日置昌一氏との御対談 米国人をメシヤ教に帰依させる

日置氏 日本人は、日本人よりも米国人を信ずるからね。

明主様 何でも舶来という。宗教も舶来でなければだめだね。絵だって見るでしょう。いつも日本人は自分のよさが分らない。私は米国は機械文明は大したものだと思うが、芸術や、美術は日本が先だよ。マチスやピカソを大騒ぎするが、これは、日本の光琳から変って来たんだ。ルネッサンスは光琳がぶち壊した。フランスに“世界を動かす光琳”という本がちゃんとある。それを見ると光琳によって、新しい単純な形式が生れて来たんだね。そしていろんなものに影響した。とくに光琳の影響をうけたのは建築。最初にターポー、それからセセッションになって、次に未来派ができた。今度、私はコルビジューを一層進歩させたものを作っている。コルビジューには、ちょっと安っぽいところがあるけれど。それから画壇も印象派が出来てセザンヌ、ゴッホなどがはじめて生れたのだが、みんな光琳の影響をうけたわけだ。その後、写楽、北斎、歌麿などの影響で現在のピカソ、マチス、ルオーなどが出てきたんだが……。

日置氏 そこで『米国を救う』という本を書いたってわけなんですね。あれは第一、題がいい。

明主様 題に惚れて買ったという人がずいぶんあったよ。いずれ、そのうち『ソ連を救う』というのを出すかな。(笑声)いま、この本の英訳が出来たが、へたに出して先で無理解なことをされると、あとでこっちの宗教宣伝に差支えるといかんから、よく調査しようと思ってる。

日置氏 題が強すぎるから、米国人は題だけで反感をもつかもしれない。

明主様 そうでもない、進駐軍の人が翻訳しているから、案外いいと思う。

日置氏 題材はなんですか?

(昭和二十七年十月二十五日)