竹内四郎氏外との御対談(二) 肥料迷信打破も急務

阿部執事 新聞でも自然栽培の面を取上げてみたら如何ですか。兎に角五年で五割増産することは確実なのですから、これが一般の農家に普及したら大変いいことと思いますがね。

明主様 今度の報告の中でも反当り十三俵というのがありました。

阿部執事 この方が病気治しよりわかりがいいかも知れませんね。

木原理事 結局“家庭と宗教”という欄になるとすると、自然栽培は切っても切れない問題になりますね。

明主様 そうですね。そうなると農民は読まないわけにはいかなくなります。それから米でも野菜でも、その味のうまいことは大したものです。これを食べたら外の物は食べられませんよ。又ミカンでも柿でも無肥料の物はうまいのです。そういうように、うまい物がとれて、而も増えるのです。その上肥料代は要らず又風水害の被害もあんまり蒙りません。というのは、無肥料ですと根の数が非常に多くなるのです。それで根張りがいいから倒れないのです。又仮令倒れても起上ります。それに第一虫害がありません。虫がわくということは、肥料の為にわくのです。ですから近頃虫の種類が増えて来たということは肥料の種類が増えたからなのです。

この自然栽培を実施する時に、ただ斯ういう点があります。例えば今迄の有肥栽培の稲を自然栽培に切換えた最初の年は、当初実に貧弱なものです。丁度一種の麻薬中毒患者が麻薬を止めると、馬鹿みたいになりますがそれと同じで、今迄肥料をやっていたのをやめるから、一時その様な状態になるのでそこでみんな驚くのですが、それでも辛抱していると、秋になる頃には復活して産額は殆ど同じ位になります。次の年になれば、前の年よりはいいですが、それでも最初の間は見られません。三年四年と経つと段々よくなって、五年目になると五割増産になります。それでこの頃は信者以外の人でも大分真似をするようになってやっているようです。結局今の人間は迷信にかかっているのです。肥料迷信、薬毒迷信です。それを打破していかなければならないのです。

話は違いますが、凄い報告がありました。それは炭鉱でいろいろな危険に遭遇して、四、五回その危険から脱したというのです。それで坑夫はどうしても神様の御守護だと考えるよりは仕様がない、ということを書いてありました。そういうことも新聞に出すといいと思います。ですからこれが徹底すれば炭鉱の被害は何分の一というようになります。一炭坑に信者が四人か五人できたら被害は大変な減り方になります。それはどうしても爆発しなければならないものが爆発しなかった、というようなことが書いてありました。

竹内氏 それはどういう理由なのでしょうか。

明主様 それは霊的になりますから、一寸信じられないでしょう。しかしこれは立派な科学なのです。宗教科学と言いますが、科学的に説明できるのです。そういうこともこれから書くつもりです。将来はだんだん今迄分らないものとされていたそういう奇蹟等についてすっかり書くつもりですから、何と言いますか極く進歩した科学でしょう。二十一世紀の科学とでも言えましょう。

一同 ではどうも長い間大変有難うございました。

(昭和二十八年二月四日)