七月八日(木)
【お伺】数には神秘が隠されてゐると伺って居りますが例へば一、二……一○、一一、一八、二三、百、千等の数字には如何なる意味があるのでせうか。
【御垂示】一は始める事であり二は分れる事です。一○は結ぶ即ち完成です。一一は結んだのが始る、統一です。一八は結んで開く、観音様が一八なのは縦横結んで開くことです。二三は応身の働きです。何故なら応身の応は二十と書くでせう、三は身です。百は一○の一○倍で「モモ」でいゝ意味です。又百は一尋ですが、之は又後で話さう。千は「チ」――霊です。名前でも千代なんてのはよくない。千代は霊になり女としては孤独性になるのです。百や千に就ては後で又話しませう。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】「大光明」の御守りと普通の御守りとは御働きがどの様に違ふのでせうか。
【御垂示】之は字の通りで大とは大きくなる事です。字といふものは不思議なもので、私がこうやって書くと筆を通して神様の霊が入るのです。だから字から光が出る訳です。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】姓名は運命に如何に影響するのでせうか。
【御垂示】字の働きに就ては今度出す本に詳しく書きますが、姓名の言葉、文字、想念はね、運命に大いに影響しますよ。人が名前を呼んでも言霊が働き、又思っても働きます。それが運命に影響するのです。で、姓名でも文字と言霊の両方から言霊は霊、文字は体となって働くのです。だからいゝ名をつけなければいけません。が、姓名は生れ乍ら運命通りつくのです。之は産土(ウブスナ)の神が人間の手を通してつけられるのです。普通の人は名前は人間が勝手につける様に考へてゐるが、実際はそうなのです。だからその人の御魂相応につけられるのです。私の名前は私が生れた時、沢山いろいろの名前を書いて神様に御願ひしてから赤坊の私に取らせた、その時茂吉といふのをとったのだそうです。
【お伺】姓名学なんかでやって貰ふのは如何でせう。
【御垂示】之は上手下手があり改名して却って悪くなるのもある。又悪いからよくしようとしても神様が許さなくては駄目です。以前坂井に名前を頼まれたが、五、六年経っても出来なかった。それは私が書かうとすると嫌になって了ふ。之にも時期があり、やたらにつけられない。姓名学の方でもこんな事があるらしく、大阪のその道の大家の人も以前そう云ってました。此の人は「或人の名前を見ればその人が何才の時に改名するかといふ事も判る」と云ってました。私の名前を見て、私の姓名は表面へ立ってはいけない、つまり裏に居て人を使へば旨く行くと云ってゐました。私も始終思ってるんですが、金のかけ合いなんかも私が行くと駄目なんです。私にはそういふ運命があるらしいですね。「大先生は表面へ出られたら――」とはよく聞くのですが、之は駄目なんです。
【お伺】今後生れた子供にはどんな名前をつけるべきでせうか。
【御垂示】ですからね、予め基本だけは教へて上げますよ。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】潮の干満が人間の生死に関係するのは如何なる訳でせうか。
【御垂示】潮の干満は月の引力でそれは月の呼吸によるのです。森羅万象すべて呼吸してゐるのです。地球も一年に一度宛呼吸する。息を吐く時が春から夏で、吸ふのは秋から冬にかけてです。だから春からは上に昇り、秋からは下へ降り凋落する。地球は火の塊りで、それが息を吐くんだから暖かい訳です。月のは地球より早く一日一回宛やってゐる。人間の肉体は月の精であり、人間の霊は太陽の精です。肉体に関係ある字――例へば腕とか腹とか脳とかが月扁なのはこのためです。所が心臓の心は月扁がない。之は「火」が「心」に移ったからです。これは皆神様が作らせた訳なのです。こんな風に月の霊線が肉体に連ってゐる。だから月の満欠が肉体に関係するのです。死も同じです。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】守護神を祀る宗教がありますが、御祀りする方がよいのでせうか。
【御垂示】守護神を祀るのはいゝんですが、いゝけど祀らなくてもいい。それ程の事はない。守護神は祀って貰ふよりその人間がいい事をしてくれた方がよい。先祖の中救はれた霊が守護神となり、始終ついてゐて指図や神様への御取次をするのです。竜神や狐も或る場合にはつきます。狐が憑いて口をきくのも守護神に頼まれる事がある――人霊より狐霊の方が便利な事あるから――狐だからって馬鹿にはならない。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】家の中に祀ってある稲荷を庭に祀り変へる方法は如何に致したら宜しいでせうか。
【御垂示】やたらに祀りかへてはいけない、怒りますよ。祖先には大祖先と中途のとありますが、大祖先からの稲荷だったら室の中でもよい。そこらの稲荷――王子とか伏見とか穴守とかのなら御供物を供へ、御礼を云って天津祝詞を上げて帰って貰ったらよい。光明如来様を御祀りしてあれば庭へも祀る必要はありません。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】日本系民族は天照皇大神の系統でせうか又瓊々杵尊はどうなりませうか。
【御垂示】大和民族は天照皇大神の系統です。瓊々杵尊に就いては今は云へない。之は神秘中の神秘です。血統が違っても霊統は連るもので、丁度宿命と運命の様なものです。大和民族は絶対戦争をしない民族なのですが、この日本へ他から好戦人種がやって来て、それがいつの間にか日本の歴史を作って了った。結局今迄の歴史は権力の奪ひ合ひだったのです。然し日本民族だけでは今の様な文化が出来ず、朝鮮人、支那人、印度人等が入って来たので文化が発展したのです。入って来てよかったのです。数で云へば日本は五、朝鮮は六、支那は七であって、この三つで「ミロク」になるのです。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】弟子が先生を、又普通の御守りの人が「大光明」の御守りの人を御浄めしても宜しいでせうか。
【御垂示】差支へありません。される方が霊的に変って了ふ。御浄めする方が御守護が上になるのです。それから如何なる場合でも御守りを外してはいけませんよ。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】重病人が臨終に近づいて然も死相等が判らない場合、之を判断する基準は――
【御垂示】いろいろなしるしがありますね。死相とは目のふちが黒くなり小鼻が落ちる。一番よく判るのは顔が死んだ様になるのです。足の甲にむくみが来たらもう殆ど駄目です。十中八、九は駄目です。脚の上の方からむくむのならいゝが甲だけのはどうもいけない。その他唾が出ないとか、唇が乾いたり又目に力がなくなる。トンチンカンな事を云ふ様になったら全く駄目です。もうあゝなれば霊が抜けて了ってゐるんです。副守護神だけが残ってゐる。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】主人が教導師で御浄めさせて頂いて居る場合、夫婦共に浄化させて頂くには妻は如何致したら宜しいでせうか。
【御垂示】之は人為的にはどうすることも出来ない。自然にしておくより他にない。――夫婦が別に反対もせず揃っていゝ場合と、反対していゝ場合とある。反対があるのはいゝ事で、それに依って信仰が進むのです。といふのはね、教導師になっても大抵罪がある。で、神様は出来るだけ早く之を除いてやらうとなさる。罪を取るには人間が苦しむか又善行を積めばよいのだが、人間は苦しむ程汚いものが出てくる。所が信仰によって汚れをとるのは楽なのです。妻が反対なんかすれば、主人もいろいろ苦しみ、それにより汚れがとれる。そうすると妻も判ってくるんです。主人の方が高まるにつれて妻もそれについてくるか或はあんまり離れすぎてしまうと霊界へ行って出直すことになる。神様に御任せしておくのが一番いゝのです。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】運命と宿命に就て御解説を御願ひ申上げます。又病人を一生懸命御浄めしても死んで了った場合、それは寿命で死んだのか或はそうでないかを判断する基準を――
【御垂示】宿命といふのは定ってるのです。丁度「ワク」の様なもので之の外へは行けない。運命とは「ワク」の中ではあるが或程度自由なのです。だからその「ワク」の中でも上の方へ行けばより自由であり幸福なんです。然し生れ乍らの宿命の一番上までは行けるがそれ以上は駄目なんです。それ以上の宿命の人は又それだけ大きい訳です。
寿命は定ってゐて然も変へる事が出来るのです。以前こんな話を聞いたことがあります。或人が田舎道を夜おそく家に帰ることになったが途中の産土の社で泊めて貰った。すると社前に一人の人間が来て「申し上げます」と云ふと社の奥で「云って宜しい」といふ返事がする。「今日何時頃何処そこで某が生れました」「それは寿命は廿五才で死因はアブサシだ」。所がその某といふ人は社に泊った人の隣の人であった。それから廿五年経った所その人は正しく死んで了った。その時の死因はアブに刺されて死んだのださうです。そんなこともあるんですよ。
私の方へ入る人も危険を救はれて入る人が多いのですが、その場合それ以後の生命は寿命をつぎたした事になるのです。つぎたされた生命を勝手に使ったり、金をもうける事許りしてゐては駄目なのです。神様は運命を変へる事が出来る。その人の生き方次第では永生きもするのです。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】伊東の町は漁師が大半を占め色々な信仰をして居りますが、此の御道は中々信じません。如何致したら宜しいでせうか。
【御垂示】之は神様に御任せしたら宜しい。或時期が来れば開けて来ますよ。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】漁師は魚類の供養を如何したら宜しいでせうか。
【御垂示】一年一度位は供養した方がよい。漁村には眼の悪い人が多いが之は魚の怨みですよ。よく波を見るから眼が悪くなると云ふがそんなものではない。供養の方法は供養する積りでやれば供養になる。観音様の御祀りの時魚霊と書いて観音様の前に置き祝詞を上げれば宜しい。
(昭和二十三年七月八日)
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【お伺】血統は混っても霊は混らないとの御言葉で御座いましたが父母の中何れが主となるので御座いませうか。
【御垂示】普通は父の方の霊統が主です。養子もその系統が主となる。養子なんかは祖霊が結びつけるんです。先祖も一夫一婦ならよいが、大抵あちこちに種まきしてゐる。その子孫が結びつくのです。又子供の中、男は育たず女の子のみ育つ家があるが、之は母系であり、女が全権を握ってゐるのです。竜宮系又は竜女系と云って特殊なものです。
(昭和二十三年七月八日)
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七月十八日(日)
【お伺】仏壇に「善言讃詞」を奏上する場合、御屏風の観音様に対して「幽世大神」と申し上げるのは如何なる訳でありませうか。
【御垂示】観音様には一切の御働きがあり、幽世大神にもなるのです。幽世大神は閻魔大王ですから観音様は間接的に閻魔大王にもなるんです。――観音様は現幽神の三界を司るのです。
【お伺】さう致しますと裁きも司られるのでせうか。
【御垂示】観音様には裁きの御働きはない。御救ひの御働きだけです。一切を無差別に救はれるのです。――観音様と閻魔大王とは裏表になってるのです。神様にはいろいろと御役目があり、一つの神様もいろいろ役目を兼ねて居られる。閻魔大王は今は現界を司って居られる。以前は外の仏様にさせてゐられたのですが、それは丁度人間界でも運輸大臣をやった人も内閣が変ったりすれば文部大臣にもなる様なものです。幽世大神は観音様の御働きと解してよい。観音様を通して幽世大神に行くのです。
(昭和二十三年七月十八日)
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【お伺】御浄めの際手を振りますのは如何なる訳でありますか、振らないと霊光が少いのでせうか、又振り方は縦横何れでも宜しいでせうか。
【御垂示】手を振ると光が強くなるのです。或十二才になる子供で光の見えるのがあり、振ると光が強まると云ってました。実際振ると深くも行き的中するのです。私はもう振らずにじっとしてやるのだが、あんた方は振らなければいけない。熟練した人は余り振らなくてもよいが、初歩の人は振る様に教へた方がよい。又振り方は細い方がよい。縦はいけない、振りにくいでせう。――横がいゝですね。
(昭和二十三年七月十八日)
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【お伺】観音様に毎朝食事を供へます場合大黒様にもお供へすべきでせうか。
【御垂示】大黒様にも御供へしたらよい。然し観音様より簡略にせねばいけない。
【お伺】最近は御飯、味噌汁に「おしんこ」位しかお上げ出来ませんが――
【御垂示】朝はそれで結構です。その場合大黒様は御飯と「おしんこ」だけにするとかして一段格を下げる事です。観音様と一緒だと大黒様は喰べられないのです。仏壇の御供へも観音様のより皿の数を減らすか又は量を少くする。入れ物を小さくするのは結構です。仏壇は「マゝゴト」の様な小さな入れ物でも差支へありません。御屏風の御観音様にお上げする積りでお供へすれば祖霊はお余りを頂くのです。
【お伺】観音様の御余りを仏壇へお供へするのは――
【御垂示】観音様のお余りは人間が頂く可きです。
【お伺】よそから果物なんか頂いて両方にお上げ出来ぬ時は――
【御垂示】そんな場合は切って大きいのは観音様へ、小さいのは仏壇へ上げればよい。
(昭和二十三年七月十八日)
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【お伺】日本は特に天変地異の災害が多い様ですが如何なる訳でせうか。
【御垂示】災害はそれ程多くはありませんがね。地震が多いのは昔、今の本州の周りにあった陸地が陥没したのですが、それが(サンブンノニ)位で、今残ってゐるのは(サンブンノイチ)位です。その運動が未だに続いてゐて、殊に日本海側に多く残って居りそのために地震が多いのです。現に日本海側は年に数フィートづつ沈下するのもそのためで、新潟なんか百年経つと海中へ入って了ふと云はれてますね。今でも地殻が収縮してゐるので太平洋の海底はだんだん沈下してゐます。だから潮流を研究すれば地震の予知も少しは出来るでせう。この様に原因は海にあるのに学者は陸許り研究してゐるので判らないのですよ。地震の時よく津波が起るが、之は海底が沈下しそこへ潮流が流れ込むが、やがて溢れて今度は逆に四方へ流れ戻る、それが津波で大震災の直後起るのはこのためです。東京の本所も関東の大震災の時沈下した。然し東京湾の方も沈下したから水浸しにはならないのです。
(昭和二十三年七月十八日)
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【お伺】神話やお伽噺話にはいろいろな意味があるとの事ですが、
イ、黄津比良坂坂本の桃子の神話、
ロ、桃太郎の鬼征伐、
ハ、須佐之男尊の八岐の大蛇退治、に就て――
【御垂示】(イ)之は現にあったんです。ヨモツとは世を持つで時の帝王の事であり、比良坂とは平な坂で明治神宮の参道が平坂になってます。あの横丁に九鬼隆二子爵がゐた。そこへ私は二、三度行きましたが、こゝで戦争があり、私の家へ子爵夫妻を呼んだ時宮中から下賜の菊の紋の盃を持って来ました。それで戦は終ったのです。又後に宝山荘時代五島某――之も邪神の働きをした人ですが、之と戦った時、九分九厘こっちが敗けた所で六万円の金が手に入りそれを叩きつけて勝ったのですが、黄泉比良坂の戦は伊弉諾尊から桃の実を貰って敵を討ったといふ伝説ですが、桃とは百(モモ)で、百円札の事だったのです。
(ロ)之は私がやってゐる事です。昭和八年五月五日――この五月五日の日は大抵何かあるのですが、この日もよそから呼ばれて行ったが、一番先は代議士の小山完造、第二が新山といふ宮中顧問官、この小山と新山で「おに」となり、第三が東山某、之の「ヒ」は消えて之で「オニガシマ」となったのです。鬼が島征伐は今もやってます。今迄乙姫がもってゐた素晴らしい宝物がその中私の手に入るのですが、今は一寸発表出来ない。
(ハ)之は事実と思ふのです。須佐之男尊には三人あり、之は初代――といふと一寸変ですが、それでせう。この尊が大蛇を殺し「いけにへ」にされさうだった櫛名田姫(クシナダヒメ)を妻にし家を建てた。その時立派に出来た家を見て「あな清々(スガスガ)し」と云った事から清宮と名づけ、又その時詠んだのが「八雲立つ出雲八重垣妻籠(ツマゴメ)に八重垣つくるその八重垣を」であり、和歌の初めと云はれてます。櫛名田姫は言霊から言ふと日本になる、大きく云へば土匪といふ大蛇を征伐して日本を領有した事でせう。
(昭和二十三年七月十八日)
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【お伺】私の叔父、三年前より地獄の印といふ一銭銅貨位の紫茶色のしみが沢山出ました――
【御垂示】血の中に毒が混って出てくるのと、又怨みの霊のためとある。腰から下なら霊的ですね。
(昭和二十三年七月十八日)
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【お伺】今年は太陽の黒点が最高で爆発が多く、そのため天災があり又豊作と云はれますが夜昼の転換と如何なる関係がありますか。
【御垂示】宇宙線は星の霊線で夜昼の転換とは直接関係はない。太陽の光でも見えるのは物質の光で、高級になると霊になり眼に見えない。熱から云ふと太陽熱は霊であり、地球の地熱は体になる。従って地熱は普通の火です。――天地はそのまゝ霊と体であり、天にも霊と体があり、その先にもあり三段になってゐるのです。
【お伺】夏暑いのはやはり地熱のためでせうか。
【御垂示】地熱の方が太陽熱よりずっと暑いのです。高い山が寒いのは太陽には近くても地熱に遠くなるからです。今富士山頂は二度位ださうですね。――学者は判らない事は皆太陽の黒点のせいにして了ふが之は滑稽ですよ――原子爆弾の事も、原子核が破壊されると云ひますが、原理はほかにあるんです。今度の本に書きます。太陽の黒点は中心であって夜昼の転換とは関係ありません。
(昭和二十三年七月十八日)
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【お伺】霊返(タマガエ)しの方法と言霊の意味について――
【御垂示】霊返しとは沢山の言葉を一つにつめる事です。オザワをつめるとアになり、ショウイチはシになる。「野沢正一」を一つにするとニになる。言霊ではアは天、オは地、イは天に近く、ウは真中で、エは地に近い。ア行は根本で、カ行サ行等は枝になる。で、ア行は霊的な働きが多く、又裏の働きになる。私の岡田といふのもアとなるので私は裏に住って人を使ふ様になるのです。――「カキクケコ」の音の人は几帳面で区切りがよく、「マミムメモ」は男なら女性的で、「サシスセソ」は我が強い。言霊の事は馴れぬと一寸判りにくいが、なれゝば簡単です。本に詳しく書きます。
(昭和二十三年七月十八日)
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【御垂示】御浄めの時一心になって手を振るのは極くいけない。人間がやるのではないから一生懸命になればなる程御力が妨げられる。軽い気持でやったらよい。又手を振ってゐれば、同時にみつめてもゐるから勿論額からも御光は出てゐますよ。――
(昭和二十三年七月十八日)
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七月二十八日(水)
【お伺】一人の患者を一度に大勢で御浄めする人がありますが之は如何でせうか。
【御垂示】一度に大勢でする事は差支へない。が、患者が相当重病の場合は効果がない。唯体を浄めるだけの「御浄め」の場合は宜しい。精神病なんかは大勢ではいけない。原則は一人が一人をすることだが、場合によっては臨機応変にやって宜しい。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】御浄めを頂く者が合掌致します事は――
【御垂示】結構です。敬虔な態度を表すからいゝです。然し最初だけ合掌すればよい。余り永くやってるとくたびれるから。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】霊的な病人に祝詞と共に天数歌(アメノカズウタ)を唱へる事は如何でせうか。
【御垂示】やっても宜しい。普通は祝詞だけでいゝが、特に重病の場合とか精神病、「てんかん」等には唱へてもよい。(天数歌――一二三四五六七八九十百千万(ヒトフタミヨイツムナヤココノタリモモチヨロズ))
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】憑霊を知るための霊査法をすることは――
【御垂示】自然にしてゐれば必要の場合は神様が知らせて下さる。最初から判った方がいゝ場合もあり又悪い場合もある。――それから狐などが浮いて来て騙さうとしたら騙された方がいゝ。その方が狐は自分から暴露する。却って狐をあがめてやる位にした方がいゝです。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】或る家の子供、急に食事が喰べられなくなり十日間水許り飲んで居りましたが、いろいろ訊ねましたら、神様を戸棚へ入れ汚れたものを上にのせてゐたゝめで、早速御詫びしました所忽ち食欲が出て元気になりました。霊的な病人などはすっかり治ってから講習を頂いた方が宜しいでせうか。
【御垂示】えゝ治ってからが本当です。然し神経衰弱等の如き元気のない人は受けた方がよい。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】御道に入るのは結構な事だから入んなさいと云ってすすめる事は如何でせうか。
【御垂示】厳格にして道に入れようとするのはいけない。門構へは小さくして入り易い様にしてやるのが宜しい。又講習のため教導所に坐ってゐる日数はその時に応じてすればよい。最初からやかましい事を云ってはいけない。――治ってから受講した方がいいといふのはね、若し万一の事があると「あの人は講習まで受けたのに駄目だった」といふ事もあり、又治ってからの方が本当に有難いといふ気持になってから頂く、之が本当なんです。
治り切る前でも患者が希望した場合は講習して宜しい。事情により融通をきかせればよい。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】河童といふものはよく聞きますが、その霊は存在してゐるのでせうか。
【御垂示】河童の霊はあります。あれは角力が好きでいくら投げられても立上っては組みついて来ます。その代りこっちでよく面倒みてやると向ふもなついていろいろ世話をしてくれます。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】藁人形を釘で打って人を呪ふ方法がありますが実際効果がありませうか。
【御垂示】或程度効果があるが、御道に入って居ればそんな怨みなんか来ません。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】御指導を仰ぐ先生が代られた時御守りを頂き直す事は――?
【御垂示】事情によっては御守りも変へてよい。然し今度出てゐるのは変へてはいけない。以前のは治療として書いたが、今度のは宗教的に書いてゐるから、前のはしまっておくか表装して額にしたらよい。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】教導師が死亡した場合御軸等をそのまま他の教導師が頂く事は如何でせうか。
【御垂示】結構です。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】蛔虫等の寄生虫と毒素との関係は如何でせうか。
【御垂示】虫なんかわくのは体内に毒素があるからで、虫はその毒素を喰って生きてゐるのです。虫がゐるからって心配はありませんよ、御浄めすれば早く出ます。
【お伺】虫が体内の毒を食へばそれ丈毒は減る事と思はれますが。
【御垂示】蛔虫は然し毒をそんなにたんとは喰べないから駄目です。普通蛔虫は二匹ゐる。五匹も六匹も居ると病気として扱ふのです。そしてその二匹は大抵夫婦です。だから一匹出ると必ず又一匹出てくる。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】夢と寝言と眠ってゐて瞼を開いてゐる事との霊的関聯に就て――
【御垂示】瞼の開いてゐるのは別に差支へないです。霊的――さあどうですか、別にないでせう。秀吉みたいに片方は開いて片方は閉ぢてゐるのもありますからね。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】素盞嗚尊に三代あると伺ひましたが、それは何と申し上げ又御働きは何でございませうか。
【御垂示】初代はカン素盞嗚尊、二代がハヤ素盞嗚尊三代がタケハヤ素盞嗚尊で、之は私の解釈ですが、初代は朝鮮から渡って来て日本を統治――といふよりまあ占領した。それから大蛇を殺したのは二代目です。これの奥さんが櫛名田姫ですが、初代の奥さんは乙姫です。三代目は大国主命です。この三代目が父子の関係になってゐるのです。西洋へ行ったのは初代です。そして矢張りその素盞嗚尊が大日如来になってゐます。ですからそう古い事ではない。大六天の魔王は一寸違ふ。之は大自在天といって印度の神様です。日蓮の御曼陀羅の中に大自在天は入ってますね。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】若い女性の御弟子も大分御道に入らせて頂いて居りますが、一般に婚期がおくれ勝ちの様に見られます。又映画等殆ど見る事のない人もありますが、少しはその方に時間を割いても宜しいでせうか。
【御垂示】婚期のおくれる事、之は仕方ないですね。といふのは、そういふ人には竜神が多いのです。竜神が人間に再生した場合、一代の間は結婚しない方がいいのです。だから結婚の話があると病気になったり嫌になったりしてまとまらなくなるのです。竜神といふのは元は矢張り執着の罪ですから、時日が経って了へば罪は消え許される。さうしたら結婚したらよい。
映画なんか見なくてもいい――どういふ意味ですか。
【お伺】御道に熱心なる余り映画等に時間を割くのが勿体ないといふ気持で見ない人が――
【御垂示】私が見てゐるのだから許しますよ。私が見てゐるのに人には許さないなんて不人情の事はしません。矢張りいいですよ。尤も近頃のはエログロが多いが、まあその位いいでせう。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】天の誓約(ウケヒ)に就て御教を御願ひ致します。
【御垂示】琵琶湖のそばに八州(ヤス)といふ所があるが、その川原で約束した事と思ふ。天照皇大神が日本を統治して居られた所へ素盞嗚尊が来て武力を振廻して領土を迫るので、それぢゃあといふ訳でそこから西を素盞嗚尊、東を天照皇大神が治められたが、暫くすると素盞嗚尊がみんな呉れといって脅迫したので、大神は信州へ御逃げになったのです。――国常立命の事はずっと以前の事であり、又単に国常立命と云っても新旧いろいろあり国武彦尊といふのもある。今度出す「神秘の扉」といふ本の中に書きます。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】御誓約で八大竜王が御生れになる経路や伊弉諾尊が禊をされて神々が御生れになったと云ふ事はよく判りませんが――
【御垂示】国生み、島生みといふのは大洪水で――ノアの洪水の事でせう。――日本が水に浸された時「潮干(シオヒ)の技(ワザ)」をやって島や国が又現れて来たといふ事でせう。天瓊矛でこんろこんろとかき廻したと書いてあるが、そんな、こんな事をして国を作るなんて馬鹿な事はない。誓約といふのは他の事を寓意的に作った事でせう。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】大化改新と壬申戦争との霊的関係に就て――
【御垂示】日本のすべての戦争は神武系と大国主命系との奪ひ合ひです。天皇の系統は神武系で、別な面から云へば朝鮮系と支那系で天下の「取りっこ」をしてゐた訳です。
【お伺】名前なんかでも判りませうか。
【御垂示】名前でもいろんな事が判る。然し私達には関係ない。私達は征服された方だ――観音会に入る人は違ひますよ。大体大和民族です。勿論外の系統も沢山入って居り、そういふ口も大いに働いてます。「法滅尽経」と「弥勒出現成就経」とは釈迦が最後に説いたものです。現存してゐるでせう。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】墓相学に就て――
【御垂示】よく墓相学といふが、之は一つの学問と云っては変なものだ。が、或程度は当ります。自然石を墓石に使ふのは悪いとされてゐる。それは悪い筈で、自然石は庭石などに使ふものだから。墓はやはり墓の形をすべきで、霊によっては自然石を嫌ふのもあるのです。仏も墓の形を気にするし、又霊が墓に来た時墓石が法に合ってゐた方がよい。
生きてゐる中に墓石に戒名を彫っておくのは一寸手廻しがよすぎますね。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【御垂示】寄せ位牌をするのはうそです。面識のある人の位牌は一体とし、面識のない人の分は先祖代々の中に入れてもよい。
再婚したら先妻や先夫は適当に祀ったらいいでせう。余り叮嚀にすると嫉妬されるから。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】寺に金を納めて戒名の位階を貰ふ事は如何でせう。
【御垂示】格を上げるのはいいですよ。金で買ってもよい。結局それだけ豊かな証拠だ。
(昭和二十三年七月二十八日)
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【お伺】氏神が稲荷の場合御詣りしても宜しいでせうか。
【御垂示】御詣りしてもよい。氏神として守護してくれるのだから御礼を云ったらよい。
【お伺】最高の神様を拝んでゐるのだからそれは拝む必要ないと思はれますが。
【御垂示】いやいやそんな事はない。普段氏子の面倒をいろいろ見てくれてるのだから。“氏神に御詣りした時祝詞を奏上する事はよいが、最後の所は「産土大神守り給へ幸倍へ給へ」といへばよい。
(昭和二十三年七月二十八日)