御光話録  昭和二十三年十月

十月八日(金)(熱海別院にて)

【お伺】無肥料栽培の二年目で獲れた米でございます。(現物を御覧に入れる)一升につき二十匁、一俵で二、三升重い様です。

【御垂示】四年目位から増収になります。無肥料でやれば第一花おちがしない。背丈は少し低いが茎は太い。肥料をやると弱くなり茎も風に折れたりする。見た所は立派ですがね。――段々無肥料にして行かねば駄目になりますよ。最近虫害の多いのも肥料のためです。無肥料なら実際手間が要らない。消毒薬を使へば虫は死ぬが一緒に土も死んで了ひます。まさか土にかゝらぬ様に薬を使ふ訳にはゆきませんからね――。

【お伺】果実は如何でせうか。

【御垂示】いゝですとも、何でも――何しろ薬を使ふと弱くなって了ふのです。人間も薬をのむととても弱くなるのです。然も化学肥料を使へば米が之を吸ひ、そして人間が喰べるので体が非常に弱くなるのです。

――果実なんかも同じだが根の周りの土を固めてはいけない。冬の間に根の周りを掘って土を柔らかくしておくといゝ。春になると細い根から養分を吸って大きくなるのですから。

――堆肥は使ってもいゝですよ。掘った所へ入れたらよい。堆肥は草の葉の方がいゝ。木の葉は繊維が固いから畑なら土の下へ一尺位の厚さに草の葉を入れ、更にその下に一尺位木の葉を入れたらいゝ。堆肥は熱を出し暖めるからいゝのです。魚の腐ったのや鶏の「フン」も極いけない。木の葉や草ならば自然でせう。そこらにもあるのですから、その自然がいゝのですよ。雑草はよく伸びるでせう。あれは無肥料だからですよ。

――田圃へやる水をあたゝめるのは結構です。池へ溜めておくのはいけない。却って冷えて了ふから。「日なた」を余計流してから田へ入れる様にしたらいゝのです。木やわらの灰もやらぬ方がいゝ、天から灰なんか降って来ないでせう。肥料に使ってゐる石灰だって灰ですよ、木と石の違ひだけです。

――無論無肥料でやるからって改良は必要ですよ。稲なんかも神様が最初作られた時は一穂に五粒位だったんですが今では大体三百粒位でせう。人口の増加と平均して米粒の出来るのも殖えるのです。今日本は食ふだけの米がとれないが本当はとれるべきで、とれないといふのは、とれない様な事、間違った事をしてゐるからです。

【お伺】人口に比例致しますならば大浄化で人間が減れば米も減産でせうか。

【御垂示】さうですね――米は減りませんね。田地を他に使ふとか、米を別な方に使ふとか少い国に輸出する様になるでせう。祝詞にある様に「五穀稔りて倉に満ち……」といふ風になるのです。

(昭和二十三年十月八日)

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【お伺】伊勢の内宮及び外宮併祀の由来及びその意義について御伺ひ致します。

【御垂示】内宮は天照大神、外宮は豊受明神を祀ってますが、天照大神は主食につき非常に関心を持たれ豊受明神に命じて全国に稲を配らせた。この時明神は狐を使って配らせた。稲を荷ぐと書いて稲荷(イナリ)と云ふのはその為で、その時の功により祀られたのです。だから稲荷は百姓が拝むべきで、今芸者や女郎などが拝むのは狐が堕落したのです。勿論普通の稲荷神社も豊受明神の御分霊が祀られたのですが、狐の方が強くて御分霊の力が弱くなり統制がつかなくなった。而も夜の世界で天照大神は御引退になって居られたので余計狐が強くなったのです。豊川稲荷なんか途中からダキニ天神を祀ったが、之は金毛九尾の狐ですよ。

(昭和二十三年十月八日)

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【お伺】考へる自己は、本、副守護霊の何れに属するのでせうか。

【御垂示】考への根本は本霊ですが、副霊も考へを混ぜるんですね。その時本霊に力があればいゝ事をし、副霊に力があれば悪い事をするのです。平沢なんかは凶行の時は副霊だけになって了ふのです。

――堀崎捜査課長は今年の三月、御守りを頂いたが、今度平沢の頭を御浄めしたらポロポロ涙を流しそれから間もなく自白したんです。それは副霊が少し減り、それ丈人間らしくなる、いはゞ仏心が出るのです。良心が閃くんです。ですから帝銀事件は私が解決したのです。その中に堀崎課長や藤田部長らが私の所へ礼に来るさうです。

――人間は始終迷ってゐるのですが、之は本副両方の働きです。だから両方の中間が人間の考へとなるのです。勿論いかなる時も本霊が勝たなければいけない。

――綺麗な細君を見れば、あんな美人と結婚した人はいゝなと思ひ、美しい娘をみれば結婚したいと思ふ、「思ふ」事は差支へなく、又誰でも「思ふ」ものです。之が副霊の働きです。が、之を抑へて行動にまで行かせないのが本霊です。思ふ事、想念は自由でいゝ。キリスト教ではそういふ風に「思ふ事」を罪だといふが、それでは余り固すぎます。然し始終思ってゐると思ひが移ります、そうなると執着になるからいけない。

(昭和二十三年十月八日)

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【お伺】イエス、阿弥陀が贖罪をなした因縁について――

【御垂示】イエスも阿弥陀も月の系統ですが、阿弥陀は贖罪はしてない。阿弥陀は月読命、イエスは素盞嗚尊です。月の照った時は阿弥陀の働き、素盞嗚尊は闇の世界です。素盞嗚尊は立派な神様ですが、邪神に負けて悪をして了ったのです。尊は日本で乱暴をしたために、伊弉諾尊に追放せられ外国へ行った。それがユダヤであり、そこに住んで十二人の子供を生んだが、その中からキリストが出て、日本で犯した先祖の罪の贖ひをしたのです。

(昭和二十三年十月八日)

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【お伺】既成宗教の信者が御道に入った場合、何かと今迄の信仰が障りになりますが如何に致したら宜しいでせうか。

【御垂示】之は打ちゃっておけばいゝのです。丁度染物見たいなものでよく染ると色抜きに手間がかゝる様なものです。矢張り宗教は想念、魂の問題だから改めるのには相当の時間が必要なんですよ。まあ他人の色抜きの心配より御自分の色抜き――反省の必要があるんですよ。

(昭和二十三年十月八日)

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【お伺】目下全国的に松が枯れていますが、どんな意味があるのでせうか。

【御垂示】松の枯れる事には意味がある。六、七年前私は自動車で大磯藤沢の海岸をドライヴした所随分松が枯れてゐた。で、「之は日本に不吉がある、天皇に事がある前兆だらう」と話した事がある。松の字は木扁に公(キミ)と書き「木の王」で皇室に関係がある。天皇が今度低い所へ堕ちたから或程度枯れる訳です。一番先は琵琶湖の辺りの唐崎の松が枯れたので「何かあるな」と気がついたのです。家の中でも木が枯れると何かありますよ。松ならそこの主人、他の木ならそこの眷族に関係がある。

(昭和二十三年十月八日)

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【御垂示】鬼門の方に便所がある場合は作り直すべきだが、そんな所へ住むのはその人の霊が低いからです。作り直すことが出来なければ自分の霊を高くする事に努めるべきで、高くなれば自然と他のもっとよい所へ移って行ける様になるのです。頼りない様だが之が絶対の方法です。

(昭和二十三年十月八日)

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【お伺】教導師同志で恋愛関係になった場合は――

【御垂示】独り者なら結婚してもよい。親が反対の時は約束だけして時機を待てばよい。その中に神様がちゃんとやってくれるから。

【お伺】子女が御道の者同志の結婚を希望するのに対して親が反対の場合と、心中もしかねまじき程に恋愛が熱烈の場合は――

【御垂示】ははあ出ましたね。無理に一緒になっても親の怨み等の想ひが来ると難しい。だから時機を待つ事です。神様が親を判らせて下さるから。

――恋愛は副霊同士の関係です。で、その最中は幸福でも、やがてそれが苦しみの動機になります。だからその恋愛が正当なものか否かを常に充分に自己批判する事で、それをせずにそんな関係を続けては却って罪になります。自己批判をしても正当であると思へたなら結婚に入るべきです。が、その場合親が反対したら我慢して時をまつ事です。

(昭和二十三年十月八日)

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【お伺】二階に御軸を御祀り出来ない時階下に御祀りしても宜しいでせうか。

【御垂示】階下の床の間と二階の床の間が上下に重なって居れば宜しいが、さうでなく二階を人間が使ってゐるのなら却って失礼になる。之もさっきの鬼門の便所と同様そんな所へ住むのはその人の霊が低いからです。

(昭和二十三年十月八日)

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【御垂示】御軸でも「光明如来」の方は御神体だが、以前書いた「光明」といふのは光だけで御神体ではないから御挨拶はしなくても宜しい。

(昭和二十三年十月八日)

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十月十八日(月)

【お伺】「天国の福音」中に肺病で死んだ娘の霊が天人になって兄に忠告に来たと拝見致しますが、病死した霊も天人になれませうか。又之は大先生が御祀り下さったためでせうか。

【御垂示】病死した霊でも子供や処女は非常に天人になり易い、汚れが少いから。特に私が祀ったのは天国で直に救はれる。普通の人ではさうは行かないが、然しこの道の信者が祀ってやれば、外の宗教の人が祀るよりずっと早く救はれます。又病死しても霊界ではずっと治り易い。

【お伺】此の世で悪事をした人は如何でせうか。

【御垂示】御浄めで救はれる。が、罪が重ければ地獄へ行き、軽ければ八衢で済む。中には地獄へ行っても改心しないものもありますからね。そんなのは最低地獄です。平沢は極寒地獄ですね。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】地獄の霊と天国のとでは再生はどちらが早いでせうか。

【御垂示】此の世に執着の多い方が早く生れる。――あの世を喜ぶ人があるが、喜ぶより何も考へないのが一番いゝ。あの世を喜ぶとあの世への執着になるから。まア行ってみるんですね。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】三日程前牛と犬が焼け死にましたが、一晩で或人が気が狂ひ「俺は焼け死んだ牛だ」とか「焼け死んだ犬だ」などと申します。牛と犬のためでせうか。

【御垂示】無論両方憑いてゐる。浄霊すれば急には治らぬが段々に治ります。こんなのは人間が畜生道へ堕ち、牛や犬になったのです。焼け死んだので苦しんでるのです。

【お伺】その場合御浄霊で救はれるのは憑かれてゐる人が浄まるためでせうか。

【御垂示】その牛も犬も救って貰ひ度いのです。焼傷(ヤケド)して苦しんでるから。で、浄霊で苦しみが除ければ牛、犬の霊はその人から離れて行きます。祝詞(幽世大神)を上げてやればよい。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】鎌鼬(イタチ)の原因及び昔盛んに間引をやった土地を救ふ方法に就て――

【御垂示】鎌鼬といふのはないのです。唯皮膚が亀裂するのです。脂肪や血液が足りぬ時、そこが自然に切れるのです。――間引の霊は一人一人の名前は分らないから三界万霊とすればよい。こんなのは土地の万霊の位牌を作り、仏壇の一番下座に安置したらよい。分った人だけが祀ればよく、土地全体としてやる必要はないでせう、義理でやったのでは誠が通じないから。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】救と裁きの関係につき御教示を御願ひ申し上げます。

【御垂示】之は密接な関係があります。裁きがあり善悪があるから、救はれるのと救はれないのが決るのです。普段だって神様は裁いて居られるが、普段の裁きと最後の審判とは意味が違ふのです。最後の審判に於ては人類全体が裁かれるのです。然し誰でも裁かれない中に悔い改める事が救はれる事なのです。

――そこで一番困るのは、人間が人間を裁く事です。之が一番間違ってゐる。あの人はいゝ人だとか何とか言って人を裁くのは、その裁く人自身が裁かれてゐるのです。人を裁く前に先づ自分を裁く事です、反省する事です。他の人をいゝ人だとか悪い人だとか言ふことは大変な間違ひです。又救といふ事にしても、人間が人間を救ふ事は出来ない。救ひをなさるのは神様であり、人間は唯その道具にすぎないのです。然しその道具に使はれる事が有難いのです。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】薯、牛蒡等を喰べると「ガス」の出る訳は――又「ガス」は毒の気化でせうか。

【御垂示】ガスはね、腐敗から出るのです。で、薯、牛蒡は腐敗し易い、消化が遅いんです。まあ喰ひすぎるんですね。適当に喰へばいゝんですよ。――以前或る病人で口の辺へ火をもって行くとパッと燃える人があったが、之は本当のメタンガスです。之はそんなガスの出る毒が体内に在るのです。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】七福神の因縁に就て――

【御垂示】印度、支那、日本の特殊の人から取ったのです。

一、恵比須は伊弉諾尊の子の蛭子で「蛭子の御堂」とも言はれる。又骨なしとも言はれるのですが、之は気骨のない人の意味でせう。まあ始終ぶらぶらして釣許りして  ゐたんでせうね。

二、大黒は印度の神で、吾国の大国主命と一緒にするが之は誤りです。

三、福禄寿、支那の人で、支那では大抵福とか禄とかついてます。縁起をかつぐんで  す。

四、布袋、之も支那で恐らく大きな風呂敷を背負って歩いたのでせう。まあ乞食坊主  みたいなものでせう。

五、毘沙門は印度の武将です。

六、弁天、之はおかしいのです。素盞嗚尊の三女臣の一人の市杵島姫尊(イチキシマヒメノミコ  ト)と云はれるのですが「天」がついてゐる。(註、天は  印度の神)弁天は財宝の  神にも芸術の神にもなってゐる。だか  ら芸人はよく祀りますね。確かに弁天は芸  能が好きですね。  弁天の使の蛇も芸術が好きです。

【お伺】何か弁天に御詣りすると夫婦別れをすると聞きますが――

【御垂示】蛇は嫉妬深いから巳の年巳の日生れの人は嫉妬深く、又物質を集める力を持ってます。先に名古屋の有名な旅館の女将から聞いたのですが、そこには蛇が沢山ゐて繁昌してゐた。所が後に火事になり旅館も焼け、蛇も皆焼け死んで了った。そこで新しく建てたが今度は全然はやらず遂に旅館を止めてしまったさうです。

――又芸術に就ては大阪に木市セイゴといふ謡をやる人があったが、舞台で謡をやる時よく皆がする様に舞台の下に水ガメを置き、中へ水を入れておいた。之は声がよく響くからです。そうしたら大きな蛇が来て水につかり乍ら謡を聞いてゐた。之はその母親にお知らせがあり、その蛇は弁天といふ事が判った。又こんな事もあった、「御宮に綿を入れてくれ」との御知らせなので入れた所、やがて白蛇が沢山生れた。綿はお産に必要だったのです。手を出すと白蛇が手にのったりして終ひには五六匹袂へ入れて舞台に出る。が、謡を始めると蛇が袂から出て踊り出したさうです。

――印度の蛇も笛に合せて踊るさうですね。

七、寿老人、支那の長生きした老人でせう。これらは日本で昔の人が集めて作ったものですよ。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】結核菌が毒の多い人の体に入っても感染しないでせうか、又小児結核は――

【御垂示】絶対感染しません。前に私は菌をなめてみた事があったが大丈夫でした。湧くんですよ、痰が古くなるとね。だから結核患者とキスしても大丈夫ですよ。結核菌は空気伝染する位だから弱いんです。又之には掃除の役目はないのです。之はパスツールが伝染の理論を発表してから自然発生の説がすたれたのですが、パスツールの方が間違ひです。コペルニクスの地動説だってさうで、昔キリスト教時代の天動説の方が合ってゐるのです。小児結核も一医者が云ふだけで医者が作ったのです。結核なんて病気はないのですよ。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】小児麻痺は憑依霊が物質化し毒結となって腕、脚の成長を妨げるのでせうか。

【御垂示】之は脳溢血で死んだ霊が憑くんです。霊が物質化するのは脊椎カリエス等です。小児麻痺は霊のためだけで発育不良になるので別に物質化するのではないのです。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】自殺とか帝銀事件の如く殺されたりする場合、その人の守護霊はどの程度に守護するのでせうか。

【御垂示】正守護神は災を防ぐがその人に曇りが多いとそれが判らない。所が副守護神の方はもうこんな肉体から出たいと思ふと殺させます。一方本守護神は神だからどこまでも救はうとなさるが、その人に曇りが多い時は霊界で修業させるため死ぬ様にする事もあります。助けるのは正守護神だけです。だから助け方にも、肉体を保って助ける事もあり、肉体をなくして霊界で助ける事もあります。

帝銀事件でも守護神は大いに助けようとするが、今の人々は信仰心がないから霊が曇り放題曇ってゐるので気がつかない。正守護神が怒鳴っても聞えず、見せても盲で見えないといふ訳です。平沢なんかは特に邪霊が憑いて兇行をやらせたといふより、頭が副霊だけになって了ったのです。狐でせうね。平沢の懺悔録に普賢菩薩が現れたとあるが、之は普賢菩薩と平沢家と何か縁があるのでせう。普賢菩薩は象にのり、文珠菩薩は獅子に乗ってます。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】双子や時には三ッ子四ッ子等の生れるのは何故でせうか。

【御垂示】前世にね、動物だった霊が人間に生れたのです。犬や鼠です。だから余り名誉な事ではないのです。もっとひどいのは葡萄状鬼胎でこれなんかは蛙かなんかだったのでせう。その場合生れる子は普通なのですが、親が前世で動物だったのです。

(昭和二十三年十月十八日)

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【お伺】言霊学上ア行以下各行の働き、意味につき御教示を御願ひ致します。

【御垂示】ア行は天、火、霊の働きで、オ行は地の働きです。ウ行は中間。

  ア行、基礎音、上の働き、例へばアタマ等。

  カ行、物を区切る働き、カ行音の人は几帳面です。

  サ行、天狗の音、サ行音の人は天狗で、云ひ出したら聞かない。

サ行音が二つの人は特にさうです。

  タ行、物を強める働き。

  ナ行、地の音、七の働き。

  ハ行、開く、又火の働き、八。

  マ行、女性音、オミナ等。

  ヤ行、速度の働き。

  ラ行、竜神の働き。

  ワ行、和、輪、柔らげる働きです。

(昭和二十三年十月十八日)

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十月二十八日(木)

【お伺】大浄化は来年辺りから急激に来るのでせうか、又は三、四年経ってから急激に来るのでせうか。

【御垂示】大浄化はもう余程前から来つゝあるんです。今もさうです。終戦後特権階級の没落とか、皇族の生活難とかはさうです。今政界がゴタゴタしてゐるのも大浄化です。そして大浄化は急激には来ません。段々に来る。如何なる事でも急激に来る事はないんです。

【お伺】会員の疥癬が最近見られない様ですが――

【御垂示】疥癬は段々来なくなります。浄化が強くなるから、疥癬ではなくもっとひどい浄化をする。まあそうなったら大抵生命がないでせうね。つまり疥癬が天然痘の形になる。それ丈ではなく、天然痘の外に他の病気も加はりますから。

【お伺】その時は急激でせうか。

【御垂示】えゝ急激です。――今は外の浄化が来てる訳だが、まあ神様が旨くやってられるんでせう。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】現在世界状勢は非常に険悪になり、第三次大戦の危険も見られますが――

【御垂示】支那の戦線も大変な浄化ですね。日本のは没落といふ風な浄化だが、支那のは大変ですね。朝鮮の浄化も大変です。

――然し私はいろんな予言はしませんよ。どうも問題になって困る。私の言った通りならいゝが「おまけ」がつくから。

――「今に大審判が来て観音教団の人だけが助かる」なんて言ふので地方の新聞なんか煩いんです。新しい宗教の予言は世界が煩くて仕方ない。キリスト教で言ふ「世の終り」といふ事なんかは誰も何とも言はないが、とかく新しい店といふのは何ですよ、評判がうるさいですよ。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】御浄霊により肉体的に救はれても精神的に更生される方の少いのは何故でせうか。

【御垂示】精神的に更生出来ないといふ訳は?

【お伺】例へば何時までも夫婦喧嘩を続け一向更生した様に見えない事がありますが。

【御垂示】所がなかなかさう変りませんよ。夫婦喧嘩しなくなる迄二、三十年はかゝりますよ。急激にぼんぼん変れば大したものですよ――それよりも人ではない自分です。自分がそう簡単に治るかどうかを考へたらよい。五年かそこらで自分の心を治せたら大したものですよ。それから時機といふ事もありますしね。順序や段階がある。以前私が大本教に入ってゐた頃いゝ宗教だと思ってゐたが、一寸面白くない事があり五年位止めた事がありました。所が或人からもう一度研究してみる様にと言はれたので又やり直したら、やゝ判り、それから熱心になった。結局は私は大本教とは別れたが、その間は随分熱心にやりました。その時得る所が多く今でも感謝してゐます。

こういふ風だから唯表面から見て、いゝとか悪いとかは言へないんですよ。初め熱心でそれから不熱心になる人もあり又その逆の人もある。働きのありそうな人でも結果の出ない人もあり千差万別です。又時機によってその人の本当の働きになったりするのです。だから私は大抵の事は何も言はずにやらせると旨く行くのです。間違った事をすれば何れ行き詰り、自分でビックリして改心する事もあります。人間は執着をとる事も必要なんだから放っておいた方がよい。行きづまる所まで行かせた方がよい。坂を転り落ちる石を途中で止めようとしても無理で、落ちる所まで落して了ったらよい。その時に話をしてやる事が効果があるのですよ。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】大先生様の御生誕遊ばされた十二月二十三日に今の皇太子殿下も御生れですが何か御因縁がおありの様に拝察致しますが如何でせうか。

【御垂示】私も不思議な因縁があると思ってます。十二月二十二日は冬至で二十三日から春分になる。本当はそうです。それがどうした訳か忘れましたが一週間延びて元旦になったのです。私の歌の名は明麿だがあれは皇太子殿下の明仁といふ御名前を頂いてつけたのです。最初治療所を開業したのは昭和九年五月一日ですが、一週間前の四月二十三日にそこへ越した。その時新聞やが来て新聞を買ってくれといったが断った所、皇太子様の御写真だけおいて行った。で、その新聞をとる事にしたが、御誕生四ケ月目の御写真を頂いて不思議に思ひました。近所の古道具やで額を買って来たらピタリと合った。之が今宝山荘にありますよ。何か御因縁がある様ですが今に具体的に表れる事と思ひますがね。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】天人の御話で処女は罪が少いと伺ひましたが、既婚の婦人は罪が深いのでせうか。

【御垂示】罪ではなく汚れが少いのです。女性は生れて結婚するのは常道だからおかしいですがね。――とも角霊界で処女はいゝ所へ行くんですよ。子供の霊は天国の花苑の仕事をしてゐます。女は一人前になると執着が起る、それはありますね。恋愛だって一つの執着ですからね。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】「ガ行」「ザ行」等の濁音、「パ行」等の半濁音の働きに就て――

【御垂示】ガ・ザ等の濁音は濁りでいゝ働きではない。「タメ」といへばいゝ、「人の為」といふ風に。然し「ダメ」では悪いでせう。然し濁りも必要ですからね。「イスヾガワ」なんかの「スズ」も、スが上でズが下だからいゝです。ユダヤはジューでありズですから、ズには唯物的な働きがあります。大本時代、出口王仁三郎の言霊を考へると、デはズ、グチは……(この所不明)……オニは鬼、三郎は女で月の意味になり、言霊の事が判る様になった時之はユダヤだなと思はれた。大本を脱ける原因の一つになったのです。濁りを打つのは矢張り濁りですね。

【お伺】静子等のズは如何でせうか。

【御垂示】幾らか唯物的な働きがあります。――ハヒフヘホは強める意味です。

【お伺】名前に濁りがあってはいけませんでせうか。

【御垂示】いゝですよ。人間も濁りが多少なければ、さうキレイ許りではいけない。例へば水清くして魚住まずと言はれる様に、多少の濁りがあり、それがいゝ案配に調和されなければいけない。――言霊の事は今に本に書きますがね。憶えてゐていゝですね。 

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】八大竜王に就て、(一)特に竜神になられ日本近海に封じられた御因縁(二)現在の御働き、(三)「八人男(ヤタリオ)と女(メ)唯一柱の神御霊(カムミタマ)とならせ此土に伊都能売神」との御讃歌の意味、(四)鳴戸海峡にもどなたか御鎮りだったのでせうか。

【御垂示】八大竜王は日本の神ですから、日本の近海に鎮まってゐて時を待った。この時仏にならうとして印度へ行ったが仏の働きは具合が悪いので、仏滅まで待てといふ訳で日本に帰って来て鎮まった。之は本当ですよ。外の事でも立証出来ます。現在は人間として働いてます。殆ど皆観音教団に入って居ますよ。「八人男と女」は本当は九柱で九大竜王です。その中の一柱が伊都能売大神です。この神は私と深い因縁があり常に私を守護してくれてます。昔之が私にかゝりいろいろな事を知らせてくれた。金竜は琵琶湖に潜んで居り又富士山頂久須志神社の神です。九頭竜といっても九つの頭ではなく九体の竜です。やはり霊にも、霊と体があり、霊は富士山の木花咲耶姫尊で体は琵琶湖に居り明治四十四年四月二十一日にこゝを出て天に昇ったが、その時は大暴風雨で漁夫が四十七人死んださうで、之は当時の新聞に出た事です。殊に鳴戸に鎮まった神はない。海の神は「コトヒラワケノ尊」と云って海を守護して居られる、之が金平(コンピラ)様です。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】木花と兄花との違ひは――

【御垂示】花でいへば木花は桜で兄花は梅です。どちらも観音様ですが木花は仏界の観音様で、兄花は神界の観音様です。梅は春一番先に花が咲くでせう。だから兄です。普通花といへば桜を意味しますね。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】アダムとイブが禁断の木の実を食って人類の原罪が出来た意味――

【御垂示】之は私ははっきり判りません。私としてのこじつけですが、禁断の木の実は薬の事だと思ってます。薬として考へればピッタリ合ふんです。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】兇党界は神漏岐神漏美命が現れ給うて善悪が出来てから出来たのでせうか。又主神の御目から見た存在の意義は何でせうか。更に「五六七の御代」になった場合には正神に服するのでせうか。

【御垂示】之は違ふんですよ。神様を霊と体に分ければ、善悪によれば霊が善、体が悪、男女では霊が男、体が女です。女は体だから悪だなどと云へば女の人は怒りますよ。

――主神の御目から見て兇党界が必要ないなら、主神の万能の力で潰して了ふのは訳ない事です。神でも対照的で絶対善の神があるから、それに対して絶対悪がなければならないのです。それがなければ進化しないのです。必要悪ですね。以前よく訊かれた事だが「大審判で神が人間を苦しみに合はせる位なら最初から悪人を作らねばよいのに――」といふのです。之は一応尤もですが私はこう言ふのです。

――私が作ったのなら私は理由を云ふが、私も作られたものであり、神様がすべてを作ったのだから、こうだらうと考へるだけです。然し悪因悪果、善因善果だから、いゝ事をして幸福になれば、それでいゝではないか、と云ふのです。兇党界だって神様の御都合で作られたのでせう。「五六七の御代」には悪は限定されます。兇党界は獣の働きですから人間に獣の働きが少くなり向上するのです。今の人は法律といふ「オリ」の中に生きてゐるのですから――。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】国常立尊御引退後火の系統の者は罪穢なしで過して来たでせうか。

【御垂示】国常立尊とか何とかは言はぬ事にします。連合軍が日本の神道を非常に注目してゐますから、国常立尊とか天照皇大神とかは言はぬ方がいゝですね。そんな事を言っても今日の生活になんら関係がない。連合軍は日本が再び戦争しない様に、日本人をキリスト教化しようとしてます。今迄の神道は天照皇大神から天皇を結びつけ戦争に協力して来ましたからアメリカは之を嫌ふのです。何々の尊といふ事は余り好きでない。今迄の神国思想は間違ひです。日本だけが神国と思ってはいけない。神様は人類を公平に御救ひになり、決して日本だけを救はれる事はないのです。

――此の道でも外国で同じ様なのが出てゐるかも知れません。

――だから、日月地大御神はエホバでありメシヤであり天帝と同じものと考へたらいゝのです。支那の至聖先天老祖なんか大したものですからね。

(昭和二十三年十月二十八日)

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【お伺】末期の水と石に水をかける事に就て――

【御垂示】末期の水といっても、本人よりはたの人がのませるのです。病気によっては喉が渇く事もあるからのむのでせう。墓石に水をかけるのは何故か判りませんね。――御供へする水は大切です、綺麗なのを上げねばいけない。

(昭和二十三年十月二十八日)