抑々、本医術の創成は、全人類が長い間待望してゐた理想の実現ともいふべきものであると私は惟ふのである。然乍らそうであればある程、何故今日迄、何千年間あらゆる医術療法なるものが、驚くべき程の誤謬を続け来ったのであらうか。而も未だ一人として之を発見し得た者がなかったといふ事は、洵に不可解極まる事であるといはねばならない。此著書を読んで覚醒された限りの人々は、此疑問を起さない訳にはゆくまいと思ふのである。
そうして右の如き過去の疑問と、そうして私によって創成された此医術の出現こそは、将に一大驚異であると共に、その原因が、現在、空前の大規模に行はれつつある世界の大動乱と其原因が軌を一にしてゐるといふ事である。
(昭和二十年)