八月一日
之が宗達(神の間のお掛軸)狩野派以前の足利時代のです。
「宗達のこう言う図柄は珍らしいんで御座居ましようか」
いや、もつと小さいんです。博物館のなんかも、もつと小さいんです。
「之は鷺の実物大と同じですか」
そうですね。――もう少し小さくて、ぞんざい――簡単に書いた方がいいですね。
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「観山亭に今おかけになつて居られる書のお軸は」
西山と言う人です。大徳寺の坊さんです。大徳寺の坊さんでは開山が、この人が一番うまいです。高いんです。横文字で字が小さいんです。極く安いんで五十万ですかね。五十万で無いですね。ついこの間来たのが八十五万と言う。洗つたか、なんかしてはげているのが、それで八十五万。少し大きいんですが、それが百七十万。あんまり良いんじやないが、預つているが、何うしても、値段出しきらないですね。百二、三十万ならするでしようね。一休が一番良いですね。一休のは二、三百万するですね。それから沢庵ですね。一休が一番うまいんです。その次が沢庵で、その次が西山ですね。
「良寛は」
良寛は安いんです。良寛なら五、六千円。私がこの間買つた良寛の絵ですが、一万円です。姓名入りで一万円で買つた。西山と玉室と言う人と四人ですね。一休は何故一番かと言うと字としては、一番まずいんです。西山の方が一番うまいです。処が、自然の儘に書くから、そこが良いですね――明らかで。西山なんか、うまく書こうとするので、そこに臭味があるですね。
「鉄州なんかはずつと落ちるんですか」
鉄州なんかずつと落ちますね。鉄州だつたら、千円か二千円です。
「道風は高いですね」
道風は高いですね。あれは、一行幾らと言うんですからね。それに表装がつくんですからね。三万位するでしよう。一寸したので、三十万位するでしよう。ここに来てから、うんと高くなつた。道風と西行だね。
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「第三次戦争が始まると、ずつと下がりますか」
何うですかね。殊によると、上がるかも知れない。高くなりましたよ。素晴らしく高くなつた。私は、以前買つたのは随分儲ります。一番なのは、終戦翌る年買った、光悦の画像で六万円と言うのを買つたが、今、二百万円でも売りません。日本の歌の、色紙ですね。今アメリカでは一寸良いのは十万で買います。五万以下はないです。信綱の三十六歌集と言つて有名ですが、三十六枚ある。大体色紙ですがね。業平とか小野小町とか書いてある。墨絵では、牧谿と梁楷と二つですから。牧谿でいいものは、二つばかりあるんです。何しろ段々高くなつているからね。だから似せ物が随分あるんですよ。だから、ああ言うものを、手に入れるのは中々苦心惨憺します。それから、目がきかなければ、相場がありますからね。おつかぶせ様、おつかぶせ様と言う、詐欺師みたいですからね。今、先ず道具屋の勉強して卒業する迄に一千万円払わなければならない。買いそこないですね。やつぱり、自分が買わなければ本当じやない。やつぱり自分が買わなければ、深刻にはね。私は終戦時分から買いました。唯、表装が良いんで買つたと言うのが、処が皆んな、それが良いものです。恐らく私見たいなものはないと思います。この頃、めつたに買わないんです。終戦後買つたのは安いんですからね。良いものが出て、それで安い。足利義政が宋元時代のものを輸入して、之を皆んなに、絵書きに書かした。と言うが、絵書きをつくつたのですね。そう言う名人が出来て、それが狩野派と言うんです。
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「巨勢金岡と申しますか。あれは」
あれは仏画の方です。仏画の方は又違う。あれは坊さんが書いた。坊さんにも、うまいのがあります。今、仏に関するものは安いんです。だから私は、それを買っているんですが、足利時代ですね。徳川時代になると、ずつと違いますからね。見られたものじやない。私位目のきいているのはないだろうと思います。何故なら、道具屋は、茶器なら茶器丈で、専門的になつていますからね。処が、私は何んでも大体判りますからね。だから、私位あらゆるものを見る者はないと言つてました。
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「鑑定で一番難かしいのは、何んで御座居ましようか」
支那陶器です。仏です。仏はなんですね。本当に判るのは日本ではないですね。支那陶器も一寸判らんですね。本当に、之はと言う人はないですね。青磁ものは特にですね。今又研究中なんです。何故なら、学説が変つているから、新発見するからです。去年か一昨年支那陶器の研究で、支那に行つて、竃のあつた処を発掘して陶器を発見した。支那では、陶器を作つて、王様の処に持つて行き、完全に出来たのを献上する。失敗したのは皆んな壊しちやう。面白い事には、鎌倉の海岸に行くと、良い青磁の壊れたのが沢山ある。では、何う言う訳で青磁が沢山捨ててあるかと言うと、色んな説がある。之は、私が神示に依つたので、蒙古との戦いの時、皆んな憤慨して、良い品物を持つているのは、足利時代ですからね。それで憤慨して、支那のものを皆んな壊わして了つた。壊わして捨てた様ですね。それが、ああ言つた重いものですから。それに、水の中では、何んともない。そう見てますがね。さもなければ、青磁の良いものを壊わして捨てる訳がない。それでも、尚且日本には良いものがありますからね。
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「熊本県の八代に高田焼と言う青磁がありましたが、その茶碗で飲んだら、毒が入つていると、お茶の色が変り、必ず判ると言うので、大名が愛用して居たと言うのが伝説にあるので御座居ますが」
それは神秘ですね。面白いものですね。ですから、支那のは官用、民用と言うのがありますが、官用と言うのは、帝室で使うものばかりですが、それは、良いものがありますよ。
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「京都の乾山と入谷の乾山と聞きましたが」
陶器と言うのは、そう言うものですね。光悦だつて、加賀光悦と、京都の光悦とありますからね。大体、乾山は江戸ですね。江戸に一番長く居た。
「鶯谷の土を取つて焼いたそうで――」
そうです。その子孫はずつと続いて居ます。乾山に就いては、学者の方で非常に意見が対立して論争しているんです。ああ言うのは、研究するのは馬鹿々々しいです。私は、この頃は学者の説はまるつきり用いない。馬鹿々々しいからね。私は見れば直ぐ判る。品格がある。二代目からは品格と言うのがない。今でも、支那の陶器は研究してます。陶器は世界一ですね。支那の陶器は。大抵、良いものは秀吉が一度は持つてますね。それから徳川に行き、それから各大名に褒美にやつたりね。殆んど、足利義政から信長を経ている。
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「やつぱり、秀吉は好きだつたので御座居ましようか」
好きだつたんです。偉らいと言うのは、朝鮮の飯茶碗を持つて来た。それを、利休は茶器の茶碗に使つたんです。それで、それが一つの国宝になつたんですね。それで、秀吉は、国をやる代りに、茶碗をやつたんですね。ですから、大名によつては、国を貰うより、茶碗を貰つた方が良いと言うのが居る。それで、徳川の代々の大名は大事にして、茶碗一つを大事に駕籠に入れて、江戸に行つて、それでお茶の会があつた。だから、説によると、秀吉が朝鮮征伐したと言うのは朝鮮の陶器が欲しい為に朝鮮征伐したと言う位です。
「支那、朝鮮では保存する人がなかつたのでしようか」
いやいや保存してあつたんです。処が戦争があつたでしよう。それに依つて、逃げられなかつたので、土の中に入れて逃げた。又水中物と言つて、水につけて逃げた。それが、きれいです。唐、隋、晋、宋、一番良いのは周ですね。周銅と言つてね。之は殆んど真青です。年代でなつたのは錆が少ない。それで極く尊い。陶器でも銅器でも保存されていたが、書画丈はしようがない。書画丈は日本に来て日本で保存された。だから、支那の絵は日本に来ているので、アメリカはそれを欲しがつている。それで博物館では、之は大変だと言つて方々探して歩いている。
浮世絵にも良いのがあります。浮世絵は大抵版画ですがね。私は版画は嫌いです。肉筆が良い。版画は印刷の技巧が大半です。東山水墨と言つてね、足利時代の墨絵で、之は良い。それから大和絵ですね。それから現代画ですね。普通の蒔絵も――高蒔絵つてありますね。研出蒔絵、金が中に入つている。平蒔絵、ひらべつたくなつている、普通、研出が一番良いんですね。一番良いのは、徳川初期時分が一番良いんです。高蒔絵の一番良いのは、加賀の前田ですね。庭に小屋を作つて蒔絵師につくらせた。加賀蒔絵と言つてね。
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「七宝焼と言うのは――」
あれは徳川末期のもので、良いのがあつたが、日本人には向かないですね。外人向きですね。尾張じや陶器ですね。今度、博物館に出しますがね。黄瀬戸には良いものがあります。それから、九州の有田、あの辺に良いものがありますね。柿右衛門と言う名人が出たが、柿右衛門は、そう大した事はない。何と言つても、日本の陶器は仁清ですよ。私は仁清が好きで、終戦後随分沢山買いましたが、近年は殆んどないですよ。何うしてかと聞いたら、こちらでお買いになつたから、無いと言う。冗談じやない。藤壺があるでしよう。あれが、一昨年か、金が苦しかつたので、幾らかと言うと二百五十万。百五十万なら出そうと言つたが駄目だつたので、止めちやつた。その後聞いたら、三百万で評判になつちやつた。近頃は売るまいけれど、売るとしても五百万です。三百万なら、私はお辞儀をして買います。
有名なものは、うるさいです。売つたと言うと直ぐ、税務署が目をつける。それで、しようがないからアメリカに売つちやう。あんなもの税金収めても、幾らでもないですからね。少しはアメリカ当りにもやつた方が良いんですよ。何故なら、日本美術と言うのは、アメリカ当りでは、皆んな似せ物なんです。それは随分ひどいんですね。それで、アメリカ人は、日本の美術は良いものはないと思つている。処が、近頃日本に来て、良いものを時々見るんですよ。方々の道具屋を見て、之は良いと言うので、最近急に買い始めた。講和に美術展と言うのは、要するに見たいんです。見直したいんです。私が、終戦後未だ皆んなどさくさして居ましたからね。あの時に良いもの買つたのが大したものです。今になつてみると、支那の良いものは手に入りますが、日本の良いものは殆んどないですね。
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「お守様を袋にお入れします時、反対にお入れしまして戒告を頂きましたのが御座居ます。自分で袋の洗濯を致しまして、反対にお入れしてありましたので、戒告を受け、浄化を頂き、ふと、それに気がつきお変へしましたら、直ぐ治りました。」
神様は几帳面ですからね。それが法と言うものです。ですから、法は順序ですね。ですから○○さんは注意しなければならない。あなたは、出し抜けに来て、お目にかかりたいと言う。あれはいけない。自分の御都合になる。昨日来たけれど、今日は面会日なんだから、今日の面会が主なんだから、面会が済んだら会うと言つた。今朝も来たのでそう言つた。と言うのは、今日は面会が主だからね。そうすると、あなたの個人の方が上になる。そう言う、順序が狂つている。それが、一つの法なんですね。だから、何んでも神様の方を先にしなければならない。主と従が、何んでもある。神様の事は何んでも主にして貰いたい。
奥さんの友達が私のお膳に来た。昨日も来てはいけないと言つたが。それで、私はサンルームで一人で食べた。と言うのはね、その人は信者ではないから、霊的に言うと低いんですからね。それと一緒に居ると、私の方が穢れて下がる。それが苦しいから、私は別に一人で食べた。そうかと言つて、あんまり、捉われるといけない。あなた方は別ですよ。臨機応変にやる。だから、心得ると言う事は必要です。私は、道具なんか見に行く場合、相手が信者でないからね、信者と未信者では、こつちの見方、扱い方が違う訳です。
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「今度、お守様をお取替戴けます事になりましたそうで御座居ますが」
ええ――ええ。今日言おうと思つたが、今迄お守は額の形式になつている。と言うのは、先に、玉川に居る時分に、よくお守りを調べるんです。そこで考えた。記念にやつた処が、それをたたんで、ふところに入れると――と言う様な。お守りはやかましかつたからね。渋井さんが考えたんだね。それが今日迄来た。今日としては、それは嘘になる。今日は純粋のお守りにするんですね。浄を一度やつて、清まつたから、今度は本当のお守りにしなければならないと言うので、神様から、そう言われたから、今度、純粋のお守りにした。この間、浄をやつて、直ぐに言うのはあんまりだから、任意で良いんだが、この間の時言つたんですがね。今日も言う積りだつたが忘れた。
「私共は、兼々沢山戴きものをして居りますが、前のは記念として――」
そうです。将来、額にすれば良い。そう言う意味で、記念にとつて置くといいですね。
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「痛みは全て薬毒だとお教え頂いて居りますが、母親が三年間無医薬で出来た子ですが、痛みが出ますのは然毒で御座居ましようか」
之は然毒でなくて薬毒です。然毒が薬毒だから、之は古いんだから、かゆいんです。痛いのではなくて、かゆい方です。
「一代位では取れませんで御座居ましようか」
然毒は一代位では駄目です。数代ですね。天然痘は、古いのは極くかゆいんです。新しいのは、かゆいのと痛いのです。
「種痘致しませんと、天然痘の様に出て参りませんでしようか」
必ず、とは言えません。少ないのと、多いのとあるから、
「疥癬が済んで居りますのは――」
疥癬が然毒ですから、済んでるのは出ませんよ。疥癬のひどいのは天然痘の様ですから。
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「地上天国の幻燈をお写しになられましたが、あれをお借り致しまして、他の無肥料の写真、十国峠の景色と一緒に写しました処、地上天国のを写させて頂きますと、観音様のお姿が拝されたと言うので御座居ます。他の無肥料や十国峠の景色には見えないそうです」
別に不思議はないですがね。だから、全然気分が違いますね。
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「御神体ですが、田舎では風の当りの強い処がありますので、押さへますのに風鎮が宜敷う御座居ましようか。糸で――」
それが良いです。両方に釘を打つて、糸を張る。あれが一番良い。風鎮は駄目です。風が強いと風鎮では駄目です。
「田舎で薪をたく為に煤けて黒くなり困つて居りますので、ひどく汚ごれる時だけ、何かおかけしても宜敷う御座居ましようか」
白羽二重でも良いから、まいて置いて、そう言う時だけ、さもなければ両方に釘を打つて、釘も本当は竹釘が良いです。そうして、羽二重の縁を縫つて輪を作つて、普段まいて置き、そう言う時だけかける。それが良いでしよう。
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八月五日(本日に限り速記に依らず)
「自然農法の場合、苗田を作ります時、その直前に小さく切つた藁を入れておくのと、冬の間に入れて置くのは、どちらが宜敷いでしようか」
冬の間に入れて置く方が良い。堆肥は早く入れて置く方が良い
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「分蘖は土用の間だけすると言われておりますが」
大体そうです。然しそうばかりとは限らない。化学肥料の悪い事はアメリカで大いに研究されている。いずれ自然農法に関した本が出来るだろう。日本人は西洋人の言つた事は信ずるが、日本人の言つた事は信用しない傾向がある。自然農法に関して、松井誠勲氏の言うには「西洋では実験して、はじめて知つたが、明主様は実験せずして御存知」とね。肥料は体内に入ると毒素になる。日本の場合は糞小便の肥料が体内に入ると、薬毒程ではないが、やはり毒になる。
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「除草の際、土用過ぎになると根をけずるのはいけないと、又二百十日の際に倒伏すると言われておりますが、自然農法の場合は、如何で御座居ましようか」
除草は問題ではない。良いと思う時にすればいい。無肥料になると草の生え方が違う。米の生長する力が強くなるから雑草の生える力が弱くなる。神様は人間の生命を保つものには、強い力を与えている。故に無肥料になると除草が楽になる。
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「幼穂形成される時期に田の水を引いて分蘖を抑えるのは如何で御座居ましようか」
そんな事はしない方が良い。水は多くする。一番良い事は最も手数のかからぬ様にする。子供でもそうです。
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「籾播き(苗代を作らず直接田に播く方法)は分蘖も多く、収入も多い様で御座居ますが如何で御座居ましようか」
結構です。世話がかからなくて良い。
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「男稲、女稲と区別が御座居ますが」
そうです。全てのものに陰陽がある。
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「籾播きの時、籾を取つて播いて宜敷いでしようか」
籾を取つて播いても良い。籾は食べないから。
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「鳥取県石見郡田後村は日本海に面した二、三百軒の漁師部落で三、四十人の信者が居りますが、メシヤ教に入信すると、其翌日よりの漁業の収獲が悪く、その部落での最大収量のものを百%とすると、七、八十%獲れていた者が入信した場合、四、五十%しか獲れなくなります。二人乗りの舟で七、八十%獲れていた人で、三、四十%程度しか獲れず、既に一年半位になりますが相変らずです。メシヤ教の事を悪く言う人は百二十%位獲れて居ります。三、四軒の家の発動機が壊れましたが、それも全て信者の家で御座居ます。又大きな漁船を持つている所も、収穫が御座居ません。尚、病気では大いにお蔭を戴いて居ります。三軒の家では御神前にお供物をする為に漁に行きました処、その時は鯖の時期でありましたのに鯛が一尾獲れました。先生がお出になると時期外れなのに蟹が獲れたりします。その部落は、今迄天理教の信者であり、本教に入信致しました者も天理教より変つて来た者で御座居ます。大阪より転居して来た家では四月廿日より大光明如来様を、他の一軒では光明如来様をお祭りさせて戴いて居ります。光明如来様をお祭りした方の家は、今より一カ月位前から、どうにか他所なみの収量があり、その前の一年半位は獲れませんでした」
宗教に関係がある。もつと光明如来様をお祭りさせなければ。天理教の神様の邪魔がある。その中に段々邪魔が出来なくなり、段々獲れる様になる。獲れないのは一時的現象です。
「山口県にも同様の事があり、光明如来様をお祭りしてから段々良くなりました」
やはり霊界の邪魔なんです。一時先方が勝つが、段々神様の力が強くなると、こちらが勝つ。ミロクの世迄この戦いは続くんです。
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「七月二十八日朝、子供が御神前のお茶をこぼし、御神体(大光明如来)お額二体、御写真に疵つけ、御神体の下の方を少しけがしました。御文字にはかかつて居りません」(光の道会)
御神体は平本さんがお浄めしておわびする。お額はおわびして焼いて良い。邪神がしたんだね。
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「松江の倉橋忠二(四十九歳)は今月の雷鳴の時から頭痛がし、浄霊すると霊動致します。合掌した儘手を上げるだけです。強羅に出発直前、御神体にお参りする時霊動をし、家の者が浄霊をしても治まらず、教師の方が来て浄霊すると『自分は神素盞嗚尊であり、主神に三千年の罪をお詫び申したがお許しがない。お参りしてお詫びする』と言つて鎮まりました。長く霊動致した場合の処置は如何したら宜敷いでしようか」
それは本当です。松江は、日本に於る素盞嗚尊の住居です。素盞嗚尊は私にお詫びしなければならない事がある。素盞嗚尊は一人ではない。お詫びしたのも、しないのも居る。神素盞嗚尊は私の先祖に対し、ひどく罪がある。素盞嗚尊の霊が解決したら、他の霊が憑るかも知れない。今後の様子をみてみなさい。
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「太田静子と言う布教師で御座居ますが、精神的、肉体的に浄化戴いて居り、多数の信者が出来ましたが協力して呉れず、名前に押される様に思えて苦しいとの事で御座居ますが」
静は魂返しで「ス」になり「ス」は一人と書くから、名前が良すぎて苦しいんですから、改名お願いを出しなさい。
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「最近入信した人の主人(トロロコンブ製造業)は養子であり、子供が白痴の様で入信しましたが、二年前より商売不振で、祖先を祭つておりません。親と祖父は天理教で、その前は禅宗で御座居ました」
天理教でお祭りしなさい。死んでも、霊界ではその宗教の団体に居るんです。それ以前の禅宗の先祖は仏教で祭るんです。或時期になると、霊界も全てメシヤ教になる。
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「空襲で焼け、寺も位牌も行方不明で、母が一人生きているが戒名を知りません。母は大本教信者でした。父は死亡しております」
仏は先祖代々之霊位とする。顔を知つた仏も、位牌は一つづつでなくて良い。御屏風観音様と光明如来様をお祭りしなさい。
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「信者の家ですが、東方に男松、女松があり、之は先祖代々からの木で大きい松です。土手がある為に家の中が陰欝で御座居ます。大屋根より松の方が高いので、屋根を傷める為、心がとめてありますが、切つてはいけませんでしようか」
切つてはいけない。屋根にあたる部分だけ切つたら良い。心をとめても、枝を切つても、生きていれば宜敷い。丑寅の方に松があるのが一番良い。松の傍に梅があると非常に良いんです。この人のは非常に良い。
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「教会と私の住居が続いており、私は主に教会の方に来ており、家族は住居の方におりますが、仏壇をお祭りする場合に如何しましたら宜敷いでしようか」
仏壇は先祖だから家族と一緒が良い。主人の居る部屋が良い。
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「四国の一信者で御座居ますが、長男は育つて居りますが、長女(生後一年程)は二番目の子供で御座居ますが、乳を飲ませます時、首を反対に向けてひきつけます。乳は飲みたがります。姑にだつこすると機嫌良くして居ります。それで姑にだつこして貰い乳を飲ませます。食物は一切さけており、嘔吐はしません」
一年以上経つたら乳を飲ませてはいけない。之は乳を飲みたがつてはいない。胃か臍の周りに固結があるから浄霊してやる。背もよくしてやるんですね。
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「御屏風観音様を戴き度い家で御座居ますが、主人がシベリヤから復員してより、赤化思想がある為、奥さんも暫らくお道を離れて居りました。最初の子供は生れると同時に死亡し、主人はそれより益々反対し、その次の子供も危ぶなくなり、奥さんが本教にお縋りする気になり、主人に相談した処、自分は信仰しないが、本人が良いなら家内が信仰するのは自由だと言うので、御屏風観音様を戴き度いとの事ですが」
主人にその程度の理解があれば、お渡しても良い。
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「生れつきの鳥目は治りましようか」
鳥目には二種類ある。前世で鳥であつたのが生れ変つたものと、鳥の霊が憑依したものとある。鳥の生れ変りは、目だけが未だ鳥の性質が残つているんです。途中から鳥目になつたものの方が治り易い。
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「主人は入信して居らず、妻と子供が入信している家で、御神体を戴き度いと主人に相談し、戴きましたが、御奉斎の時に反対しその儘になつております。現在は床の間には普通の絵がかかつております。」
御神体御奉斎予定以外の部屋で、壁のある一番良い部屋に千手観音様のお軸をお掛けしなさい。そしてその近くに御神体を巻いて置きなさい。時期を待つ事です。
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「一月から浄霊して居ります六十七歳の人で、胃癌で御座居ますが浮腫が足全体と腹部、顔に来ております。ヌラは吐きません。痛みはなく、食欲は最近段々減つて来ております。七月末に光明如来様奉斎し、それから下痢をし、衰弱しております。この場合浄霊が弱いので御座居ましようか。信仰が薄いのでしようか」
ヌラが出なければ癌ではない。浮腫があるのが面白くない。難かしいから医者にかけなさい。助からないでしよう。
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「御先祖の霊が出て、霊界は変つたから、御仏壇に供える御飯を、今迄のでは少ないから普通の茶碗で供える様に言われましたが、その様にして宜敷いでしようか」
祖霊ではなく、狐か狸の霊です。自分が食べたいからだろう。威張つてるね。一時的の要求なら餓飢道に落ちた祖霊がする場合もある。
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「鬼門の方角に門かぶりの松がありますが」
鬼門の門は絶対いけない。松は良い。
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「天魔と言つて霊が出て参りましたが、何で御座居ましようか」
天魔は邪神です。
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「生後一年七カ月になりますが全然口がきけず、飛行機の音には指さします。又御讃歌は分る様です」
育つに従つてよくなる。生まれつき信仰がある様だから結構です。時期を見て御神体を祭りなさい。
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「或未信者の家で二人貰い子をしましたが、二人共死にました。主人も死に、更に奥さんも死にました。本家では主人と子供だけを祭り、奥さんは祭つてありません。骨も実家に返してあります。如何致したら宜敷いでしようか」
嫁の方は嫁の実家で祭れば良い。妻だけで良い。実家の墓に骨を納めれば良い。
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「母は信者で、娘が子宮筋腫になり、開腹手術をした処、子宮筋腫でなく、南京豆の如きものがありましたそうです」
南京豆の様なものは毒結です。浄霊すれば溶ける。
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「以前禅宗の信者であつた人で御座居ますが、黒い珠が行く先々で見えて仕事が出来ないそうです。その時は、丁度子供が仏壇の黒い珠数を弄んでいるそうです。夕方家へ帰り仏壇に帰しますと、黒い珠は見えなくなりました。その黒い珠数は、以前行者が魔除けにお曼陀羅と共に置いて行つたものだそうで御座居ます。お曼陀羅は巻いて珠数と共に仏壇の下の引出しに入れてあります。御神体は奉斎して居ります」
その儘で良い。
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八月八日
東京日日新聞も邪神がやつている――最後迄やらなければ。やつぱり龍神ですからね。蛇を切つても尻尾だけ動いているでしよう―あれと同じです。邪神はメシヤ教が恐いんです。他には勝つんですが、メシヤ教だけは勝つ事が出来ない。何うしても勝つ事が出来ない。邪神の頭領は赤龍と黒龍ですからね。私は金龍ですからね。神軍戦士と言うですね。邪神との闘いですね。邪神を色々やつつける戦いですね。去年の事件も、教団を乗つ取ろうと言うのですね。実にうまくやつたものです。然し九分九厘の処で――神様にね。邪神も年々弱つて来るね。一番最初は短剣を持つて私を殺しに来た。それが一番最初の邪神ですが、時代も違う訳ですね。一番その犠牲になつたのはキリストですね――あんな若くてね。観音会始めて間もなくね――指圧療法で――その時一寸人を冷やかす様な事があり、その後冷やかす事とあべこべにどんどんこつちが出世した。それでくやしがつて仕様がない。ねたみですね。自分等は相変らず三文記者でウロウロしてますからね。癪に障つて仕様がないでしよう。
「新聞でなく単行本で宗教をあばくと言うのを出しましたが、明主様にお会いしてからは、非常に大人しくしております」
そうですね。新聞にも一寸小馬鹿にした様な――そんな程度です。
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「今度戴きました新しい御讃歌集で御座居ますが、救霊と言うのは」
つまりお祭りの時、結婚の時、亡くなつた時、それぞれに。
「その救霊で御座居ますが、亡くなつた当初の時で御座居ますか」
そうです。四十九日迄の期日はいいが、あんまり長く離れてはおかしい。大体は告別式ですね。
「結婚の時には」
結婚の日に奏げる。
「御神前で――」
そうです。
「それから、私達お伺いして居りませんので、お伺い致しますが何かの命日の時三首づつ奏げれば良いと言う事を聞きましたがその様にして――」
そんな事言いませんよ。誰か作者があるね。唯、仏さんで御讃歌を聞きたい霊がいますので、一章奏げたらと言う事を聞いた事があるので、三首づつ位が良いと言つた事があります。仏壇には奏げても奏げなくても良いです。命日とかには何だが。
「何処を奏げても宜敷いので御座居ましようか」
何処を奏げても良いです。人間と同じで幾ら聞かしても良い。
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「天井が低い場合御写真を奉斎させて戴きますのに、床の中はいけないでしようか」
いけないですね。小さい御写真にすれば良い。
「御写真と御神体はどちらを先に礼拝すべきでしようか」
御神体です。それから病気とか、色んなお蔭を戴く時は御写真を先にする。やつぱり時期によつてそうするんです。今の時期は光明如来様が御神体として最高としてする。
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「御讃歌の中の『八大龍王唯一柱の神御魂とならせこの土に伊都能売神』の八大龍王とは、その中のお仕事で、八大龍王がそれぞれのお働きをなさる訳でしようか」
そうです。その中の総師が伊都能売神です。八大龍王は家来ですからね。
「赤龍、黒龍には関係ありませんでしようか」
大いにあります。ですから八大龍王が家来になつて闘つている。五男三女と言うのは、五柱の男神様と三柱の女神様ですね。その又眷族があり、関係があります。
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「よく子供で音痴が御座居ますが、霊的でしようか。音痴とか調子はずれなのは――」
桁が違うんですね。幾つです。
「小学五、六年位です」
大人でもありますね。つまり出そうと言う音声…出そうと言う弁ですね――喉ですね。それが普通よりか、厚いとか薄いとか――喰い違いですね。それからその神経の方に意志通りに行くべきところに、故障がある。思い通りにそれがいかない――伝わらないと言うそんな原因です。浄霊すれば治ります。
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「専門家によりますと、日本人は、目は外国人に較べて良いんだそうで御座居ますが、聞くと言う事が弱いと言うので――鑑賞が出来ないと言うので御座居ますが」
鑑賞が出来ないのは教育のせいです。西洋人の方が歴史的に音楽を聞く事が多いから、音楽を聞くと言う事が楽しみですから、と言うのは、外出が多いからですね。日本人の昔は外出は余りしなかつた、と言う訳だから、向うの方が音楽に発達したというのです。社交的ですね。二つの理由があります。日本は封建的ですからね。三つあります。封建的で、一つは交際したり―四つ理由があるな。人と交際したり――仮に日本の女なんか――今は出しや張つたりするが、殆んど外出はしないからね。室内に居るからね。亭主は亭主で、つまり亭主関白で威張りきつているから、女房は小いさくなつている。商人階級はそうでもないが、武士階級なんかは、親父は威張つていて、それで殿様の前じや口きかないで――窮屈です――全てが。そこで、そういつた音楽なんか特種階級に限られている。偶々武士が音楽をやると謡曲か何かでしよう。良い機会がないですからね。それから食物を考えなければ、――何うしても動物性の物を食うと活動的になりますから、じつとしている事が出来ない。日本は何うしても昔から菜食が多かつた。菜食をすると何うしても大人しく蟄居的になります。そう言う食物の関係がありますね。それから名誉欲、優越欲そう言うものが、唯物人種の方が強いですからね。そう言う訳で、音楽や芸能に、人に負けないものを作つている。だから偉い作曲者が出来た。西洋は何んな作でも作曲者がある。日本の音楽――小唄なんかには作曲者がない。向うの人間は肉食するので非常に知能的になる。色々工夫する。つまり音楽を聞き、楽器、作曲等の工夫が発達する。日本は静的です。東洋は静かです。西洋は動的だから動くんですね。その点が芸術に対して影響している訳です。之から日本も西洋風に近づく。現にそうなつているからね。そこで、最も動的なのはアメリカですね。アメリカを見れば、ヨーロツパは静的ですね。東洋はもつと動的になり、アメリカはもつと静的になる。綜合芸術と言うものが之から発達して行く。今迄色んな色を作つたでしよう。今度はその色々な色を混ぜて絵を画く。そう思えば一番分る。
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「納骨に就きまして、寅の日に納骨致しますと、三人位続いて死ぬと申しますが」
そんな事はない。そんなら西洋人は何うします。日蓮宗なんか、全然逆になつてます。偶にそんな事がある。そんな事しなくても五人も六人も亡くなる家があります。
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「信者の家で、家から一町位離れている地所に親の代から稲荷を祭つてあり、今度学校が出来るので、学校の出入口の道路に使いますのですが、本人は稲荷を動かすのは何うかと思つて居りますが」
何、構わない。成だけ清い所が良い。人間の家に離れた方が良い。その時、こう言う訳で移転するから御承知下さい、と。それで何も出来ないからね。爆弾で壊された時アメリカに祟るかね。
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「大光明如来様にお茶をこぼし紙が汚れました場合は如何致しましたら宜敷いでしようか」
経師屋に頼んで洗つて貰えば良い。字にはかかつていなくても紙が汚れてはいけない。
「大光明如来様を戴きまして、光明如来様をお仕舞する場合に染抜きをしてお仕舞すべきでしようか」
それは、染抜きをしたが良い。
「御屏風観音様にお茶をこぼしました場合は――」
お断りして焼けば良い。さもなければ御屏風はたたんで半紙に包んで粗末のない様に仕舞つておきなさい。
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「真善美のお額の文字の『真』が最近墨の濃い様な所が濡れた様な色になり、紫色に変つて来ております。何か深い意味が御座居ましようか。一カ月半位前から気がつき、段々濃くなり、現在は三字共なりました。特に『真』の字が濃い様です」
何う言う訳ですかね。紫は最高の色です。金の裏になります。もう少しその儘にしておけば、まだ変るかも知れない。
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「最近浄霊に四回位来た人ですが、浄霊を始めると――その中に二回憑霊現象があり、霊があらわれ、稍暫らく喋り、他の浄霊を戴きに来ていた子供の霊、親の霊が出るのですが」
何時も違つた霊が出ると言うのか――憑り易いんですね。
「本人は霊媒をした事もないそうです」
霊が憑つて喋るんでしよう。喋ると言うのは、一つでなく変るんでしよう。元、日蓮宗ではないですか。日蓮宗にはよくそう言う事があります。霊が非常に憑り易い人があります。そう言うのは片つ端から憑つて来ます。
「出た霊は、お道に救われたのは結構だ。厭きない様にと申します」
意識は全然ありませんか。
「全然ありません」
霊媒的素質があるんですね。そう言う事によつて霊的知識を得る事があります。恐がらないで――
「叮嚀にしております」
そんな事じやない。参考になる事を聞いて御覧なさい。あなたに霊的知識を得させる為に神様が寄越されたので――聞いて御覧なさい。参考になる事があります。
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「六月十五日午後一時から井戸の水が重油をあけた様に変りまして午後六時頃から清い水となつて飲食に使用しております。毎日で御座居ますが」
そこから石油がわくんじやないですか。
「そう言う事は御座居ません」
何処です。
「石川県鳳至郡住吉 新田三郎」
濁つた具合は泥と違いますか。
「何か――黒い色になります」
油ではないですか。
「違います」
それで、時々きれいになりますね。
「午後六時になると、きれいな水になります。家は家族全部入信。光明如来様を御奉斎させて戴いております」
濁つた色は濃いですか。
「真つ黒ではないですが、かなり濃いです」
臭いは
「しません」
今度サイダー瓶か何かに入れて持つて来て御覧なさい。見てあげます。
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「別家になつた為に、先の仏壇と二つありますが、二つでも宜敷いでしようか」
一つの方が本当です。仏壇を一つにして、中に戒名――位牌を両方入れておけば良い。
「二つあると言う事はいけないので御座居ましようか」
そうです嘘です。それで、両方の階級がありますからね。実家の方を脇にして、向つて右の方に戒名を小いさくして置く。
「前の仏壇は処分しても宜敷いでしようか」
そうです。
「宗旨の違つた場合は何う言う風に――」
違いさがあります。真宗と日蓮宗とではいけないですね。大体養家を主にして、実家の方はお客様扱い位で良いです。祭らないよりは良い、祭つた方が功徳になると言う程度です。実家の方はそう言う程度にすればいいですね。ずつと低い方でいいです。長男であつても養子に出たら――養子になれば実家の方は極く縁が薄くなるから祭らなくてもいいですよ。祭らなければいかんと言う事じやないが、実家を忘れない様に気持丈を祭ると言う程度でしなければならない。仏壇は道具屋に売つても良いです。
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「両親の戒名を並べてかくと言う事は如何で御座居ましようか」
一つで良いでしよう。特に仲の悪い敵同志の様なのでは何んだが――然し霊界に行けばそんな事はないから。
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「仏壇の拍手は幾つで御座居ましようか」
二つです。霊界は、「神幽現」の「現」はないから二つです。御神前の場合は、神道では四つですね。二つづつ二回やる。坊さんでもあるが、あれは今迄六と七丈だつたからです。処が今度は五が増へるから、メシヤ教は三つにする。
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「大黒様に対しての拍手はどの様に――」
そうですね。拍手して良いです。然し、小いさくして良いです。極く小いさく軽くですね。三つです。
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「関西では盆が八月十五日ですが、何か意味が御座居ましようか」
地方は旧暦をよく使います。旧暦は大抵一カ月後れです。元は、そうしたらしいです。
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「白木の位牌の処分は何うしたら宜敷いでしようか」
宗旨によつて処分があるんでしよう。
「信者の方で、奥さんが亡くなつて、一年も二年も置いている方が御座居ますが」
それはいけない。それは坊さんが知つているでしよう。聞いて御覧なさい。
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「御神前にお供へする花は何う言うのが宜敷いでしようか」
そうですね。反つて人間が嫌う彼岸花なんかも良いです。
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「信者さんが、何か御神前にあげたものを、あとで別けて仏壇にあげるのは如何でしようか」
それは訳が分らないな。やはり、それは皆んなで別けて食べて、御先祖は他のをね――つまりそのものは一度使つたんだからね。別けて戴くと良い。
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「御屏風観音様は神道でも宜敷いでしようか」
神社神道と宗派神道と二つあるんです。神社神道は一種の強制的にやられるもので、それは仏教に一緒にしても良いが、宗派神道は信仰ですからね。
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「岡山市に骨が太る病気で、部分的に頭に角が生えたり。手の指が太つたりします。医者は切つたら治るだろうと申すそうですが、十二、三カ所位角が生えており、首がのびたり、足でも片つ方が長くなつたりします。触つてみてもカチカチして骨の様です。何う言う関係でしようか。五、六才迄何ともなかつたそうです」
やつぱり薬毒でしようね。その地方に限るんですか。
「岡山でその人一人です」
何か変なものをその親か、じいさんか飲んで、それがずつと続いているんでしようね。浄霊すれば小いさくなるでしよう。何か変なもので、毒ですね。
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「三十五の女の方で、四月入信する一年前に、マイシンとパス十箱ばかり飲み。浄霊して居りますが、右胸の脇が非常に腫れて来て、動悸を打ち、息苦しく。お入りになる前は良い体格に見えましたが、最近痩せて参りましたので気にして居ります。食慾は無理して食べれば食べられますが、美味しくありませんそうです」
薬毒ですね。脇の下に固まつた毒があります。息切れの原因です。それを、肺の方で痰にして出そうと引つ張つている。然し溶けた奴が固いので、引つ張り出す時に息苦しくなる。
「浄霊の回数は多い方が宜敷いでしようか。それともひどい時だけにとどめておいて宜敷いでしようか」
それは多い方が良いのです。
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「今度戴いたお守様をもう一つ小いさくたたんでお掛けしても宜敷いでしようか」
先に子供や何かに大き過ぎるので、小いさくして良いかと言うので、そう言う訳なら良いと言つた事があるが、普通の人で小いさくしなくても良い人はその儘が良い。
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「戦争中、長野に疎開し、実父は叔父の家で死亡し、仮埋葬し、土葬で八年経つております。最近大宮で実母が亡くなり、実父と一緒にしたいと思いますが、如何なる処置を致しましたら宜敷いでしようか。」
手段ですね。穴を掘つて持つて来るか、霊だけかと言うのですね。八年経つたら霊だけで良いですね。宗旨は同じですか。
「真宗と申して居りました」
そうすると、お寺は違う訳ですね。お寺は定まつているんですね。叔父さんの所にある訳ですね。あとで墓がぶつつぶれる訳じやないね。それじや霊だけで良いですね。大宮の坊さんに頼んで霊を移して貰いたいと言うと、お寺の方で良い様にして呉れますから。
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「家族の知合いで非常に親しくしていた者が亡くなつた場合にお祭りして置いても宜敷いでしようか。或期間だけで宜敷いでしようか」
それは小いさくですよ。ずつと祭つてやつた方が喜びます。
「そう言う人が幾人も居る場合は」
共同墓地と言う意味で、共同の位牌を作る。それで良いです。私の所にもありますが――諸霊で良いです。
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「神経繊維炎と診断され、若い時分に――縁談が始まる時から調子が悪くなり、多い時は一日に四十本位注射を打つて居ります。お道の事が分り入信させて戴き、最初は薬毒があり御守護戴けなかつたので御座居ますが、側に居りました方に霊が憑り、娘時代に男衆が惚れまして、処がお父さんが、あんな奴は――と怒り、放り出されて死んだ後も、何うしても――霊界に行つて忘れ切れないので引つ張つたんだと言いますので、よく説得して、祭つてやるからと言うと、納得しまして、お蔭様で丈夫になり、お道の教師として奉仕しております。こちらに参拝させて戴き、帰りの汽車の中で苦しみ、大阪に着くと真つ黒いものを吐き、極く最近には、十日々々に私共の教会に参りますとうなり出し、非常な苦しみで、他の助手の方は徹夜で浄霊をさせて戴き、帰られますとケロリとしており、西ノ宮に参ります時、座談会、月並祭と言う事になりますと浄化を戴き、洗面器一杯に吐きます。あとで紫色になりますが、血だろうと思います。時には手足が冷たくなります。他所の先生の紹介で下を貸して居ましたが、その人は何うしても解らないで、最近嫌がらせをして、煎じ薬を煎じたりしているので、臭ひが上つて来て困つて居ります」
そこが教会とすると、多勢そこに住んだら何うですか。
「女の人で未婚ですから、適当な方が御座居ませんので」
浄化は薬毒ですよ。ですから、そう長く続くものではない。唯、下の人間は――やつぱり時期ですよ。時期が来るとパツパツといく。まだ時期が来ないから、清められてる訳ですね。もう少しやつているんですね。そうするとうまくいく。
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「夫婦入信の信者で、光明如来様を奉斎させて戴くのに床の間がないので、床の間の様なものを作つて、と言う積りで大工を呼んだ処、その大工さんが変で、この天井の棧がいけないとか、何がいけない。と言うので、主人公が迷つて相談を受けましたので御座居ますが」
やっぱり横縦はありますがね。突くとか言つて、いけないと言いますが、そう言う理由がない訳じやないが、横に板をすれば良い。そんな大工を信じちやいけない。メシヤ教が上だから、大工より神様の方が上だから。
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「子供に愛人が出来た場合、親からみて、将来が案じられる時、何うしたら宜敷いでしようか。添わせるべきでしようか。それ共、無理に離すべきでしようか」
何うも出来ないでしよう。本人が――添わなきや承知しないでしよう。その位の愛があれば結構です。
「処がお道の方で夫婦仲の悪い事がよくありますが」
つまり見合結婚と恋愛結婚の優劣でしよう。
「いいえ、そうでは御座居ません」
まだメグリがあるからで、そう言うのはウンと喧嘩して、メグリを取つたら良い。今の恋愛問題ですが、あれは別のものですね。若し愛し合うとしたら何うする事も出来ない。それを何うかすると、決して良い事はない。ですから本人任せにしておけば良いのです。
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「最近アパートとか社宅で信者が出来ますが、何か御神体を戴けないもので御座居ましようか」
それはね、丁度千手観音様がありますから、あれなら何処でも良いからね。
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「以前大僧正から南無妙法蓮華経と書いたものを戴いて居りますが、このお道に入りましたので必要はなくなり、気持が添わない様で御座居ますが、誰かにやつても宜敷いでしようか」
やつてはいけない。仕舞つておけば良い。
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「絵画の事ですが、日本画の啓書記とありましたが、やはり墨絵で、私の持つて居りますのに、松と鷹の絵ですが、啓処とかいてありますが」
啓書記と言う人は、何しろ非常にうまいですから、うまけりや、啓書記と思えば良い。私は一番好きです。日本画じや啓書記が好きです。啓書記と言うのは足利時代で、支那から帰化したと言う説がありますがね。そうかも知れないですね。あれが段々狩野派となつて来た。啓処と言うのは弟子かも知れないね。
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「病人が衰弱している場合に栄養の吸収し易い柔らかい物を与えるのは如何で御座居ましようか。牛乳とか卵とか」
良いです。病気によつては――胃潰瘍なんかは。胃潰瘍とかチブスとか、赤痢なんかも。
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「結核患者が一般的に浄化が激しくなつて来た様ですが」
一度良くなつた時、しばらくうつちやらかしておくんです。そして浄化の起つた都度にやる方が間違いがなくて良い。早く治そうとするから咳と痰が一ぺんに出て来ますから、あんまり浄化を強く起させてはいけない。気長に少しづつやつていくと良いんです。浄霊も定めないで、偶にすると言う位で良いんです。
「結核で、初めての患者で御座居ますが、浄霊しない前から衰弱しているのは何う言う風に――」
初めての患者はウンとした方が良い。今私が言つたのは、一旦浄化が良くなつて、再浄化と言う場合です。それから肺病と他の病気は違うから、そこのところを間違はない様に。
(垂一号 昭和二十六年九月十五日)