑚の偽珠を作りそれを田舎へ持って行って相当儲けた事があるさうで、こうして人の目を胡麻化したために娘の目が潰れてしまったのです。又私が子供の頃、私の父親の商売仲間で矢張り浅草に何とか亀次郎といふ古道具屋がありました。よく人は花亀と呼んでましたがこの人は相当な財産を作ったのですが、後に盲になり又その財産も伜が道楽をしてすっかり蕩尽してしまひました。それは或時静岡の寺の住職が東京の寺の御開帳にやって来たが一寸金に困り、本尊を抵当にその花亀から金を借りた。で、暫く経って住職はその金を拵へて本尊を貰ひに又やって来た。所が当時は外人が仏像を、非常に高価に買集めてゐた頃だったので、花亀もその本尊を或る外人にいゝ値で売ってしまったあとだった。そこへ住職がやって来たので花亀はそんなものを預かった覚えはないと言ってはねつけた。で、その坊さんも今更おめおめ帰れないので店先で首を縊って死んでしまったのですが、それの祟りで花亀は盲になったのです。花亀の死ぬ時は実に悲惨でした。又矢張り子供の頃、近くに経銀といふ立派な経師屋があったがこの人も盲になった。この人は一日に一時間位仕事をしてあとは遊んでゐたんですが、といふのは新しく描いた画を古く見せかけて高く売りつける事が旨かった。或る画家が古い有名な人の絵を模写しそれを経銀が人に見られぬ様に一部屋に入り、線香を使って虫喰ひなどを作り態と古くさくして高く売りつけてゐた。それで目が潰れたのです。結局これらは皆人の目を胡麻化したためなんです。

“肺病なんかになるのは素直に「ハイ」と返事が出来ない頑固な人だとも聞きますが如何でせうか?

“さあそれはどうですかね。然し癌とか中風の様な病気は頑固な人に多いですね。

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“智慧熱の原因に就て御伺ひ申し上げます。

“之は何ですね、間違ひですね。矢張り何処か悪い所があって浄化するんです。私の子供には智慧熱の出た事なんかありません。

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“御著書に「副霊は二、三才頃憑依する」と拝見致しますが、本能慾と副霊とは別個のものでせうか。

“本能慾は副霊です。つまり物質慾です。

“赤ん坊が乳を飲みたがったり、一方だけでなく両方の乳房を欲しがるのは何でせうか?

“あれは赤ん坊の自己保存のために神様が授けて下さった一つの働きですね。やはり副霊は三、四才頃に憑くんです。又それでいゝんですよ。そんな小さな時分から金や女を欲しがっては困りますから。――

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“祖霊は常に位牌や墓石に居るのでせうか。

“位牌には始終留守居がゐて、それが戒名の所に憑依してます。人が拝むと多くの祖霊は集って来るのです。又臨時に拝む時は留守居がそれを受けます。又何か御供へして鐘を叩くと運ぶ役目の霊が出て来てその物の霊気を祖霊の所へ持って行って配るのですが、普通地獄から出世した霊が運搬の役目をやり、それが済むと八衢(ヤチマタ)へ行くのです。

“祖霊が地獄にある時は運搬夫の方が上になるのでせうか?

“えゝ、運搬夫の方が上です。そして大抵祖霊は地獄へ墜ちてゐる方が多いんですよ。――それから墓石の方には普段は霊は居なくて御詣りに行った時に出て来るのですが、彼岸等の場合はずっとその間中来てゐて名前の所に憑いてゐます。

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“墓地が遠方の場合、墓参はどう致すべきでせうか。

“之は代理の人を頼んだらいゝです。それでも霊界では気持が届きます。

“仏には夫々に墓石を作るべきでせうか?

“一人宛に墓を作るのは大変だから、「先祖代々之霊」といふ墓石の横等に小さく一緒に刻み込んだらいゝでせう。そしてそれが沢山になったら整理したらいゝのです。その場合自分と面識のある人の戒名は刻み、ない人のは先祖代々に入れたらよろしい。新しい仏の場合は一年位塔婆を立てゝそれから石に刻んだらいゝでせう。

“墓石に自然石を使ふ事はよくないでせうか?

“自然石はいけません。自然石は庭石等に使ふべきものですから。

“神式により葬る場合墓石は如何致すべきでせうか?

“神式なら俗名を墓石に刻んでもいゝが、然し本当は神道なら墓ではなく碑にすべきです。キリスト教なら十字架ですが最近は余りこういふ点はきちんとしてない様ですね、  殊に地方では。

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“仏壇の鐘は叩いた方が宜しいでせうか?

“えゝ、叩いた方がいゝです。之は御馳走を上げる合図だから。

“御供物を御上げしたとたんに叩く可きでせうか?

“途端でなくてもいゝですよ。御供へしたら急に便所へ行き度くなったといふ時は便所へ行って来てから叩いたらいゝんですよ。――

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“薬を服用してゐる人に御浄霊する事は如何でせうか。

“そういふ人には御浄霊してはいけない。それは丁度ザルに水を汲む様なものです。薬を服んでる人には「薬で治らなかったらやって上げませう」と言ったらいゝでせう。

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“シャックリの原因は何でせうか。

“之は横隔膜ですね。きっと食道に物がつかえた時の様に横隔膜が余計な運転をするのでせう。その場合後頭部の延髄をすれば治りますし又胃の噴門の辺をしてもいゝです。霊的には七面鳥の霊が憑くとシャックリをします。

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“人間は神の最高の被造物であるに係らず、霊を信じない人があるのは何故でせうか。

“之はね、神様が物質文化を発展させるために今迄霊の事を人間に知らさなかったのです。所が現代に於て文明が或程度発達したのでもうこの辺で人間に霊魂の存在を知らせねばならない事になったのです。で、私は之を知らせるといふ使命を持ってゐるのです。

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二月十八日(金)

“各地に御祀りしてある同一神仏の御分霊の御力には差がありませうか。

“えゝ、差がありますね。そこの所の人間次第で差がつきます。同じ神でも例へば御宮が立派か粗末かによってもその御力が違って来ますし、拝む人が多い少いでも違ひます。又、心から拝む人が多い程神の威光は強くなるのです。御宮の作りも立派な程神の格が高くなります。

“教導所などもやはり立派な方が宜しいでせうか?

“勿論ですね、立派な程いゝです。

“御仏壇は如何でせうか?

“仏壇も同様ですが、然し之は「相応の理」によって、その家や身分と相応しなければいけないのです。大本教の御筆先に「今の人民神の住居を粗末にし、己が住居ばかり立派にして、神の家をないがしろにしてゐるが――」とありますが、実際今の人はそうですね。然し之は大変な間違ひです。やはり家や身分に相応するのがいゝんです。又反対に、チッポケな家に住んでゐるくせに仏壇を余り不相応に立派にしすぎるのもよくない事で、そんな事をすると何か御知らせがあります。以前平塚の方の人が、大光明如来を御祀りしたんですが、間もなく雨が漏って台無しにしてしまった事がありました。之はその家に不相応なので、祀れない様になって了ったのです。で、私は他の小さいのと変へてやった事がありました。それからもう一つ面白いのは「鰯の頭も信心から」と言ひますが、下らない石ころでも何でも一生懸命拝むとそこへ神仏が出来るものです。拝む人間の想念で出来るのです。そして人々が拝んでゐる間は神仏の姿は出てますが、拝まなくなると間もなく消えて了ふのです。そういふのでも或程度の御利益があるので信仰する人もあるんです。その反対に想念によって悪魔も出来るんです。例へば人を苦しめたりするとその人の怨みの想念が集って悪魔を作る事があり、その悪魔のために始終恐怖に襲はれたりするんです。浜口内閣の時の大蔵大臣だった井上準之助といふ人は暗殺されたんですが、之は当時緊縮政策をやったので人々から怨まれたためやられたんです。人の怨みが集って悪霊となり、それが人間に憑き、その人間を操って復讐する事もあります。そういふ時は大変な病気になったりしますよ。今は税務署長なんていふのは全く危いですね。――もう一つの例があります。三越の専務は不思議な位幾人も死んでゐるのです。といふのはあれはデパートの元祖ですが、デパートが出来たために小売商人が相当没落しました。その人々の怨みのためにヘンテコになるんですよ。三越の専務で日比大助といふ人がありなかなか立派な人だったのですが、最後は精神病になって死んで了ひました。だから人から怨まれるのはいけない事で、これ位損な事はないのです。英雄の末路が哀れなのもそのためです。明治天皇がおかくれになったのもそうで、支那やロシヤと戦ったのでその人々の怨みが来るが、それが日本の中心の天皇に集るのです。

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“体の成長と本、副霊の成長とは関係ありませうか。

“本霊は人間の成長に伴って成長する訳ではありません。人間の方が成長するにつれて智慧が出たりするんで現れる働きが違ってくるんです。副霊だって、別に子供につくから子供の副霊といふ事はありません。

“子供の悪智慧は如何でせうか?

“小さくても悪智慧はあるんですが、あっても行動には表せないんです。少し大きくなれば表します。スリだのカッパライなどのチンピラなんかは皆そうですね。(笑声)

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“不自然に風邪を引く事は如何でせうか。

“不自然に引くといふ事はないですね。

“例へば風邪を引きそうで多少熱もあるが無理して入浴するといふ様な事は如何でせうか?

“いゝですよ。むしろ引く様にした方がいゝですよ。早い方が軽く済みますが遅れる程重くなるんです。以前の本にも書いた様に「風邪引運動」をした方がいゝですよ。私なんかも随分やりましたよ、風邪引く様にね。――

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“母乳の出方について御伺ひ申し上げます。

“之は知ってゐた方がいゝですね。乳の出が悪いのは胃が小さい時と、乳腺が圧迫されてゐる時と両方あります。乳腺が圧迫されてゐれば凝ってゐて、押さえると痛みますからすぐわかります。十二本ですかね、乳腺は。――一番多いのは毒が胃を前後から圧迫してゐる場合ですが、こうなると胃が小さくなって充分喰べられないのです。赤坊があれば一人半分の食物が必要ですがそれが喰べられないため乳も足りなくなるのです。御浄霊をすれば楽に出ますよ。

“母乳は子供が吸ふ瞬間に血から乳に変るのだとの説がございますが?

“さあ、そんな事はないでせう。別に赤子が吸はなくても自然に張って出て来る事もあるんですから。やはり乳となって乳腺の所に溜るのですよ。

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“一、生殖作用は種族保存と快楽との両方を兼ねるものと存じますが、快楽だけを追求する事は罪になりませうか。

“そんな事はありませんよ、快楽だけでいゝんです。だから大いに楽しんだらいゝ。(笑声)第一子供を拵へようとしても出来ないし、出来たら大変だと思ってゝも出来てしまう事もあるんです。却ってその方が多いでせう。(笑声)――食物を喰べる事もそれと同じで美味しく喰べればいゝんです。それがちゃんと栄養にもなるのです。だからにがいものが好きなら兎も角、好きでもないのに栄養だからと言って無理して喰べるのは間違ひですよ。

“二、夫婦共に健康であり乍ら子供のない人がありますが何故でせうか。

“之は大抵子宮の位置が変ってゐるためですよ。例へば前屈とか後屈の様にずれてゐるからです。

“所が、そういふ夫婦が離婚して、夫々別々に結婚致しますと子供の出来る事がございますが――

“それはね、言ひにくいが、その方法や男の方の発射する力の強弱、すんだあとの位置の具合等によるのです。位置なんかも大事ですよ。――教へた方がいゝんだな既婚者には。子供の出来ない人に教へて効果のあった事がありますよ。――私はいろんな事に就て物知りになっててね……(笑声)

“三、御道に入る人には龍神が多いとの御言葉でしたが、婦人でもそうでせうか。又若しそうでしたら結婚等は如何致すべきでせうか。

“婦人の方が多いですよ、龍神系は。それでね、龍女は結婚を嫌ひますよ。然し恋愛はしますが大体精神的な恋愛ですね。そういふのは本当の龍女です。龍女は結婚しても夫婦生活は不仕合せですね。だから結婚はしない方がいゝんです。一生独身で暮す人や結婚してもすぐ主人と別れてしまう人は龍女です。その外天狗もあります。何とか女史なんて言はれるのは天狗ですね。(笑声)

“四、夫婦仲がよすぎて子が出来ないといふ事を聞きますが如何でせうか。

“子供のあるなしは夫婦仲にはそう関係がないですね。仲のよさそうな夫婦でも子供のない人もあれば、しょっちゅう夫婦喧嘩許りしてゐても次々と子供の出来る人もありますからね。(笑声)そうかと思ふと一回暴行されたゞけで姙娠する人もあるし、だから大して夫婦仲とは関係ない様ですね。

“仲が良過ぎると機能が傷むために子が出来ないとも申しますが――

“そんな事はない、安心して使ひなさい。(爆笑)――肺病なんかの場合、医者はよく節制しろといふが之は嘘です。何故なら、そういふ気持が起るといふ事はしても差支へないといふ意味なのです。それだけの体力があるからです。若し体力がなければそんな気持は起きやしませんよ。「人の道」では病気になるのはあれが少いからだといって我慢してさせる場合があります。大分前に「人の道」から私の弟子になった人がありましたが、この事の為に「人の道」をやめたと言ってました。

“五、精虫と卵子の数に就て御伺ひ申し上げます。

“精虫は大変な数ですね、何億と言はれますが、之は本当でせうね。卵子はやはり一つでせうね。

“何故精虫の方がそんなに多いのでせうか?

“どうして多いかと言ったって、神様がそう作られたんであって、別に私が作った訳ではないから……(爆笑)

“六、精液を不浄扱ひする事は罪になりませうか。

“そんな事はないでせう。むしろ不浄扱ひにした方がいゝでせうね、あゝいふものは。

“七、中性に就て御伺ひ申し上げます。

“中性といふのは男と女と両方で、之は治りませんね。無論霊的です。前世に関係があるんですがね。医者に行くと、男になりたいか女になりたいかと言はれ、希望する方を残して他を処理してしまふのです。そうするとちゃんと男なら男、女なら女になります。之は前世で心中なんかしたのが再生した場合になるので、来世までも離れまいといふ想念の為、今度は離れない所か一つになってしまうのです。

“八、双子には頭のよいのが多いと聞きますが如何でせうか。

”そういふ訳もないでせう。偶にはありますが、そういふのが目立つんでせう。

“双子と三ツ子は霊的に違ふのでせうか?

“三ツ子の方は動物的ですね。双子の方は恋愛や同性愛の様に仲のよかったのが再生するのです。

“九、血族結婚は如何でせうか。

“之は差支へありませんよ。然し、まあ親子や兄弟の間ではよした方がいゝでせうね。(笑声)――西洋でも血族結婚は差支へないと言ってますね。

“こういふ席上で恐れ入りますが、夫婦がやすみます場合、御守り様をかけたまゝで宜しいでせうか?

“えゝ、構ひません。

“自涜といふ事は如何でせうか?

“よいか悪いかは常識で考へたらいゝでせう。――ユダヤでは子供に「割礼」といふものを施しますが、之は自涜を防ぐためで、だからユダヤ人は頭がいゝのだと言はれてます。あれをすると頭はたしかに悪くなりますね。

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“学校在学中の人が御道に入り、この歴史的な偉大な意義を覚らせて頂くにつれて、

一、現在の学校教育

二、今迄の「夜の世界」の学問研究等に対しどの様な態度を取るべきかといふ事について悩む人がございますが此点如何致したら宜しいでせうか。

“その中私はこういふ事について論文を書く積りですが、現在迄の学校教育も学問も間違ってゐるんです。二、三日前も或る人と話をしたんですが、その人が、多くの人を使った場合大学教育を受けた人の方が役に立たない、といふので、私は、それはね、大学教育といふものは既成の学問であり旧式だ、二十年前に大学を出ても今はずっと世の中が進んでゐる、にも係らず二十年前に学んだものを当てはめようとする、だからうまくゆく筈がない。丁度夏になったのに冬の綿入を着せようとするのと同じです。学問は既成文化にとらはれてゐるし、又理窟に傾きすぎてゐる。そんなカビの生えた理窟を現在に当てはめようとするから駄目なんです、と話したんですが、その時傍に居た人は中途からいゝ加減の学問をした人ですが馬鹿に頭がいゝんです。実際余り小さい時から学問をするのはいけないんですね。今の学校教育も既成の理窟で固めすぎる。だから余り固めないで社会の発展と調子を合せなければいけないのです。

“現在会員になって居ります一高の学生ですが、学校を止めて御道の御手伝ひをさせて頂く可きか、大学迄出てからにするか迷って居りますが――

“それはもう学校は止めた方が利口になるでせうね。学問を学ぶのも高等学校まで行けばもう充分ですよ。

“今迄の歴史的な古典等を研究する事は如何でせうか?

“えゝいゝですとも、大いにやったらいゝです。古いものも或程度必要ですからね。これから変るといっても全部変るのではなく、古いものからいゝのを引き抜くんです。

“「古きを温(タズ)ねて新しきを知る」といふ態度なら宜しいでせうか?

“えゝ、そうです。研究はいゝんですよ。研究はいゝのだがそれに溺れてしまってはいけないんです。――今の政治家の政治が下手なのは腹のある人がないからで、それは、今の大臣は殆ど大学出、殊に東大です。で、だんだん人物が小さくなり、理窟だけは知ってゐるが  どうにもならない石頭になってるからです。昔の政治家は余り学問なんかしなかった。トルーマンは一九二一年には小間物屋の小売をやってゐたさうですね、デューイの方は大学を出てますが。私も以前は小間物屋をやってゐたので大いに意を強うしてゐるんです。(笑声)

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“仏滅になると仏の力は弱くなるのでせうか、或は全く無くなるのでせうか。

“全く無くなるんですね。つまり、仏は月ですから太陽が出れば月の光はなくなって、たゞ白くなってしまふのです。

“そう致しますと今迄の仏は神に帰られるのでせうか?

“えゝそうです。阿弥陀は月読命、釈迦は若姫君尊といふ女の神様です。が、今度も又その神様に帰られるかどうかは判りません。

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“御弟子を指導させて頂く場合、差別と平等はどの様に致すべきでせうか。例へばずっと以前から御弟子になっても大した働きのない人と、御弟子になったのは新しくても大いに働きのある人との場合は如何致すべきでせうか。

“之はね、どっちとも決めてはいけないのです。働きと古さとどっちに片寄ってもいけない。古い人には古い人としての功績があり、骨董ではないが古さの味がある。(笑声)そしてどちらを主にするかと言へば、勿論働きを主にすべきです。そして臨機応変に丁度よくやったらいゝのです。こういふ事は世の中の人間は下手でね。又学問では駄目ですよ。――差別は縦であり平等は横ですからどっちに片寄りすぎてもいけないのです。この前、社会党が煙草の配給を男女共同じにしたが、実際は女より男の方が喫むのだから之では不公平です。だから私は「公平は不公平で、不公平が公平だ」といふのですよ。(笑声)

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“左臀部神経痛で来た婦人、神経痛は治りましたが、以前からの便秘症には変化がなく最近は却ってひどくなり、恥骨周辺に激痛が時々起り小用が漏れると申します。以前開腹手術をした事がありその際相当量の全身麻酔を行ってゐます。右便秘の原因を御教示下さい。

“之はその時の薬毒です。一寸永くかゝりますね。手術した時の薬毒が下って来るんだから、その奥へ届く様によく御浄霊して上げる事です。――便秘の原因はいろいろありますが、小食の人、食物をよく噛む人、直腸が狭い場合、之は毒の固りがあるためだからそれを溶かせばいゝ。それから又水分の摂り方が少いと便秘しますね。

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“最近山梨地方に真赤な火の玉の様な流星が現れましたが、如何なる意味でせうか。

“流星の大きいのが出たさうですが、之は星が破裂するんです。大空には暗星といって見えない星がどれ位あるか判りません。所がこの暗星が硬化して来ると光り出すんです。そして硬化が頂点に達すると破裂して、二つになったり、三つになったり、或は無数に粉々になったりするのもあります。

“人間の数と星の数とは同一でせうか?

“えゝ同じです。

“星の中には自分で光を出すのもあるのでせうか?

“それはありません。宇宙で、自分で光を出すのは太陽だけで、星はすべて太陽の光を反射するんです。

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“左の事柄に就て御伺ひ申し上げます。

一、眠りにつく時ウナサレる人。

“之は霊が来て押しつけるんです。なかなか苦しいんですがね。

“二、若白髪(ワカシラガ)の原因、及び見苦しい所に白髪染使用の可否。

“之は薬毒です。私の頭の白いのも薬毒のためです。私は若い時歯が悪くて相当薬を使ったんですが、それが頭を使ったため頭へ集ったのです。白髪染は使ってもいゝですが、頭に附いたりすると浄化を起す事があります。

“三、御浄霊してゐて死亡した場合、一時発展の妨げになりますが、之は如何致すべきでせうか。

“之は打棄らかしておけばいゝんです。死んだ霊が霊界で働いて呉れますから。自分が死んだため迷惑をかけたのを取り戻さうとして大いに働いてくれますからね。

“四、満洲風邪の流行は浄化が強くなったためでせうか。

“いろんな風邪がありますからね。無論浄化が強くなった事も関係してるでせう。

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“三月三日、五月五日の御節句の意味について御伺ひ申し上げます。

“数から言ふと五が男、三が女です。  五は火、三は水ですから、三月三日が女、五月五日は男になったのです。だから「伊都能売」は五と三と書いてもいゝのです、イズは火、ミズは水ですから。三五といふと火が下になるから五三が本当です。

“七五三などは如何でせうか?

“七は土ですから之は嘘ですね。七五三ではなく、五六七が本当です。

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二月二十八日(月)

  (本日は光宝会、明成会、長生会と共に御面会を頂く)

“過日の新聞に、二十二年度国勢調査の結果が発表されて居りましたが、それによりますと婦人に長命者が多い様ですが、如何なる訳でせうか。

“えゝ、昔からそう言ひますね。之はね、本当の原因は病気になった場合でも、親爺は一家の中心となって働くので、親爺が病気だと大事にするんです。大事にするから早死するのです。むしろ打棄らかしておいた方が永生きします。だから女の人の方が永生きするんですね。子供でもそうで、一人息子なんか大事にするから弱くなり、「こんな餓鬼はくたばってしまえ!」(笑声)なんて言はれる子の方が丈夫なんですよ。

“御道の会員や患者にしても婦人の方が多いのは何故でせうか。

“之はね、女の人の方が第六感がよく働くんです。男の方がこの働きが悪い。信仰に入るのもこの第六感が働く人の方が早いんです。又信仰に入るのは中流以上の人は少いんですが、それは中流以上の人の方が二号などをおいたりする事が大体多いものです。所が信仰に入るとそういふ事を止めねばならない。そういふ不純な事が出来ないので、副霊が信仰に入る事を止めるんですね。そういふ事もあるんです。みんな意外な原因許りです。(笑声)

“自由主義の世の中になり、婦人の社会進出が目覚ましくなって参りましたが、その正しい在り方に就て御伺ひ申し上げます。

“婦人が社会に出て働くのもいゝし、家に在るのもいゝ。然し、原則は家庭に在って子供を沢山生んで、立派に育てる事が本来の使命です。所が、今迄は女性の権利を認めなさすぎたゝめ不公平だった。で、その不公平を改めようとするのが婦人解放運動ですが、之は当然ですね。女性が外へ出て働く事も必要ですが之は少くていゝ。だから余り片寄りすぎてはいけないのです。女性の中の一部の人々が社会へ出て、その中の一部の人が代議士等になればいゝんです。

“男女同権といふ点からは如何でせうか?

“西洋は横だから男女同権なのですが、東洋、殊に日本は縦だからこうなのです。(左右の人差指を以て    の形を御示し下さる)西洋はこうです。(同様にの形を御示し下さる)だから東洋は男主女従ですが、西洋は女主男従です。――先日或家へ行ったんですが、そこの家は西洋式なので女をとても重んじてゐて、一寸変だったですね。だから日本では矢張りそこに相違がなければならないのですが、「五六七の御代」になれば東洋では女の方がもっと上にのぼり、西洋では女が下へさがって、それで丁度よくなるんです。

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“老人と若夫婦との同居と別居とは何れが宜しいでせうか。

“之は別居がいゝですね。事情の許す限り、子供が成年になったら親から離れるのが本当です。動物を見たってそうです。子供が大きくなったといふのは親が一仕事すんだ事です。だから、余りそばにばかり居たんでは子供の活動力が伸びませんよ。

“親は老後をみて貰ふために同居する様ですが――?

“それは勿論、別居してゝも子供は親の面倒をみるのが本当です。生活上、いろいろの理由から自由に行かないのなら仕方がないですが、出来るだけ別居した方がいゝですね。

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“我と執着をとるための最も手近な具体的方法に就て御伺ひ申し上げます。

“とらう!と思ふんですよ、之が一番いゝ方法です。「俺は我と執着をとるんだ」と始終思ってれば自然ととれますよ。我は自分にあるんだから、自分でそう思へばいゝ。人にとって貰ふ訳には行きませんからね。(笑声)我と執着のために人間は不幸を招くんだから、之をとるといゝ事が来ますよ。霊界でも霊に執着があると天国へは上れない。執着がとれれば上れるんです。同じ様に人間にも執着があっては駄目です。私も以前は執着があったのですが、さらりととってしまいました。とるのは何でもないですよ。といふのはね、すべて神様がやって居られる――といふ事を意識するんです。自分がやってると思ふとなかなかとれない。だから、自分で思ふ様に行かない場合は、これは何か神様が必要があってなさって居られるのだ――と思ふ事です。

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“一人でも多くの人を救はうと悩む事は如何でせうか?

“教導所などが不振なのは、何か神様の御気に入らぬ点があるんだから、それを見つける事です。「信仰雑話」をよく読めば判ります。あれは標準を教へてあるんだから。「信仰雑話」は何回でも読まなければいけません。よくあの中に出てゐる様な事が質問に出ますが、之はよく読んでない証拠です。

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“二十三才の男、精神に異状を来し、一昨年七月より九月迄精神病院に入院。十一月より昨年二月迄医大に入院、現在は自宅療養中ですが、最近乱暴をする様になり家人も心配して居りますが如何でせうか。又、御軸を御祀りする事は如何でせうか。

“御浄霊で治ります。御軸も祀ったらいゝでせう。

“御軸を破ったりする心配がありますが――?

“破る事を心配してゝは駄目です。若し破られたら、それはそれで意味があるんです。両親が教修をうけて前頭部と後頭部をよく浄霊すれば治ります。二十三位では可哀想です。

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“三十四才の男、昨年九月より患ひ肺結核と診断され昨年末まで家庭にて療養本年一月より約一ケ月入院、現在は御浄霊中ですが、一週間程前より食事も進まず睡眠もとれず本人は自暴自棄的になって居ります。二日前、本人は自分の部屋から光が出て行くと申しましたが何か意味がございませうか。

“食慾もないので一寸難しいですね。まあ「信仰雑話」や「地上天国」を読ませて――つまり我を去って信仰に傾けば御守護が頂けるから、そういふ風にしたらいゝでせう。然し薬毒が多いから浄化が始るんでね――まあ、やって見るんですね。本人が希望すれば教修を受けさせてもいゝですよ。

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“生後十ケ月の幼児、生れて間もなく高熱を出し体が硬直し約八日間一度も乳を飲まなかった事があります。以後体は普通に発育しましたが視力が全然なく笑ふ事もしません。(御浄霊により眼は綺麗にはなって来て居ります。以前の高熱は恐らく脳膜炎かと存ぜられます)御救ひを頂けませうか。

“之は治るでせう。矢張り脳膜炎ですね。気永にやれば治りますよ。頭に触ると熱い所がある筈です。それが毒の固りですから、それが溶ければ治ります。赤坊は殊に治りが早いですからね。

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“三十四才の女、食事の時誰かゞ自分の御飯に唾を吐くといって一粒々々捨てたり、手拭でふき乍ら喰べたりします。その「誰」かに「別の茶碗で喰べろ」といっても駄目らしく、御浄霊は廿回位致しましたが余り変化がありません。如何でございませうか。

“之は霊ですよ、食物の怨みの霊が来てるんです。こういふのは治りますがね。そんなに手数はかゝらないんだが――然し精神病の一歩前ですね。以前狐憑きの人で、物を食べようとすると耳許で「その中には毒が入ってゐる。喰べると死ぬぞ」と言はれびっくりしてよしてしまふ。蕎麦屋へ行ってもそうだし、寿司屋へ行っても同じで、何処へ行っても喰べられずぐるぐる廻ってゐた人がありました。で、私は「あんたは狐に騙されてゐるんだから、騙されるもんか!と思ひなさい」と教へ乍ら浄霊したら段々よくなりました。だから、そういふ事を話して御浄霊して上げなさい。大体右側の延髄と前頭部が大事です。

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“吃りの原因は何でせうか。

“之は頭と舌に一寸毒があるんです。そのために頭の意志が舌まで伝るのに手間がかゝる。頭をよく浄霊して上げなさい。毒のある所には熱が出てますよ。気永にすれば治ります。

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“新産児の兎唇(ミツクチ)は如何なる訳でせうか。

“前世で四ッ足の霊だったのが転生した場合、それが残ってゐると兎唇になるのです。つまり霊界の浄化が足らない中に生れて来たのです。前頭部と唇を浄霊すれば少しはよくなるでせう。やっぱり兎なんかゞ多いのでせうね。

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“新産児の黄疸には病的と生理的と二種類あるそうですが、生理的黄疸は何故起るのでせうか。

“赤坊は黄疸を起し易いですが、大きくなるに従って治りますよ。生理的といふのは、産道を出る時に肝臓を圧迫されるからで、肝臓の所に胆嚢がありますから圧迫された結果、胆汁が余計出て来るのです。生理的でないのは肝臓に毒の固りがあるからです。

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来月八日から週刊の新聞を発行しますがね――丁度神様がうまく御膳立てをして下さったので、やらなければならなくなったのです。こっちが発展するにつれて、新聞などでいろいろとうるさい事が起りますが、そういふ事も却って宣伝になるからいゝんですが、段々とのさばって来て余りつまらぬ事を言ひますからね。だから、どんなケチなものでも、こっちでも新聞を出すとなると、先方もそう出鱈目は言へなくなりますから。一枚売り十円、一ケ月四十円ですが、大いに利用して貰ひたい。名前は「光」といふんです。世間で「御ひかり様御ひかり様」と言ひますからね。(笑声)光の弾丸です。光といふ名は雑誌や保険にはあっても新聞には未だないですね。

“煙草にあります。

“あゝ、煙草にはありましたね。(笑声)

(「発刊の辞」を井上先生朗読)

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“それから今度、飛騨の高山で――あすこは大分発展してゐるので、時々医師会等との間に問題を起すんですが――迷信邪教について放送討論会を開く事になり、名古屋の放送局からしゃべれる人を数人よこしてくれといって、まあ招待を受けたんで、私が原稿を書いたんです。

(以下、井上先生朗読)

迷信邪教について

世間、迷信邪教といふが、迷信邪教の一番はキリスト教である。キリスト在世時代を考へればよく判る。当時、迷信邪教と誤解されて、十字架にまでかゝられた事実が物語ってゐる。それが時の経過によって、迷信邪教の汚名は消え、今日の如く立派なものとなったのである。宗教の殆どは、生れた当時は迷信邪教視せられたものである。日蓮も、親鸞も、法然もそうであった。だから、実際、迷信邪教であるか否かは時を待たなければ確定は困難である。本当の迷信邪教であれば必ず滅びる。そうでなければ必ず発展する。今日、新宗教でさえあれば、十把一からげに迷信邪教といふが、成程本当の迷信邪教もあるが、そうでないものもあるべき筈である。観音教団が迷信であるかどうか、徹底的に検討して貰ひたい。処が、少しも触れない人々が、尻馬にのって、迷信邪教視してゐる様に見える。故に、馬鹿らしくて返答のしようがない。多くの医師から見放され、死の宣告を受けたものが起死回生し、立派な健康体になったものは、実に無数に上るのである。又、不幸なものが幸福になったり、不良が改善された等等の、現実に社会に貢献しつゝある吾々に対し、どこに迷信があり、邪悪の点があるか聞かして貰ひたい。一年有半にして、十万以上の信者が出来るといふ事は空前であり、何を物語ってゐるのであらうか。全く眼の前に見る顕著な御利益や、奇蹟によるからである。民衆を侮る事の間違ってゐるといふ事は、今回の総選挙がよく教へた。故に、本教の発展こそ、民衆の批判の正しい事を示してゐると思ふ。

疥癬について

本教団に疥癬が盛んといふ批評があるが、之は色眼鏡で見るからである。大体、疥癬病は経験上地域的に流行するもので、之は医家もよく知ってゐる筈である。故に、その流行の地域にある本教の支部へは、自然、多数の患者が浄霊に来る訳である。それは、浄霊によって非常に効果があるからである。それは、完全に治癒する事、全然患部へ触れないから、伝染の危険のない事、全快後、罹病以前より健康増進する事等である。特に、此病気に注意すべき事は、薬剤塗布、又は薬湯等によれば、湿疹は速に消滅する。然し、之は治癒ではない。毒素排除を止めたのであるから、当然の結果として全身浮腫を生じ、肺及び心臓が圧迫され、生命の危険に及ぶ事は、吾々の屡々経験する処である。此意味によって、本教の浄霊による限り何ら生命の危険もなく、伝染の憂ひもないといふ理想的方法である以上、政府は大いに奨励すべきであると思ふ。此様な効果を挙げつゝある本教が迷信とすれば、迷信と評する人士こそ、立派な迷信者である訳になる。

(((*1))光話四号  昭和二十四年)   注:((*1))  (奥付不明だが他号との関連により推測される)